FC2ブログ

ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

カダフィ大佐(3) 近頃の現象[五百七十七] 

リビア国連大使、突然涙のカダフィ氏非難演説

 リビア情勢を巡る25日の国連安全保障理事会で、カダフィ氏に忠誠を誓い続けていた同国のシャルガム国連大使が突然、カダフィ氏への非難演説を行って決別を宣言した。(読売新聞)
 
【雑感】カダフィ側から見れば、リビアから遠く離れた「安全地帯」の晴れの場で自己保身に出た裏切り、となるだろう。万が一カダフィ政権が持ち直したら、シャルガム国連大使はそのまま宿敵だったアメリカに亡命する事になる。となれば「アラブ」を裏切ったことにもなりかねない。
 だから、国際政治の現場に立たされ風を見る眼が肥えている国連大使の判断は、けっして安易な自己保身ではなく、もはやカダフィ政権が風前の灯である事と、傭兵によって市民を虐殺した事でカダフィ大佐のカリスマも地に落ちた点を考慮して、利益と道義の双方の視点で「尽くし甲斐」が無いと決断したと思う。
  
 アメリカはカダフィ大佐の資産凍結に乗り出してきたし、反政府デモは首都にも数千人規模で展開するようになった。次第にカダフィ大佐の再浮上の可能性どころか退路すら無くなりつつある。英雄が零落れるのは寂しい。
 
 単純に国益、言い換えれば自分自身の生活の問題で見れば、一連のアラブの民主化ドミノ現象は無邪気に喜べない。80年代後半から90年代前半にかけて旧ソ連や東欧諸国が次々と社会主義政権を放棄して民主化へ雪崩れ込んだ。当時の私は若かったから無邪気にワクワクしたものだが、マイナス面は決して小さくはなく、むしろ米ソ2つの超大国が対立していたおかげで目立たなかった民族紛争や宗教対立が、一方の雄が倒れたことで鎌首をあげて全世界にテロや内紛が増加することになった。
 その前のアフリカ諸国独立にしても、欧米列強の植民地から脱却したのは良かったが、政治経済の訓練を受けた欧米人を追放もしくは粛清したため経済はむしろ悪化し、そのため部族間紛争を増加させた。
 
 アラブ諸国の民主化は道義的には良いが、しかし四半世紀以上による長期独裁政権はパワーバランスを保ってきた。日本をはじめ先進諸国に石油を安定供給してきたのは、独裁政権のおかげでもある。その秩序が乱れるのだ。
 問題なのは一連の民主化運動は横の繋がりだけの展開、アナーキストにとっては理想的な運動かもしれないが、リーダー不在は混乱を収拾できず、リビアなどではカダフィ大佐が強力に抑えていた部族間対立を表面化させることになる。

 そうなれば混乱は長期化して原油価格の高騰を招き、原油は輸送費に直結するため物価高を引き起こす。しかも天候不順で世界的に食糧価格が急騰する事が判っているから、ダブルパンチだ。さらに日本は赤字予算と同じく国内の食糧も海外からの輸入に頼っているため、下手をすればトリプルパンチだ。そして将来的には日本の第一次産業の平均年齢は還暦を過ぎているわけだから、生物学的にあと10年あるいは20年経つと滅んでしまうかもしれない。この状況を知りながら、自民党政権は農林水産の体力を殺ぐ政策を一貫してとり続け、民主党政権でも改善策をとれないまま時間が過ぎている。
 
 私が20代の時に起こった旧ソ連・東欧諸国の民主化ドミノの時みたいには喜べない。語弊を恐れずに言えば、むしろ暗黒の時代に入ったような気分だ。
   

 
 blogram投票ボタン にほんブログ村 映画ブログへ
ブログランキングに参加しています。
関連記事
スポンサーサイト



[ 2011/02/26 13:52 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する
映画処方箋一覧
晴雨堂が独断と偏見で処方した映画作品。
下段「日誌」項目は晴雨堂の日常雑感です。
メールフォーム
晴雨堂ミカエルに直接ご意見を仰せになりたい方は、このメールフォームを利用してください。晴雨堂のメールアドレスに送信されます。

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール
↓私の愛車と野営道具を入れたリュックです。

晴雨堂ミカエル

Author:晴雨堂ミカエル
 執筆者兼管理人の詳しいプロフィールは下記の「晴雨堂ミカエルのプロフ」をクリックしてください。

晴雨堂ミカエルのプロフ

FC2カウンター
2007年10月29日設置
当ブログ注目記事ランキング
当ブログで閲覧数の多い順ランキングです。
設置2013年6月13日
ブログランキング
下記のランキングにも参加しております。ご声援ありがとうございます。
  にほんブログ村 映画ブログへblogram投票ボタン
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
映画
117位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
レビュー
58位
アクセスランキングを見る>>
タグランキング
晴雨堂の関心度が反映されています。当ブログ開設当初は「黒澤明」が一位だったのに、今は・・。
訪問者閲覧記事
最近のアクセス者が閲覧した記事を表示しています。
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム
リンク