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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」 カップルで愉快になろう〔10〕  

三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船
スカッと冒険チャンバラ劇?

 

  
【原題】THE THREE MUSKETEERS
【公開年】2011年  【制作国】仏蘭西 亜米利加 英吉利 独逸  【時間】111分  
【監督】ポール・W・S・アンダーソン
【原作】アレクサンドル・デュマ
【音楽】ポール・ハスリンジャー
【脚本】 アレックス・リトヴァク アンドリュー・デイヴィス
【言語】イングランド語       
【出演】ローガン・ラーマン(ダルタニアン)  ミラ・ジョヴォヴィッチ(ミレディ)  オーランド・ブルーム(バッキンガム公爵)  クリストフ・ヴァルツ(リシュリュー枢機卿)  マシュー・マクファディン(アトス)  レイ・スティーヴンソン(ポルトス)  ルーク・エヴァンス(アラミス)  マッツ・ミケルセン(ロシュフォール隊長)  ガブリエラ・ワイルド(コンスタンス)  ジェームズ・コーデン(プランシェ)  ジュノー・テンプル(アンヌ王妃)  フレディ・フォックス(ルイ13世)
      
【成分】ファンタジー ゴージャス 勇敢 セクシー かっこいい コミカル 17世紀前半 フランス
 
【特徴】デュマの名作活劇の実写映画化。オーランド・ブルーム初の悪役としても評判になる。が、たしかに主人公に立ちふさがる敵役には違いないが、特に悪人には見えない。
 
 飛行船のCGが見もの。また、動きにくい17世紀貴婦人の衣装でアクションをするミラノ姿にも注目。 
    
【効能】子供の頃の空想がよみがえる。スカッと爽やかなチャンバラでストレス解消。ミラのアクションに萌え。
 
【副作用】特に凶悪な悪人は登場しないため、逆にダルタニアンが凶暴に見える。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。  
オーランドは悪役ではなく狂言回しだ。
 
 オーランド・ブルーム初の悪役、期待はしなかったが、どんなデキなのか興味があったので観た。
 私はてっきりオーランド扮するバッキンガム公爵が空飛ぶ軍艦を量産して、強大な空軍力で世界征服を企み、手始めにフランスを攻撃、フランス宮廷の実力者リシュリュー枢機卿はミレディを介し公爵と内通して最初は敵か味方か掴み所の無い獅子身中の虫的ポジションで登場、この国難に若き国王直々に信用できるダルタニアンたち銃士を招聘して公爵の野望に敢然と立ち向かう。
 映画のチラシを観ながら、こんなストーリーを想像していた。実際に観てみると壮大な映像のわりにはこじんまりとした世界観というか、せせこましいというか、私の案のほうがエンタメとして面白いのではないか。
 
 まずダルタニアンには共感できない。それは同時にロシュフォールの悪役ぶりを薄めさせる。そもそもダルタニアンの馬に謝る前に、馬が泥を撥ねてロシュフォールのマントを汚した。悪人らしくいきなり暴力振るうわけでなく、悪人にしては「紳士」的にやんわりいやみを言っただけなのを強引に喧嘩沙汰にもっていったのはダルタニアンだ。後に三銃士の面々にも喧嘩を吹っかける。いや喧嘩なら良いが、剣での殺し合いだから悪質、当時の感覚でも可笑しい。
 
 また枢機卿も悪人には見えない。ルイ13世(余談1)の幼稚ぶりが悪人面を薄めさせる。作品上では特に圧政をしいている描写は無かったし、子供そのものの君主のわがままに辛抱しながら政(まつりごと)を行う文武両道の老獪で厳しい政治家にしか見えない。
 ルイ13世の関心事は政治よりもファッションと妻の気を引くことだけ。無邪気で素直で根は善人なのだが、君主らしくない。その意味ではダルタニアンと気が合うのは当然の成り行きか。
 
 公爵も、まず冒頭で三銃士を皆殺しにする機会だったのに、「安心しろ。その毒は死なない」では悪人の割りに呑気すぎる。めかしこんでミレディにうつつを抜かすチャラ男、幼稚なルイ13世をファッションでからかったり、あずかり知らぬ内に枢機卿のダシにされたり、佳境では三銃士に飛行艇を乗っ取られて居城を攻撃され土埃でドロドロ。
 残念ながら、ただのお坊ちゃんにしか見えない。
 
 そして三銃士たちだ。正義のヒーローのはずだが、冒頭で必殺仕置人の如く人を殺していく。少年ダルタニアンも剣を振りかざして派手なアクションを繰り広げるが、衛兵たちを何人も剣で突き刺しているから、現代人の感覚では大量無差別殺人だ。実は悪役たちよりも主人公たちのほうが圧倒的に殺生をしているのである。
 近頃は日本の時代劇でさえもむやみに殺さない。ミネ打ちにするか、途中で主人公が「悪に加担する者は斬る。去れ!」と悪代官の家来たちに投降を呼びかける。
 
 私はチャンバラ時代劇は嫌いではない。むしろ子供の頃から慣れ親しんできた。ただ、萬屋錦之助氏の破れ傘刀舟のキメ台詞「てめぇら人間じゃねぇ!叩ッ斬ってやる!」に相応しい極悪非道の憎たらしい悪役でなければ、チャンバラにスカッと爽快感を抱けない。
 ダルタニアンたちに殺された大勢の人々、極悪人には見えない。作品上で一般市民に狼藉をはたらく場面でもあれば良かったが無い。大変な損害を被った枢機卿と公爵も悪人には見えない。最も悪役を強調したロシュフォールでさえ、とってつけた眼帯で人相を無理に悪役しているように見える。
 
 その中で収穫だったのは、ミラ・ジョヴォヴィッチ氏のアクション、動きにくい17世紀貴婦人装束でどんなアクションが見られるかも楽しみだった。重たそうなスカートをヒラヒラさせて飛び跳ねる様はカッコ良い。身軽になるため服を脱ぐ場面があったが、コルセットをつけたままなのは、やはり出産でウエストに自信がないのではと邪推してしまった。
 もう1人のヒロイン、ガブリエラ・ワイルド氏の真っ白い美肌背中にも萌え。
 
(余談1)実際のルイ13世と枢機卿の関係は良好。王妃の不貞も事実だったらしい。王妃の事で悩みすぎて若ハゲになり、カツラをヨーロッパに普及させた「功労者」になる。 父親を暗殺されて8歳で即位、実権を握る母后との対立、政争に翻弄されていたので、作中のような呑気な君主生活はできなかったはずだ。
 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆ 良
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆ 可

 

 
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