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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「ダンディー少佐」 ストレス解消活劇〔17〕 

ダンディー少佐」 北軍少佐と南軍大尉の友情
 

 
【原題】MAJOR DUNDEE
【公開年】1965年  【制作国】亜米利加  【時間】124分  
【監督】サム・ペキンパー
【音楽】ダニエル・アンフィシアトロフ
【脚本】ハリー・ジュリアン・フィンク サム・ペキンパー オスカー・ソウル
【言語】イングランド語
【出演】チャールトン・ヘストン(ダンディー少佐)  リチャード・ハリス(タイリーン大尉)  ジェームズ・コバーン(ポッツ)  ジム・ハットン(グラハム中尉)  マイケル・アンダーソン・Jr(ライアン)  センタ・バーガー(テレサ・サンティアゴ)  マリオ・アドルフ(ゴメス軍曹)  ブロック・ピータース(イソップ)  ウォーレン・オーツ(O・W・ハドリー)  ベン・ジョンソン(チラム軍曹)  R・G・アームストロング(ダールストロム)  L・Q・ジョーンズ(アーサー・ハドリー)  スリム・ピケンズ(ワイリー)  カール・スウェンソン(ウォーラー)  マイケル・ペイト(チャリバ)  ジョン・デイヴィス・チャンドラー(ベンティーン)  ダブ・テイラー(プリアム)  ベゴナ・パラシオス(リンダ)  
             
【成分】笑える 勇敢 かっこいい 南北戦争 西部劇 1860年代 アメリカ
            
【特徴】かつて士官学校時代は友人だったダンディーとタイリーンは南北戦争で敵味方に分かれてしまったが、アメリカ先住民アパッチ族の攻勢や西部の領有権をめぐって対立するフランス軍との戦いで再び友情と結束を取り戻す。当時の歴史観が反映した西部劇である。
 サム・ペキンパー監督は3時間に及ぶ大作として撮ったらしいが、映画会社の意向で大巾カットを強いられ、プロデューサーと大喧嘩をしたいわくつきの作品でもある。
 
【効能】共通の敵を持った時の男の友情の強さを実感できる。
 
【副作用】撃たれるために突撃する敵の描き方に不快感。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。  
南北戦争の意義が解る作品
 
 監督は西部劇の巨匠サム・ペキンパー氏、主人公ダンディー少佐はハリウッドの大御所で全米ライフル協会のドンであるチャルトン・ヘストン氏、その親友でライバルのタイリーン大尉は「ハリー・ポッター」魔法学校校長役のリチャード・ハリス氏。ハリウッドを代表する映画人たちがまだ脂ぎっていた頃の西部劇である。
 
 物語は、士官学校で友人同士だったダンディーとタイリーンが南北戦争で敵同士になりそれぞれ北軍少佐と南軍大尉として戦うが、北軍が優勢になって南軍大尉のタイリーンが北軍のダンディー少佐の捕虜となる。
 そこへアメリカ先住民のアパッチ族が「侵略」してきたということで、少佐と大尉が共通の敵のために国共合作(余談1)ならぬ南北合作をする。アパッチを撃退すると、今度はフランス軍がさらなる強敵として登場、ダンディーとタイリーンたちは共通の敵を倒していくことでかつての友情を取り戻していく。
 
 ダンディーとタイリーンとの絡みは丁寧な描写で面白かった。日本では南北戦争と呼ばれ、奴隷制反対を掲げるリンカーンが大統領に就任したことに反発し南部の11州が合衆国より離脱して戦争が起こったと認識されている。しかしアメリカでの位置付けは奴隷解放云々よりも祖国統一戦争である。別の表現をいえば、工業力と経済力がある北部が南部を併呑した戦争といえる。(余談2)
 したがって南北戦争とは日本でいう幕末明治維新と同じくらい国を揺るがす大内戦であり、共通の敵を前にして南北が団結する絵はアメリカ人にとって感動的かつ描かねばならないお約束の光景なのである。北軍少佐ダンディーと南軍大尉タイリーンの反目と友情の描写を手抜きすることはできないのだ。
 
 しかし、当時のアングロアメリカ賛歌の西部劇らしく、アパッチ族とフランス軍の描写は極めていい加減である。例によって撃たれるために突撃してくる。いかにも白人やスパニッシュ系のエキストラが日焼けして黒長髪のヅラをかぶったようなアパッチ族に人間的な描写はないし、フランス軍などは揃いの軍服姿で火器はダンディーたちよりも優れているのにボーリングのピンのように立ち尽くしてダンディーたちの銃撃を喜々として受けている。そのため、唐突に突撃して返り討ちにあったタイリーン大尉の壮絶な最期が、質の悪い外したギャグに見えた。
 はっきりいって、ラストシーンは拍子抜けの光景だった。初めて見たのは高校生の頃だったが、こんなのをアメリカ人は感動していたのかと思うと、気が重かった。
 
 それにしても後で知ったことだが、この映画はペキンパー監督がプロデューサーと喧嘩して映画界から干されたいわくつきの作品だそうだ。
 
(余談1)中国革命時、国民党と共産党が共通の敵のために共闘した体制。1回目は清朝の残党や軍閥が敵、2回目は日本軍が敵だった。
 
(余談2)リンカーンの人柄は敢えて否定しないが、少なくとも奴隷制を廃止して労働力を呼び込み保護貿易で自国経済を守りたい資本家たちがリンカーンを支援し、それに反発する奴隷制維持と自由貿易推進の農業中心南部諸州との経済摩擦によって発生した戦争だろう。
 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆ 良
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆ 凡作

 

 
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センタ・バーガー最高! 今回は、『ワイルドバンチ』『昼下がりの決斗』『ガルシアの首』『コンボイ』に続いて、サム・ペキンパー第5弾『...
[2009/08/09 14:44] 愛すべき映画たち
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