晴雨堂の耕晴雨読な映画処方箋
 晴雨堂ミカエルの飄々とした耕晴雨読な映画処方箋。  体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。

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↓私の愛車と野営道具を入れたリュックです。

晴雨堂ミカエル

Author:晴雨堂ミカエル
 映画好き・猫好き・ドイツビール好きです。よく晴れた爽やかな日はマウンテンバイクでサイクリングをしながら風景や野良猫を撮影します。
 リタイア後は田舎に帰り、晴天は畑仕事や庭いじり、雨天は読書や映画鑑賞の文字通り耕晴雨読の日々をおくるのが夢です。
 お金があれば郷里に「晴雨堂オタク記念館」を設立して地元の文化交流の発信基地にしたい、連れ合いは怒るだろうが。館長に任命してやるといったら言下に断られた。
 
 ブログを始めたのは2007年5月から、本格的に参考書に目を通しながら運営を始めたのは同年11月から、操作方法で度々ミスがあると思いますがご容赦のほど願います。
 現在、少しずつですがブログを観やすいよう整理を行なっています。


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2007年10月29日設置

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晴雨堂が独断と偏見で処方した映画作品。
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「ハリウッド人肉通り」-
【2008/03/12 23:07】 映画・・シニカルに社会を嘲笑いたい時に
華のない映画
 

 

 「ゾンビ」のリメイク「ドーン・オブ・ザ・デッド」の脚本を担当したジェイムズ=ガン氏が出演していると聞いて観た。しかし、彼は地下下水道に住むグール(食人鬼)役でゾンビメイクと大袈裟な表情のため判別できなかった。
 
 グールたちはメイクも動作もゾンビ的だが、ゾンビホラーではない。というのもグール達は動く死体の化物ではなく家族がいる人間の食人族だからだ。つまり南米やオセアニアなどの熱帯ジャングルを舞台にするのが相場の食人族モノを大都会の路地裏で撮った感じだった。
 制作者の身になって考えると、熱帯ジャングルでは銭が些かかかるので、近くのアスファルト・ジャングル(余談1)に移した、大都会に食人族は似合わないから都市伝説のゾンビのような化け物グールにした。交通規制やセットを組む予算もないので、夜間の道路工事のように真夜中の街やマンホールの下などで殆どの場面を撮影。
 
 コンセプトは面白いと思う。食人族モノでよく使われる展開として、撮影クルーがショッキングな場面を撮りたいがために、石器時代の生活を守る原住民を煽ったり虐待などして食人をやらせ、ラストで撮影クルーたちが復讐を受けて全滅、オチは「本当に野蛮なのは食人族ではく我々ではないのか?」という文明批判めいた問いかけに至る。この作品でも食人族モノの展開を踏襲していた。
 
 設定自体は面白いと思う。主人公は残酷場面専門のパパラッチ、それゆえに生活が次第に破綻し神経が疲弊していく。そのパパラッチの前に現れたグールたちはゾンビのように現れて通行人を路地裏に連れ込み生きたまま喰らいつき食べていく。
 しかし後半はグールたちに家族がいることが判り不気味さは緩和(余談2)される。対してそんなグールたちを皆殺しにするパパラッチ。パパラッチの友人が拉致され生きながらに全身の皮膚を剥ぎ取られて肉にされかかっている残酷描写(余談3)で、主人公の冷酷さよりもグールたちの凶暴性を目立たせる努力の跡があるが、人が殺されようとしていてもカメラを回すことだけに集中する主人公の冷酷さを相殺するに至っていない。
 
 素材としては良いのだが、もう少し短い映画にまとめられる作品だと思う。劇場映画とするには、素材を整理して、もう少し華や刺激が必要だろう。ただでさえ夜間中心の暗い画面なのに、日陰の職業に暗い表情の髭面カメラマンが主人公では陰鬱すぎる。
 例えばパパラッチやマスコミ批判などの社会性のあるテーマを盛り込むよりも、いっそ開き直って話をお色気と恐怖に絞り、都市伝説を調査するため下水道を探険する若い男女の学生グループが次々に殺されていく話がシンプルでよかったのではないか。パパラッチ問題はグールとは別に真面目で重たい映画で撮るという手もあったと思う。
 
 それにしても「ハリウッド人肉通り」だなんて、もっと他に邦題のつけようがあったろうに。私なら「都市伝説・人肉の下水道」とか。
 
(余談1)そういえば、マリリン=モンロー出演のギャング映画「アスファルト・ジャングル」というのがあった。半世紀前の映画だ。
 
(余談2)グールたちの身なりも普通の洋服だ。殺して食べた被害者から奪った服という設定だろうが、血と汗と皮脂と下水道の汚水で汚れていそうなものなのに綺麗だった。だから不気味さは少ない。
 
(余談3)皮膚を全部剥ぎ取られて筋肉組織丸見えの設定らしいが、全身に血糊を塗っただけなので、残酷描写には見えず、むしろ「自主制作、がんばってんなぁ」という気持ちしか湧かない。
 

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

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