石原知事
「亀井氏、仲間に追い出され自業自得」 石原知事は6日の記者会見で、国民新党を離党した亀井静香前代表について、「仲間に追い出されて、自業自得じゃないかな。私は国民新党と何の関わりもない」とつれない態度を示した。(読売新聞) 【雑感】昨今の政治には呆れ果ててコメントする気が失せていたが、久々に面白い事件だった。ただ、
亀井静香氏のキャラが好きだっただけに今回の失脚は残念というより寂しい。
劇場型政治視点で見ればもっと亀井氏は暴れて場内を沸かせてほしかったが、この方は妙なところでヒューマンな良識を示す。ゴリゴリ頑迷な保守のはずなのに死刑廃止論者でもある。今回は
政党助成金絡みで「大人の判断」か。
もともと今回の騒動には
亀井静香側も
自見庄三郎側も正当性は無い。
いくら党規に無いとはいえ、代表が主宰しない議員総会を開いて単純な多数決で代表解任決議は、小学生のガキ大将レベル、社会に対し恥を晒す事だ。企業内クーデターでも、秘密裏に反社長派が多数派工作を事前に行い、代表取締役主宰の通常の取締役会において役員の一人が緊急動議を行って予め示し合わせた役員たちが起立して社長解任決議という手順を踏む。
国民新党のようなことがまかり通っては、適当に役員が多数集まったら勝手に社長を解任できることになってしまう。
党規には代表に議員総会を開く権限は明記されていないようだが、一議員が独断で議員総会を開く権限も明記されていないのだから、「代表の権限」も「議員総会の権限」も実は不明瞭なのだ。
もちろん、それをいってしまうと
亀井静香氏が代表に選ばれた経緯も実は曖昧だ。明確に選挙によって選ばれた代表職とは言えないのだ。なんとなく議員全員の「合意」がとられたように見える。
個人商店のような少数政党だから、規約設定をいい加減にしてきたようだが、一応民主主義政治における政治のプロのはずのいい歳した大人たちである自覚が無い。
実は民主主義の筋論よりももっと生々しい問題がある。それは
政党助成金だ。
一番国民に判りやすい方法とは、かつて辻元清美氏が連立を離脱する社民党に不満を感じながらも一時は内閣を離れ、日を改めて離党し民主党の会派に入る手順を踏んだ。
ところが自見氏らは6人もいるのに離党して新党を結成する挙には出ない。
政党助成金は5人以上の国会議員がいる政党に支給されるが、それには今年の1月に届出していなければならない。つまり今から新党をつくっても今年は銭が入らないのだ。逆に亀井氏は2人になっても既に届出後だから8人で算出した額が丸々はいる。これでは亀井氏と袂を分かつ自見氏側は納得できない。また残る亀井氏側も国民からの非難は避けられない。
国民新党と民主党が結んだ「条約」では増税はしないことになっている。それが反古にされた以上は鳩山内閣時代の社民党のように潔く連立から離脱するのは筋論からいって正しい。自見氏はむしろ
国民新党から民主党へ鞍替えするほうが妥当だろう。
しかし、民主党側から
国民新党時代の役職に相応しいポストで厚遇されるとしても、もはや小さいながらも領地を持った大名ではなく、将軍から禄をもらう一介の旗本に成り下がる。
自見氏側としては連立離脱の正論にこだわる亀井氏が邪魔で仕方が無い。今回の不時の解任決議自体は代表職を解くだけの決定だが、そうなれば亀井氏の面子丸潰れ、政治家としての価値も暴落。事実上、放り出すことになる。
政党助成金の問題は総務省が亀井氏から自見氏に引き継いだ団体として認知しているようだから、8人算出の金額を6人で貰える道が開けた。
つまらんな。社民党の場合はイデオロギー色が強すぎて見苦しかったが、国民新党はあからさまに銭が絡んだ騒動で見苦しい。
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