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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「はやぶさ/HAYABUSA」 家族と一緒に感動しよう〔24〕 

はやぶさ/HAYABUSA
人類の発展はオタクが切り開く!!

 

  
【原題】
【公開年】2011年  【制作国】日本国  【時間】140分  
【監督】堤幸彦
【原作】
【音楽】長谷部徹
【脚本】白崎博史 井上潔
【言語】日本語       
【出演】竹内結子(水沢恵)  西田敏行(的場泰弘)  高嶋政宏(坂上健一)  佐野史郎(川渕幸一)  山本耕史(田嶋学)  鶴見辰吾(喜多修)  筧利夫(矢吹豊)  市川実和子(小田島加那子)  甲本雅裕(平山孝行)  マギー(福本哲也)  正名僕蔵(-)  六角慎司(-)  高橋長英(萩原理)  生瀬勝久(<はやぶさ>の熱狂的なファン)
      
【成分】泣ける 笑える 楽しい ロマンチック 知的 切ない コミカル 宇宙開発 イトカワ 

【特徴】小惑星のイトカワからサンプルの採取に成功した小惑星探査機「はやぶさ」の実話をベースにした実写映画の佳作。実話映画化にしてはデフォルメ臭が少ない。出演俳優も実在のご健在の人物を演じるためか、オーバーな演技は控えている。
 JAXAの雰囲気が小気味良く出ている。日本から見れば潤沢な予算を湯水の如く使えるアメリカのNASAと違って貧乏所帯のJAXAは親近感が持てるだろう。
 
 1つの事を立ち上げ、様々な困難を乗り越えて成し遂げていく様は感動であり未来が明るく見える。家族団欒で鑑賞する事を勧める。

 佐野史郎氏は実際の川渕幸一氏に非常によく似ている。ヒロイン竹内結子氏が演じる水沢をはじめメガネキャラが多い事も特徴。 
    
【効能】子供の頃の夢がよみがえる。未来が明るくなる。
 
【副作用】クセのある登場人物ばかりで気持ち悪い。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。  
人類の未来を素直に信じられた
子供の頃を思い出す。

 
 本作を映画館で鑑賞したのは昨年10月1日の「映画の日」である。チケット代が終日千円、しかしこんな日に限って観たいと思う新作が無い。目当ての映画は1週間後や2週間後の封切だ。仕方が無いので「はやぶさ」を観た。
 
 こんな消極的動機だったおかげなのか、意外に面白く140分は退屈することなく楽しく過ごせた。いくら評判の小惑星探査機をテーマにするとはいえ、NHKスペシャルでドラマ仕立てにするのならまだしも、映画的に面白くできるとは思えなかった。
 同様のテーマにハリウッドでは「ライトスタッフ」や「アポロ13」などがあるが、それに比べると地味で場がもたないのではと危惧したものだ。実はこの地味が私の反米志向をけっこう刺激して、本作の登場人物に感情移入する結果となったが。
 
 世界有数の技術立国である日本は、宇宙開発の分野ではアメリカや旧ソ連の超大国だけでなく中国にも遅れをとっている感がある。近頃のNASAは資金繰りに苦慮しているとはいえ、日本から見れば湯水の如く銭を使っている。
 そんな制約のある環境で四苦八苦しながら、企画を立ち上げ、スタッフを集めて組織を編成し、実行に移し目的達成へと邁進し結実する。この過程は非常に共感する。分野は大きく違えど、例えば市民運動も似ている過程が多々ある。

 本作冒頭の西田敏行氏扮する的場先生の講演会、客が疎らだ。私も何度か講演会を催したことがあるが、身につまされる思いがする。
 そこに熱心な聴講者が声をかけてくる。竹内結子氏扮するヒロインの水沢だ。しばし歓談して水沢に骨があると見極めると的場はスカウトする。同じように私も熱心なお客さんが現れると「こんなんやるんですけど、如何ですか」と誘ったものだ。

 やがて大プロジェクトが始動する。たとえば高嶋政宏氏扮する坂上(余談1)が学生時代に発言した言葉「できない事を言うのではなく、どうやったらできるのかを考えよう」は、私もかつて言った憶えがある。私らも運動を立ち上げたり、仲間を議員にして市議会に送り込むなどのプロジェクトを始動させテンヤワンヤになった。
 仲間同士の喧嘩腰の議論、途中でリタイヤする仲間、戻ってくれた仲間、などなど。しかも私らの場合は正味のボランティアだから、長時間の生業をやった上での運動、心身ともにヘトヘトになる。散財する。身内や職場から批難される。「俺は何のためにやっているのか?」と葛藤を抱え自問自答することもしばしば。それを経て、イベントが成功したり仲間が市議に当選したりすると、病み付きの高揚感を抱く。
 だから本作はもろに感情移入してしまった。(余談2)しかも、テーマは宇宙、まだ素直に人類の未来を信じられた小学生時代の夏休みの天体観測を思い出す。(余談3)
 
 登場人物はヒロインをはじめ全員が個性的かつオタクなので、観る人によってはデフォルメ臭を感じるだろうが、私の周りにはあんな人物は大勢いたのでむしろリアルな親近感がある。
 よくぞ、テンポ良くコミカルに悲哀を織り交ぜた物語にまとめてくれた。監督・脚本・スタッフ・俳優たちの努力に敬意を表する。
 
 明日が明るく見える作品だ。加えて、人類の発展はオタクが切り開く。保守市民よ、科学や文化を理解しない人々よ、オタクの首を絞めるは日本の首を絞めるも同じであると思え。
 
(余談1)そういえば、NHK金曜時代劇「はやぶさ新八捕物帖」で高嶋氏は主人公の隼新八郎を演じた。本作とは単に「はやぶさ」つながりだけだが。舞台は18世紀末の江戸、町奉行根岸肥前守の家臣で内与力を務めるという、けっこう珍しい設定の時代劇だった。腕は立つし女性にもてて、妻と幼馴染と女岡引との四画関係に苦しむ。
 
(余談2)鶴見辰吾氏扮する喜多は家に帰ると住民自治会で理事か会長をやっている。集会場の会議室で犬猫の問題を討議中にJAXAからメールが届く場面がある。私もむかし自治会の事務局長をやっていたとき野良猫問題で頭を悩ませていた。クレーム者の対応は会長がやってくれたので助かったが。
 
(余談3)小学生の頃は、図書館からアポロ計画関連の書籍を借りてワクワクしながら読んだものだ。ニール・アームストロング船長の初月面中継は3・4歳の頃に観たはずだが「謎の円盤UFO」のムーンベースと記憶が混同して訳が判らなくなっているが、小学生の頃に読んだアームストロング船長たちの偉業は鮮明に憶えている。
 アームストロング船長、お疲れ様でした。

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☆☆☆☆ 優

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