「ハガネの女」ドラマでトラブル
漫画家が異論唱え原作者降りる 発達障害の男児がクラスに残るかをクラスメートの投票で――。学校がこんなことをするシーンを盛り込んだテレ朝系ドラマ「ハガネの女」の内容に反対し、漫画家が原作者を降りたと表明して波紋を呼んでいる。(J-CASTニュース) 【雑感】TVドラマの「
ハガネの女」も
深谷かほる氏の原作も読んだことはない。しかしこういったシチュエーションは私も若干の経験があるので状況は理解できる。
深谷かほる氏は私より学年でいうと2・3級上、彼女の実弟で漫画家の深谷陽氏は学年でいうと2級下、だからほぼ同世代だ。小学生の頃にヤマトやハイジやキャンディ・キャンディに慣れ親しみ、中高生時代はガンダムやマクロス。
たぶん、趣味でいえば陽氏のほうが近いかもしれない。かほる氏は藝術系大学の世界では早稲田・慶応クラスの武蔵野美大を出ているので、大阪の有名私立藝大出身の私から見たらエリートだ。
深谷かほる氏のHPを拝見した。「しょうがい児童」という表現をしているところから、障害者問題にかなり配慮している。 「障害者」と書かずに「しょうがい者」に、「子供」と書くところを「子ども」とするのは本質を見誤った小手先の誤魔化しに過ぎないので、私は醜悪な「言葉狩り」だと思っている。そんな理屈が罷り通ってしまえば、「民」の字は奴隷の目に針を刺す象形文字が元だから「みん主」とか「市みん」と書かなければならない。「民主」や「市民」と表記した者すべてを差別者のレッテルを付けて弾圧か? 笑止だ。
もともと「かたわ」「めくら」「きちがい」では精神的暴力だからという事で「障害者」という言葉をあてた。「障害者」という言葉が定着していた頃はまだ異議は少なかった。ところが今では漢字表記が気にくわないとかで「障がい者」や「しょうがい者」になった。
同じように「女中」はかつて貴人の家で家政を取り仕切る高級職だったのが、いつの間にか差別用語にされ、「お手伝いさん」に変わり、今では「家政婦」となり、また別の名前が検討されている。
一方、「サムライ・ジャパン」など好意的意味で使用されている「サムライ」はかつてはヤクザな用心棒のようなニュアンス、現代語の「チンピラ」や「ヤンキー」よりも卑しんで使われていたかもしれない。だからといって本来は差別語だから使うななどと言う輩はいないし、言うものがいても今は称揚の言葉に転じているからナンセンスだ。
つまり、被差別当事者の社会的理解が進み社会的地位の向上がなければ、どんな言葉をあててもその言葉が差別語に変化してしまうので意味が無い。本質の解決に目を向けず徒労の努力で誤魔化し精神を擦り減らす方が差別者である。
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