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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「KT」 社会を冷笑したい時に〔8〕 

KT」 日韓合作によるスパイ映画の秀作。
 


【公開年】2002年  【制作国】日本国 大韓民国  【時間】138分  
【監督】阪本順治
【原作】中薗英助
【音楽】布袋寅泰
【脚本】荒井晴彦
【言語】日本語 韓国語
【出演】佐藤浩市(陸上自衛隊幕僚二部幹部富田満州男)  金甲洙(金車雲一等書記官)  チェ・イルファ(金大中)  筒井道隆(金甲寿)  ヤン・ウニョン(李政美)  香川照之(佐竹春男)  大口ひろし(陸上自衛隊幕僚二部部長塚田昭一)  柄本明(内山洋)  光石研(柳春成)  利重剛(洪性震)  麿赤兒(川原進)  江波杏子(甲寿の母)  中本奈奈(高島俊子)  平田満(趙勇俊)  白竜(柳沢三郎)  浜田晃(高井警察庁長官)  佐原健二(官房長官)  山田辰夫(小松外事課警部補)  康すおん(尹英学)  金廣照(金銅忠)  木下ほうか(金君雄)  リュ・イルハン(梁宇東)  キム・デソン(金敬一)  キム・ビョンセ(金俊権)  原田芳雄(新聞記者神川昭和)
          
【成分】悲しい 不気味 知的 切ない かっこいい スパイ 日韓問題 金大中事件 1970年代初頭
        
【特徴】邦画には珍しいハードなスパイサスペンス。実際に日韓を震撼させた70年代初頭の金大中事件を映画化したものである。日韓の俳優共演で欧米の社会派スパイ物と遜色ないリアルな内容に仕上がった。
 
【効能】日韓問題の難しさの一端を学べる。社会を斜め読み解く習慣がつく。だらけた心に喝。
 
【副作用】全体に暗い内容。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。  
金大中事件の映画化
 
 日本もやればできるやないか、というのが観終わった感想である。スパイ物・謀略物といえば欧米の作品に秀作が多い。邦画は制作数自体が少ないように思う。(余談1)
 しかし素材が無いわけではない。むしろ欧米諸国と同じくらいに素材はあるのだが、日本の社会的環境が許さないのか制作できなかった。(余談2)
 
 金大中事件をめぐる自衛隊の謀略機関員と韓国CIAの共同作戦、自衛隊幹部役の佐藤浩市氏とKCIA諜報員役の金甲洙氏(キム・ガプス)の間にできた奇妙な友情、日本語しか話せない在日コリアン二世の不器用な学生役筒井道隆氏、登場人物の相関関係や物語構成と展開は渋い。
 
 KCIAが狭い文化住宅で裏切り者を手際よく「処分」する方法も説得力があるし、韓国で最も悪名高き大統領朴正熙役の俳優が本人に酷似していた。
 それだけに気になった箇所がある。金大中役の俳優の日本語がイマイチなのが残念だった。拉致事件直前の東京でインタビューに答える金大中氏のニュース映像を観たことがあるが、非常に流暢な日本語を話していた。どのくらい流暢かといえば、村上ファンドの村上代表くらいに捲くし立てて朴批判をやっていた。作中の金大中はあまりにタドタドしいので説得力が無かった。(余談3)日本語台詞少ないのだから、せめて「力道山」の薜景求氏(ソル・ギョング)くらいに練習してほしかった。
 
(余談1)市川雷蔵の「陸軍中野学校」シリーズは好きだ。
 
(余談2)例えば、愛川欣也氏はピーター・フォンダ氏の「イージーライダー」に感動して日本でも創りたいと思ったが、周囲の反対で「トラック野郎」になったそうだ。「イージーライダー」はアメリカ国内の貧富の差や南北問題を背景にした映画だった。
 欧米映画では隣国問題・民族問題・社会格差はモチーフとしてありふれていて、そういった映画を日本人ファンもよく観ているくせに、自国の問題になると消化不良を起こすのは興味深い。
 「ロッキー」は日本では徳山昌守選手(洪昌守)が該当する。「ダンス・ウィズ・ウルブズ」はアイヌと日本の関係、「ブレイブハート」はアテルイと坂上田村麻呂、「ダークサイクル」は東海村臨界事件、「麦の穂・・」は日韓問題など。日本は決して平和ボケできる環境ではないのだが・・。
  
(余談3)日本統治時代、中学生だった世代は概ね母国語同様に日本語が話せる。元大統領金泳三氏や元首相金鐘泌氏は日本記者団に流暢な日本語で話すが、政界復帰したあたりから金大中氏は日本語を話さなくなった。

 
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鏡の国の戦争 [DVD] フランク・R・ピアソン
JSA [DVD] 朴贊旭
 
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スパイの世界 (岩波新書) 中薗英助
金大中自伝―わが人生、わが道 金大中
金大中 平和統一論 金大中アジア太平洋平和財団
朴正煕と金大中 私の見た激動の舞台裏 文明子
現代の冒険 (1977年) (ルポルタージュ叢書〈3〉) 本多勝一 金大中氏と本多勝一氏の70年代当時のインタビュー
 

 
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