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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「将軍」 ストレス解消活劇〔16〕 

将軍」 中華人民共和国の戦争映画

将軍
(未DVD化、但し中国ではディスク化されている有名な作品)
 
【原題】従奴隷到将軍
【公開年】1979年  【制作国】中華人民共和国  【時間】167分  【監督】王炎
【音楽】イー・ヤン
【脚本】梁信
【言語】中国語
【出演】楊在葆(羅霄)  張金玲(索瑪)  馮淳超(陳毅)  
             
【成分】スペクタクル 勇敢 切ない かっこいい 中国革命 日中戦争 1920年代~1930年代 人民中国 戦争映画
            
【特徴】人民中国が描く壮大なスペクタクルロマン。中国革命で内乱状態の20世紀初頭、少数民族の少年が奴隷の身に耐えていた時、国民党の将校に拾われ従卒になったのをきっかけに頭角を表し大尉になり連隊長代理を務めるまでになるが、国民党のやり方に限界を感じ共産党の八路軍に寝返る。
 人民解放軍を動員しての戦争場面は迫力がある。原版では3時間近い超大作だったが、日本のTVでは半分にカットされているため話の筋が判りづらい。
 ヒロインの張金玲氏は女優を引退して現在は北京を拠点に画家として活躍中。
 
【効能】立身出世物語に気分が高陽。
 
【副作用】人民中国らしく教育的説教臭さがあって胡散臭さを感じる。
 
【お願い】中国通の方、本作に関する詳しいデータを教えてください。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。  
人民中国時代のスペクタクル娯楽戦争映画

 あえて「中華人民共和国の戦争映画」と題したのは、現在の中国は事実上資本主義国だからだ。共産党政権の看板だが、経済は金儲け主義に転換して久しい。(余談1)今の中国で制作されている戦争映画はハリウッド製と変わりはない。単にアメリカ軍とドイツ軍の戦いが、中国軍と日本軍に入れ替わっただけである。
 この作品はまだ毛沢東思想が元気であった頃のもので、映画館へ足を運ぶ人々の服装は人民服が殆どである。パーマや茶髪は誰もいない。今の中国は観光地でもゴミが散乱しているが、この映画が公開された頃はまだ街が綺麗だった。
 そんな古き良き時代の地味な時代の映画のわりには、飛行機を使った派手な爆撃シーンや年代モノの機関銃などを繰り出した迫力ある戦争場面が見れるのが特色である。当時としては銭をかけた作品だろう。

 原題は「従奴隷到将軍」、要するに奴隷から将軍になった男のサクセスストーリーである。邦題はハリウッドの「将軍」と同じで紛らわしい。
 実在の軍人をモデルにした3時間近い大作だが、DVDは中国でしか売られていない。日本ではTVで放送されたことがあるが90分足らずに編集されていて、話は尻切れトンボになっている。

 冒頭はハリウッド製の「スターリングラード」とプロセスが若干似ている。辺境少数民族出身の奴隷だった少年が、たまたま国民党政府軍(余談2)の将校に気に入られて馬持ちに雇われる。たまたま激戦地で射撃の才能を開花させ、正式に兵士になり将校へ出世する。(余談3)
 しかし将校に出世しても出自が悪いのか軍隊内では冷遇され、上層部は権力者の子弟や阿片商人あがりの金持ちが独占、主人公たちは常に最前線の指揮を押し付けられる。そんな社会の矛盾に怒りを抱く主人公は次第に社会主義に目覚めていく。
 そんな時、毛沢東率いる共産党軍の工作員が兵士たちに人望の有る主人公をスカウト、主人公は意を決して配下の部隊ごと共産軍に寝返り、将軍として果敢に中国革命のため闘い続ける。(余談4)

(余談1)日本もかつての高度経済成長期の自民一党独裁政権では、資本主義国の看板を掲げながら「世界で一番進んだ共産主義国」と評価されていた。
 終身雇用制度・国民健康保険・労組と会社の緩やかな対立と協調などなど。資本主義大国アメリカでは考えられない社会制度だ。しかも「万年野党」が存在していて政権与党のチェック機関を果たすという、政党が「共産党」しか存在しない共産主義国では考えられない自由な言論を保障した社会である。

(余談2)時代は1920年代か。孫文の辛亥革命以降、国民党が政権を担当していた頃の中国。

(余談3)ライフル銃の撃ち方を知らない設定なのか、主人公の撃ち方は火縄銃の「腰放し」スタイルだった。銃を腰の辺りで持って撃つやり方で、マシンガンを撃つ様に似ている。そんな撃ち方で百発百中なのだから面白い。
 戦闘シーンはなかなかのもの。演じているエキストラの本職は人民解放軍兵士だからなおさらか。

(余談4)寝返るところが作中で一番胸のすく場面である。連隊副長で大尉という身分でありながら、現場に出たがらないお偉方のおかげで一個連隊の事実上の指揮官となり兵士たちの人心を掌握、その立場を利用して軍閥の師団長や阿片商人あがりの参謀長には事後承諾で演習を企画し、うろたえながら仕方なく行軍に付き合う上級将校たちを演習中に拘束、部隊まるごと共産軍に合流する。
 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆ 良
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆ 名作

 

 
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