FC2ブログ

ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

東京都知事選 近頃の現象[五百七十六] 

石原知事不出馬へ 
後継に松沢神奈川県知事

 
 東京都の石原慎太郎知事(78)が、4月の都知事選に出馬しないことが22日、分かった。長男で自民党の石原伸晃都連会長らが支援者らに伝えた。石原知事らは後継候補として、神奈川県の松沢成文知事の擁立を進めている。自民党都連は石原知事への出馬要請に向け準備を進めていたが、戦略の練り直しを迫られている。候補者選びに難航する民主党へも影響しそうだ。(2月22日産経新聞) 

【雑感】都知事選になるたびに思い出すことがある。
 
 90年代前半、当時はまだ「革新系」というフレッシュな看板が色褪せていなかった左翼系市民や護憲派市民の熱烈な支持で当選した青島幸男氏、都市博中止を公約に掲げ利害関係に怯むことなく実行したことは未だ鮮明に憶えている。「誰が知事になっても同じ」という認識で投票率が下がりつつあった日本だが、青島氏のおかげで「選挙で変わる事もある」を実感した。
 当時の都市博中止は、前原誠司氏の八ッ場ダム建設中止発言以上のインパクトだった。特に地方自治は国政以上に無風であることが多く、首長の顔が変わっても前職の政策を踏襲することが常態だったから、「何だかんだ言っても都市博は開催されるだろう」と多くの人がタカをくくっていたから衝撃を受けた。だがここで有権者は学ぶべきだった。特に左翼系と護憲派は。
 
 都市博中止の代償は小さくなかった。土木建築業界は大打撃を受け、青島氏は補償を明言したものの下請け孫請け業者には手が回らず倒産が相次いだ。なにしろ孫請けあたりになると契約書の作成すらいい加減、日本的あ・うんの関係で仕事をもらっていることも少なくない。バブル景気が破裂する時期とも重なっていたので関東一円だけでなく引いては日本経済にも痛手を与えた。
 これによって青島氏も路線変更を余儀なくされる。たぶん「こんなに大変だったとは」「こんな事になるとは」とショックを受けたのが実像ではないか。東京都官僚との関係修復に努め、協調して改革を緩慢ながらも進めていく。ところが青島氏を支持していた人々からは役人に丸め込まれているように見え、次第に怨嗟の声を上げるようになった。
 
 雑誌かTVかは忘れたが、任期後半の青島氏はインタビューで自分の政治を80点と答えてマスコミを驚かせた。当時は私も「青島は浮世離れしているのか」と不快になったが、今は気持ちが解るような気がする。部下である東京都職員たちに気を遣い緩慢ながらも職員たちと一緒に改革を進める、不可能と思われた都市博中止も実現した、これだけ頑張っているのだから80点だろう。
 ところが青島氏の思いは「革新系」を中心に有権者たちを怒らせることになった。参院議員時代に共闘していた政治家・ジャーナリスト・市民運動家から「裏切り者」とでも言わんばかりの激しい非難。2期目当選確実と言われていたのに出馬をやめてしまったのは、頑張っているのに仲間や友軍だったはずの人々から認めてもらえない孤独さから知事を続ける意志が萎えてしまったのではないか。
 
 青島幸男氏の退場とともに現れたのが、国会議員を引退した石原慎太郎氏である。突然の出馬表明にマスコミは騒いでいたが、中曽根康弘氏ら保守の重鎮は以前から石原氏を都知事に推していた様だったし、青島氏の退場で確実に勝てると石原氏も見たのだろう。石原氏の出現で、勝てる戦だと思って討って出た舛添氏は戦上手の勘を狂わされた。
 石原氏の3期12年にわたる長期都政の幕開けとなるが、当時の「革新系」の論調は石原氏を当選させた都民の「低レベル」や「無知」を非難していた。だが本当に無知で低レベルなのは「革新系」ではないのか。青島批判の結果、石原都政が誕生したのだ。
 ただでさえ戦力不足の「革新系」、本当は天皇制を廃止したいのに護憲にまわったのは、下手に改憲を訴えると保守系の憲法が通ってしまうから、現状維持大好きの日本人の民族性を利用して護憲戦略をとっていたのではなかったのか。都政にしても、石原氏のようなタカ派首長出現を抑えるため青島氏を大事にするべきだった。
 
 トータルで戦略や戦術を考える発想をもてないのが「革新系」の弱点だ。そして自分の不始末よりも社会や権力の責任にする傾向が目立ち過ぎる。青島氏の「失政」を民主も社民も他人事と考えていたのではないか。 
 

 
 blogram投票ボタン にほんブログ村 映画ブログへ
ブログランキングに参加しています。
関連記事
スポンサーサイト



[ 2011/02/25 11:28 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する
映画処方箋一覧
晴雨堂が独断と偏見で処方した映画作品。
下段「日誌」項目は晴雨堂の日常雑感です。
メールフォーム
晴雨堂ミカエルに直接ご意見を仰せになりたい方は、このメールフォームを利用してください。晴雨堂のメールアドレスに送信されます。

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール
↓私の愛車と野営道具を入れたリュックです。

晴雨堂ミカエル

Author:晴雨堂ミカエル
 執筆者兼管理人の詳しいプロフィールは下記の「晴雨堂ミカエルのプロフ」をクリックしてください。

晴雨堂ミカエルのプロフ

FC2カウンター
2007年10月29日設置
当ブログ注目記事ランキング
当ブログで閲覧数の多い順ランキングです。
設置2013年6月13日
ブログランキング
下記のランキングにも参加しております。ご声援ありがとうございます。
  にほんブログ村 映画ブログへblogram投票ボタン
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
映画
124位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
レビュー
64位
アクセスランキングを見る>>
タグランキング
晴雨堂の関心度が反映されています。当ブログ開設当初は「黒澤明」が一位だったのに、今は・・。
訪問者閲覧記事
最近のアクセス者が閲覧した記事を表示しています。
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム
リンク