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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

鼎殺人事件 近頃の現象[八百四十四] 

鼎殺人事件に思う。
 
【雑感】ヤフー検索ランキングに何故か判らないが鼎殺人事件がトップに上がっていた。

 事件の概要を簡単に述べると、鼎と名付けられた男性が名付けた父親を恨んで殺したとか。事件発生は2000年の秋、50過ぎの男性が80近い父親を殺した。「鼎(かなえ)」の字が難しく、しかも音が女性の名前のようで、少年時代によくいじめられたらしい。犯人の男性は大人になってから「要(かなめ)」に改名した。
 犯人男性はパチンコにのめり込んで借金を重ねるようになり、そもそもの人生の大きなつまずきの要因は「変な名前」をつけた父親にあるとの恨みを募らせ犯行に至った。
 
 親としては息子の将来を考えて中国の故事から引用しつけたらしいが、「かなえ」という音声はどう聞いても女の子の名前にしか聞こえない。「かなえ」という名前を背負って生きる事になる現場の息子の気持ちを軽視した親であるのは理解できるが、それを殺人でもって報復するのはお門違いだ。
 人生最初のつまづきは親のせいかもしれないが、挽回する機会は幾らでもあり、50を過ぎてパッとしない人生を続けているのは本人の責任である。

 しかし、10年以上前の事件が何故いまになって検索トップになったのか? TV番組で紹介されたのだろうか?


 さて、来年春に子供ができる私としても、この問題は些か気になる。名づけをめぐって連れ合いとは常に対立する。連れ合いは今風の名前を考えており、私は古風な名前を強く望んでいる。女の子であれば「子」か「小」をつける。男の子であれば私の本名から一字を与える。

 世間では夫婦別姓の論議も一方で湧き起こっているが、私は別姓よりも江戸時代以前のように複数の名前を使えるように規制緩和和するべきだと思っている。
 明治以降から、「苗字」と「個人名」の2つしか戸籍には登録できない事になっている。これは時の政府が国家の近代化と国勢の把握を速やかにするべく戸籍制度を導入定着させる際に、江戸時代のような複数の名前を使い分ける事では事務処理が煩雑になるため合理化したのである。

 たとえば我が郷里の英雄である坂本龍馬、これは本名ではない。本当の名前は直柔(なおなり)、本姓は「紀氏」である。つまり姓は「紀」、苗字は「坂本」、龍馬は通名で本名は直柔。
 普段は「坂本龍馬」だが、藩の偉い人への書状には「坂本直柔」と称す。維新前に暗殺されてしまったが、もし存命して朝廷に出仕し帝に拝謁するときは「紀直柔(きのなおなり)」か、もしくは「紀朝臣直柔」と称すかもしれない。因みに徳川も天皇の前では「源氏」を称している。
 姓と苗字の違いは、話せば長くなるのでここでは割愛しよう。


 近代国家の「先輩」である欧米では「姓」「名」の他に「ミドルネーム」も使い、合理化の波でも風習は残った。第二次大戦後の一時期はミドルネームが廃れかけたが、夫婦別姓論の高まりで再び脚光を浴びるようになった。日本の現行戸籍制度のまま夫婦別姓にすれば必ず利害対立が生じる。それを緩和させる調整弁として欧米ではミドルネームを活用しているのだ。
 残念な事に、夫婦別姓論の急先鋒であるフェミニストたちはミドルネームのことにはあまり触れない。彼女たちの目的は「家制度」だけでなく「家族制度」の破壊も主張しているから当然か。

 私は江戸時代のように複数の名前を使えるようにすれば、事務処理の繁忙という副作用が生じるが、明治の戸籍制度整備のころと違ってコンピューターがある。だから折衷案として優良と思っている。通名も戸籍名とは別に正式な名前として使えるようにする。既に在日コリアンは社会的事情で使っているわけだし、アイヌ民族の活動家は戸籍名以外にアイヌ語の本名を名乗っている。
 さらに小説家は筆名、芸能人は芸名、大相撲では四股名を以前から当たり前に使っているではないか。ネット社会ではハンドルネームも普及している。もはやフェミニストが主張する「女性だけが改姓を強制され、通名を使わざるを得ない環境は不公平」というのは、事実の一端ではあるが正確ではない。
 
 そもそもフェミニストの主張で疑問なのは、鼎殺人事件にあるように殆どの人間は自分自身の意思とは無関係なところで勝手に付けられた名前である事を何故指摘しないのか? 個人のアイデンティティというが、苗字は家制度の名残だし、個人名は生まれる前か直後に親かその関係者によって勝手に付けられた名前である。
 フェミニストの筋論であれば、今の自分の名前を捨てて自分で自分に名前をつける権利を主張するほうが夫婦別姓論より筋が通る。江戸時代でも、幼名と成人後につける諱(いみな)がある。
 
 私は戸籍名と通名と両方使い分ける制度にすれば、事務処理の繁忙以外は解決できると思う。因みに、「チョード良い」と車の宣伝に出ているジョン・レノンの息子ショーン・レノンは、もちろん日本名も持っている。小野太郎だ。フルネームは「ショーン・タロー・オノ・レノン」。通常はショーン・レノンを使用している。
 先ほど私は「通名も戸籍名とは別に正式な名前として使えるようにする」と述べたが、むしろ戸籍には従来の「通名」も「本名」も例に挙げたショーン・レノンのように一緒にくっつけフルネームとして登録し、普段はそのフルネームの中から自分の好きな名前や通り名だけを使ったらいい。

 破壊より共存だ。
 

 
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[ 2011/12/04 13:09 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(2)
パチンコ狂は病院で治療が必要な一種の
「病気」です。それを名前のせいに
して親を恨んじゃいかんですよね。
いや、それもいいわけかもしれないですよ。
「いい年して働け。わしの年金をあてに
するな。」とか言われて殺害してしまった
けれど、動機をあくまでも親のせいにしたとか...。
[ 2011/12/04 22:01 ] [ 編集 ]
 私の名前も珍しい名前で、しかもそれがもとでからかわれた事があります。「名」ではなく「苗字」ですから、「鼎」より条件が厳しい。個人名ではなく家族名ですからね。
 
 他にも足利氏の子孫は軍国主義時代では建武の親政のとき天皇に弓を引いたということで苛めだけでなく迫害も受けました。それでも立派な暮らしをしていますから。

 A君の言うとおり、言い訳の人生ですよ、彼は。
[ 2011/12/05 09:18 ] [ 編集 ]
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