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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

福島第1原発(14) 近頃の現象[七百六十九] 

高性能マスク不足など原因 
作業忙殺、制御室で食事も 
上限2倍超被ばく・東電調査

 
 東京電力福島第1原発事故で、3、4号機の運転員だった男性社員2人が、国の緊急時上限の2倍以上となる600ミリシーベルトを超える被ばくをした問題で、同社は17日、放射性ヨウ素の吸着能力のあるマスクの不足や、作業に忙殺され中央制御室で食事を取らざるを得ない状況にあったことなどを原因とする報告をまとめ、経済産業省原子力安全・保安院に提出した。(時事通信)
 
【雑感】ハリソン・フォード主演「K-19」にこんな場面がある。
 米ソ冷戦時代、ソ連はアメリカに負けじと核武装に力を入れ、アメリカに近い大西洋上の北極圏に原子力潜水艦を派遣して弾頭ミサイル発射演習を行う。それが主人公たちの原潜「K-19」なのだが、故障が多くて非常に不安定、現場指揮官たちはソ連軍上層部に「無理」と意見するが聞き入れない。

 結局、ミサイル発射演習は成功するが、その帰路に艦内の原子炉がトラブルを起こしてしまう。決死の復旧活動でなんとか持ち直し帰還はできたものの、多くの乗組員が大量被曝して間もなく死亡、おまけに艦長に反逆罪の容疑までかけられてしまう。

 ソ連軍上層部は「K-19」に冒険的な軍事演習を強行させた訳だが、それに見合うフォローが無茶苦茶怠慢である事が作品で描写されている。
 軍医が発注した医薬品が入荷せず別の薬が入っている。それに抗議する軍医を事故?なのか軍用トラックは轢き殺す。放射能防護服は品薄で配備されておらず、化学薬品用のスーツしかない。乗組員が次々に被曝して艦長は自沈を覚悟している時に艦隊司令部は「乗組員に新鮮なフルーツを与えよ」と頓珍漢な命令がくる。
 
 如何にも人権意識の無い硬直した官僚組織のソ連的悲劇なのだが、私はこの作品をレビューしたとき「これは旧ソ連だから起こった事件ではなく、現在の日本でも現在進行形で多発している問題なのである」と述べた。いわば、ハズレてほしい指摘が大アタリのお粗末さが目立つ。
 
 チェルノブイリ事故発生当時、簡単な防塵マスクで復旧作業にあたっているソ連のやり方をニュース映像で見て、「ソ連て、いい加減な国やなぁ」と思ったものだが、いまや国会では「ソ連以下」との批判が飛んでいる。
 チェルノブイリでは一応は周辺住民の避難や、ヨウ素剤の配布や、全家畜の移動がはかられたが、「あのチェルノブイリでもやってた事をやってない」と批難されているのだ。
 
 菅直人氏は落ちるところまで落ちて「世紀の馬鹿宰相」の評価は揺るがないのだから、馬鹿なりに下手な小細工はせず対処してもらいたい。本人もそのつもりだろうが。
 
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「K-19」 C・ビグロー監督 絶望から脱出しよう〔15〕
 

 
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[ 2011/06/18 07:37 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(0)
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