晴雨堂の耕晴雨読な映画処方箋
 晴雨堂ミカエルの飄々とした耕晴雨読な映画処方箋。  体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。

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晴雨堂ミカエル

Author:晴雨堂ミカエル
 映画好き・猫好き・ドイツビール好きです。よく晴れた爽やかな日はマウンテンバイクでサイクリングをしながら風景や野良猫を撮影します。
 リタイア後は田舎に帰り、晴天は畑仕事や庭いじり、雨天は読書や映画鑑賞の文字通り耕晴雨読の日々をおくるのが夢です。
 お金があれば郷里に「晴雨堂オタク記念館」を設立して地元の文化交流の発信基地にしたい、連れ合いは怒るだろうが。館長に任命してやるといったら言下に断られた。
 
 ブログを始めたのは2007年5月から、本格的に参考書に目を通しながら運営を始めたのは同年11月から、操作方法で度々ミスがあると思いますがご容赦のほど願います。
 現在、少しずつですがブログを観やすいよう整理を行なっています。


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2007年10月29日設置

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晴雨堂が独断と偏見で処方した映画作品。
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「日本沈没」-
【2008/03/03 17:25】 映画・・深夜に賑やかさを感じたいときに
とりえはCGだけ。
 

 
2006年 日本映画 135分
 
効能表示
 晴雨堂の技術評価 ☆☆ 「可」
 晴雨堂の御勧め度 ☆☆ 「凡作」 
 
 寂しい夜にカラフルなCGを観て賑やかにしよう。
 
監督 樋口真嗣 原作 小松左京 音楽 岩代太郎 脚本 加藤正人
 
出演 草なぎ剛(小野寺俊夫) 柴咲コウ(阿部玲子)
 
豊川悦司(田所雄介) 大地真央(鷹森沙織) 及川光博(結城慎司)
   福田麻由子(倉木美咲) 吉田日出子(田野倉珠江) 柄本明(福原教授)
   國村隼(野崎亨介) 石坂浩二(山本尚之)

六平直政(−) 手塚とおる(−) 大倉孝二(−) 花原照子(−)
   和久井映見(−) 長山藍子(−) 遠藤憲一(−) 村杉蝉之介(−)
   加藤武(−) 北村和夫(−) 矢島健一(−) 大口広司(−)
   石田太郎(−) 並樹史朗(−) 松尾貴史(−) ピエール瀧(−)
   佐藤江梨子(−) 津田寛治(−) 池田成志(−) 木村多江(−)
   前田愛(−) 山田辰夫(−) 福井晴敏(−) 安野モヨコ(−)
   庵野秀明(−) 富野由悠季(−) 丹波哲郎(−)
 

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 悪い意味でアイドル映画との評価が多いようだ。残念ながら私も同感といわざるを得ない。
 子供の頃、前作映画とTVドラマ両方を観た。今のようなCGは無いし特撮技術も稚拙だが、物語展開は丁寧で計算されていて、ジワジワと破滅に向かっていく日本の描写がよくできていた。また、俳優たちの名演技によって滅亡へと向かう緊迫感と絶望感と悲愴感が伝わってきたものだ。
 中高生になって原作を読んだが、これは映画やドラマ以上に迫力のあるものだった。ハードSFファンの友人によると、当時の日本のSF小説の中で唯一ハードSFといえる作品で、海外の評価が高いそうである。(余談1)
 
 さて、今回の作品だが、どういう訳か緊迫感が伝わってこない。本来、映像にリアリテイーを与えるためにCGを使うのだが、派手さは感じても災害描写に臨場感を与えるものにはなっていない。
 理由は物語構成と俳優の演技である。前作では日本がジワジワ沈んでいく様を丁寧に描写していたが、今回は唐突すぎる。だから派手なCGしか印象に残らない。次に俳優の演技である。よくハリウッド製のパニック映画で、原版だと俳優の緊迫感溢れる演技によって騒然とした空気がよく描写されているのに、日本語吹替えの声優の演技で台無しになる事が多々ある。工場や工事現場で事故が起こって騒然とした場面を見たり経験すれば、あんな下手糞な発声にはならないと思うのだが。それと同じ現象が日本沈没にも見られる。
  
 なぜ俳優はパニックや緊迫感を勉強しないのか? なぜ監督たちは指導しないのか? みんな工場や工事現場で働いた事はないのか? 役作りのために見学などしないのか? 観ていて首をかしげる場面ばかりである。
 日本沈没というテーマは、「ヤマト」などと同じく気合いが入るテーマ、気合いを入れるべきテーマであるはずだ。それが全く伝わってこない。ハリウッド並の完成度と期待を抱くのはコクとの意見があるようだが、日本映画の技量を考えれば十分ハリウッド以上の完成度を期待しても良いと思うし、何より前作より劣るのは感心できない。
 この映画を観ながら、小松左京氏のもう1つの失敗作「さよならジュピター」を思い出した。
  
(余談1)発表当時の科学常識で科学考証に忠実なSFであることが条件。例えば「ガンダム」や「ヤマト」はSFかもしれないが科学考証は全く無視しているのでハードSFではない。
 欧米ではSF小説の地位は高く、SF小説家にとって権威あるヒューゴ賞を受賞することは、文壇にとってもノーベル文学賞なみに評価される。日本のSFは残念ながら漫画・アニメと同じく不当に地位が低い。
 「日本沈没」は地学の修士論文並のレベルらしい。ハードSFの大家アーサー=C=クラーク氏が静止衛生の理論を考えた有能な科学者・技術者であるように、ハードSFには確かな科学知識が不可欠である。
 日本沈没の2作目が駄作になった遠因に、日本のSF蔑視があるのではないか。
 

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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

この記事に対するコメント

こんにちは。

比較的、甘い評価の私ですが、この作品には、悪いけど、
”沈没”しました.....。
拝読して、緊迫感が薄かったというのも一因だったかな、と思いました。
【2008/03/03 21:05】 URL | yutake☆イヴ #- [ 編集]

yutake氏へ
こんばんは、晴雨堂です。

 いつもコメントありがとう。
 
 邦画はどういう訳か伝統的にパニック映画が不得手のようですね。役者の発声が変な力みがあってどうもおかしい。出演者は医療現場や災害救援の現場を見学するなり記録映像を観るなりして勉強するべきだと思います。
【2008/03/05 21:34】 URL | 晴雨堂ミカエル #- [ 編集]


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