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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「エイリアン2」 ストレス解消活劇〔76〕 

エイリアン2」 新装続編の傑作!
 
 
  
【原題】ALIENS
【公開年】1986年  【制作国】亜米利加  【時間】154分  
【監督】ジェームズ・キャメロン
【原作】
【音楽】ジェームズ・ホーナー
【脚本】ジェームズ・キャメロン
【言語】イングランド語
【出演】シガーニー・ウィーヴァー(リプリー)  マイケル・ビーン(ドウェイン・ヒックス)  キャリー・ヘン(レベッカ・“ニュート”・ジョーダン)  ランス・ヘンリクセン(ビショップ)  ポール・ライザー(バーク)  ジャネット・ゴールドスタイン(ヴァスクェス)  ビル・パクストン(ハドソン)  ウィリアム・ホープ(ゴーマン)  アル・マシューズ(アポーン)  マーク・ロルストン(ドレイク)  リッコ・ロス(フロスト)  コレット・ヒラー(ファーロ)  ダニエル・カッシュ(スパンクマイヤー)  シンシア・スコット[女優](ディートリッヒ)  ティップ・ティッピング(クロウ)  トレヴァー・スティードマン(ウィズボウスキー)  ポール・マクスウェル(ヴァン・リューエン)  ビル・アームストロング(ライデッカー)  ジェイ・ベネディクト(ラス・ジョーダン)  ホリー・デ・ジョン(アン・ジョーダン)  マック・マクドナルド(シンプソン)  エリザベス・イングリス(アマンダ・リプリー)
  
【成分】パニック 不気味 勇敢 絶望的 かっこいい 戦争活劇 SF
                
【特徴】前作のSFホラーから一転、戦争アクションに新装。主人公リプリーは宇宙海兵隊1個分隊とともに再び忌まわしい惑星に戻る。
 監督は気鋭のジェームズ・キャメロン氏。本作には「ターミネーター」でブレイクしたマイケル・ビーン氏も同様のキャラで出演している。ジェームズ・キャメロン監督は自身の「ターミネーター」の続編でも成功を収めるので、続編は不発に終わるジンクスを破る監督としても有名になる。
    
【効能】リプリーの逞しさにエナジーをもらう。女性兵士の強さに萌え。
 
【副作用】前作のホラー佳作をドンパチ映画に改悪されて不愉快。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。  
戦士リプリーの完成と女戦士の定着。
 
 私が知る限り、純粋に闘う女性ヒーローは日本漫画の「リボンの騎士」や「キューティ・ハニー」「けっこう仮面」「ベルばらのオスカル」「スケ番刑事」ぐらい。特に少年漫画やアクション映画など男性客を意識した作品では極端に可愛いだけのマスコット的な無個性ヒロインである。
 たまに勇ましいヒロインが登場することがあるが、物語の過程で鼻っ柱を折られて従順なマスコットにされていくパターンが圧倒的。(余談1)

 前作のリプリーは、ノストロモ号の年少乗組員。まだ若輩でありながら船長の下で実務全般を取り仕切る二等航宙士、船長と一等航宙士が不在のときは船長代理を務めるナンバー3、と言えば聞こえはいいが、作中ではけっこう部下からナメられたり、上司から彼女の職務権限を軽んじられたりして、気の強い彼女は不満げにムッとする。
 ここまでは、従来の「勝気な女性キャラ」にありがちだが、船内が危機的状況になるにしたがってサバイバルを生き抜く逞しさが出てくる。「所詮は女か。やはり逞しい男がいなければ」的の物語にする事が多かったのに。
 あたかも申し訳程度の女性の社会進出から、いよいよ重要なポジションへと定着しつつある社会背景を反映しているかのようだ。
 
 さて、本作では前作の逃げ惑いながら闘うホラーではなく、積極的に死地へ進出して戦う戦争アクションへとモデルチェンジ。これが功を奏している。
 リプリーも平凡な宇宙船の乗務員ではなく戦士である。当時の映画ポスターには、まるで一部隊を率いているかのように兵士たちの中央で仁王立ちするリプリーが写っていた。
 しかも部隊の顔ぶれを見れば女性の姿が目立つ。実社会でも女性兵士は珍しくなくなってきた事が影響しているのか。特にジャネット・ゴールドスタイン氏扮する赤いバンダナの女性兵士バスケスは、小柄ながら筋骨逞しく美少年的魅力。しかも重火器を軽々と持ち、危険な先導も務める。佳境の撤退シーンでは危険な殿(しんがり)を務め、追撃するエイリアンを撃退。本作で死んでしまうのは惜しい。
 
 また、エイリアン巣くう植民星の唯一の生存者も10歳くらいの女の子、エイリアンが徘徊する中を身を潜め独り生き延びてきた。劇場公開当時はカットされていたが、リプリーにも同じ年頃の子供がいて、前作の遭難事件から60年近く時間が経過していたため既に故人、ラストで生存者の女の子が「ママ!」と叫んでリプリーと抱き合う場面につながる。その時リプリーの後姿が逞しく見えた。
 
 リプリーは当初オブザーバーとして従軍する。屈強なバスケスからは「か弱そうな女め」と言わんばかりの軽蔑の眼差しで見られていたのだが、エイリアンの襲撃で指揮官が負傷して意識を失い、部隊は大パニック、リプリーはオブザーバー的冷静さで最上級下士官のヒックス伍長を指揮官に指名、生き残った部隊は次第にリプリーを中心に結束、ラストでリプリーは人型フォークリフトをパワードスーツのように扱って女王エイリアンと一騎討ちの対決までやってしまう。
 
 70年代のキャリアウーマンは物珍しさがあって、大袈裟に称揚されたりバッシングされたり、それが次第に物珍しさが薄れて定着していく。「エイリアン」の1作目と2作目はそんな実社会を反映しているように見える。知恵と勇気を振り絞って辛くも生き残ったキャリアウーマン・リプリーは、子供を命がけで守る戦士へと成長した。
 彼女の周りにいる男たちは実に情けない。ヒックス伍長でさえラストでは大怪我をして満足に闘えない状態。今回は善玉にまわった人造人間も下半身が千切れている。もしかしたらシングル・マザー問題の影響もあるかもしれない。
 
 本作唯一の不満は、ジャネット扮するバスケスが死んでしまうことである。マイケル・ビーン氏のヒックス伍長を殺され役とし、バスケス兵士がリプリーとともに生き残り、続編でエイリアンとの戦いを続行してほしかった。

(余談1)TVドラマ「バイオニック・ジェミー」は、中学生の頃だったか、毎週日曜日の夜に観ていた。
 ところでそのジェミーの先達の「600万ドルの男」に登場する女性キャラは伝統的なか弱い系である。その中の1エピソードにカッコいいジェミーが登場するのだが、新鮮さでウケ、一種のスピンオフとして独立した後続の人気シリーズとなる。
 あと、同時期にスーパーマンの女性版「ワンダーウーマン」もあった。これも深夜放送されていた時、嬉々として観ていたのに。いずれもウーマン・リブ運動や女性の社会進出が社会を騒がせていた時期の実写ドラマ群である。
 
 考えてみれば、永井豪氏「けっこう仮面」も池田理代子氏「ベルばらのオスカル」も、リブ運動が席巻した70年代か。

晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆☆☆ 秀
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆ 名作

 

 
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