FC2ブログ

ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

カダフィ大佐(7) 近頃の現象[六百一] 

政府側がEUと接触 反政府側はフランスと

 北アフリカのリビア政府は9日、欧州連合(EU)加盟国のポルトガルに特使を派遣し、自国で続く武力衝突の状況を説明した。AP通信によると、リビア代表団は10日にはブリュッセルで欧州連合(EU)のアシュトン外務・安全保障政策上級代表(外相)と会談する見通しで、EU側から一定の理解を得たい考えだ。一方、反政府勢力側も10日にサルコジ仏大統領と会談することにしている。政府側と反政府側が、国際社会からの支持取り付けを巡って争う構図だ。(毎日新聞)
 
【雑感】チュニジアの政変のとき、まさかリビアが内戦になってしまうとは想像できなかった。
 
 ここまで拗れてしまうと、どちらかが倒れるまで内戦は続いてしまうのではないか。内戦が続くとせっかく築き上げた経済基盤が荒廃する。内戦が終わった後の国政建て直しが困難になり、人心は再び内戦後の政権に憎悪を向け悪循環に陥る。
 双方とも停戦の機会を得たいようだが、当初の勢いとはうってかわってカダフィ側はしぶとい、一方反政府側もカダフィ政権の拠点は落とせずにいる。フィリピンのマルコスやルーマニアのチャウシェスクのようにはいかない。
 
 カダフィ大佐は他の独裁者に比べるとアピールの上手さと慎重さがある。北朝鮮のように貧富の差を極端に酷くはさせず、資産の独占をやった可能性はあるが人民が一揆を起こさない程度には還元してきた。また近年の反米路線を改めて中国のような一部開放的な路線に切り替えた。もっとも、それが現在起こっているネットを利用した革命勃発のきっかけになってしまったが。
 
 それから日本の左派市民の間では評判は悪いどころか好ましい。ピースボートもリビアを訪問してカダフィ大佐と懇親の機会をもった事がある。私も個人的には好きな独裁者キャラだった。
 これはカダフィ大佐の反米姿勢もさることながら、イスラムと社会主義を融合させた政治体制をしき、女性の社会進出を促進させた功績がイメージアップを果たしている。
 
 詳しい数字は忘れたが、現実に周辺アラブ社会の中でリビアは女性の就業率と大学進学率が高いのである。その象徴なのがカダフィ・ガールズと呼ばれる大佐の身辺警護を務める女性兵士たちだ。
 
gaddafi13.jpg
公の場で笑顔をふりまくカダフィ大佐を硬い表情で警護する女性兵士 
easycomeseasygoes.blogspot.com参照

 
 傍らに侍り身辺を警護する女性兵士。国際政治の場では「カダフィ・ガールズ」と呼ばれ大評判だった。日本や欧米社会では、この光景を些かスケベな目で見てしまうかもしれない。美女を周囲に集めてスルタン気分か、と。
 そんなスルタン気分がカダフィ大佐に有ったのかどうかは別にして、少なくともアラブ社会で女性が素顔を晒して仕事に就くというのは特異な事である。フェミニストでなくても女性差別がきついと見えるイスラム社会で、しかも民主化されたトルコとは違って遅れた国と見られていたリビアで、凛々しく軍服や戦闘服に身を包んでカダフィ大佐とともに公の場を闊歩する様は新鮮すら感じる。
 
 カダフィ・ガールズを見て、カダフィの美女軍団などと揶揄する声も大きいが、警護兵の中にはこんなタイプの女性もいる。
Muammar-Gaddafi 001.jpg
カダフィ大佐の真後ろにいる女性は無帽でサングラスをかけ砂漠迷彩の戦闘服を着用している。
大佐の隣で眼光鋭く周囲を警戒する女性は、赤い略帽を被り通常勤務用にしては少し派手なジャケットを
アンダーシャツの上から着ている。
www.guardian.co.uk参照

 
 一時期評判になった金正日氏の「喜び隊」のような容姿端麗の美女を集めた集団というよりは、軍人らしく屈強な女性を選んだという感じだ。上記の兵士たちは凛々しくて美のオーラを感じるが、失礼ながら世間一般でいう「美女」とは言い難い。
  
リビア女性親衛隊.jpg
ウッドランド迷彩の戦闘服を着た女性兵士たち。
リビアは砂漠地方だけでなく、スペインやイタリアと同じく地中海性気候の沿岸部もある。
通常服や礼服はまるで「ベルばら」のような肩章が印象的だが、
戦闘服のデザインは旧ソ連を参考にしているように見える。
u2r2h-documents.blogspot.com参照

 
 様々な民族がいる。手前の兵士はアラブ系の美女といった感じだが、隣は金髪のヨーロッパ系、奥の兵士はアフリカ系といった具合だ。
 体格もモデルのようなスレンダー系もいれば、無差別級の柔道でもやっていそうな体格の良い人もいる。
 リビア軍の制服の知識が全く無いのだが、兵士たちは様々な軍服を着る。砂漠と地中海性気候のお国柄を反映して、茶系色の砂漠用迷彩服や緑系色ステップ気候用迷彩服などの戦闘服に身を包んだ女性や、ワイシャツにネクタイをつけてジャケット着る場合もあれば、アンダーシャツの上からジャケットを着る事もある。赤いベレー帽のときもあれば、略帽のときもある。
 個人的には彼女たち女性部隊は萌えだな。
 
 カダフィ大佐は、女性のほうが男性より忠誠心が高くて信頼できるという理由で女性警護兵に身辺を守らせている。また国際会議などにも女性兵士を連れて行くのは、リビア女性の美しさを世界に紹介するためらしい。
 実務的に信頼と安定があり、対外的には他のイスラム諸国より開放的な国という宣伝工作の意味もあるか。
 
 もしカダフィ政権が倒れたら、彼女たちはどうなるのだろう。仮に数字通り女性の地位向上が本当にはかられていたとしたら、たぶん新しい政権では揺り戻しを起こして女性の社会的地位が再び下がる可能性はある。
 東欧諸国の社会主義政権が崩壊したとき、建前として一応は男女雇用は均等だったのに、男社会になってしまう現象が実際にあった。 


 
 blogram投票ボタン にほんブログ村 映画ブログへ
ブログランキングに参加しています。
関連記事
スポンサーサイト
[ 2011/03/10 15:16 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する
映画処方箋一覧
晴雨堂が独断と偏見で処方した映画作品。
下段「日誌」項目は晴雨堂の日常雑感です。
メールフォーム
晴雨堂ミカエルに直接ご意見を仰せになりたい方は、このメールフォームを利用してください。晴雨堂のメールアドレスに送信されます。

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール
↓私の愛車と野営道具を入れたリュックです。

晴雨堂ミカエル

Author:晴雨堂ミカエル
 執筆者兼管理人の詳しいプロフィールは下記の「晴雨堂ミカエルのプロフ」をクリックしてください。

晴雨堂ミカエルのプロフ

FC2カウンター
2007年10月29日設置
当ブログ注目記事ランキング
当ブログで閲覧数の多い順ランキングです。
設置2013年6月13日
ブログランキング
下記のランキングにも参加しております。ご声援ありがとうございます。
  にほんブログ村 映画ブログへblogram投票ボタン
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
映画
158位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
レビュー
81位
アクセスランキングを見る>>
タグランキング
晴雨堂の関心度が反映されています。当ブログ開設当初は「黒澤明」が一位だったのに、今は・・。
訪問者閲覧記事
最近のアクセス者が閲覧した記事を表示しています。
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム
リンク