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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「キツツキと雨」 家族と一緒に癒されよう〔25〕 

キツツキと雨」 ゾンビー!
 


【原題】
【公開年】2011年  【制作国】日本国  【時間】129分  
【監督】沖田修一
【原作】
【音楽】omu-tone
【脚本】沖田修一 守屋文雄
【言語】日本語       
【出演】役所広司(岸克彦)  小栗旬(田辺幸一)  高良健吾(岸浩一)  臼田あさ美(麻生珠恵)  古舘寛治(鳥居)  黒田大輔(柴田)  森下能幸(吉岡)  高橋努(野宮)  嶋田久作(篠田)  平田満(ゴマ満春)  伊武雅刀(石丸)  山崎努(羽場敬二郎)
      
【成分】笑える 楽しい 切ない コミカル ゾンビ映画 映画クルー 地域振興 林業 
  
【特徴】岐阜の山奥で、林業に従事する初老の主人公と自信喪失の若い監督が率いるゾンビ映画撮影クルーが遭遇して・・。

 役所広司氏のきこり振りが素晴らしい。慣れた動きで木に登って枝の剪定をやったり、ユンボを巧みに操作したりとベテランの林業従事者になりきっている。また小栗旬氏演じる茫然自失状態の監督は本作品でメガホンを取る沖田修一監督自身の姿をモデルにしているらしい。
 沖田監督作「南極料理人」で関西弁の髭面スタッフを演じた古舘寛治氏が本作でも登場し、ここでは若い監督に世話を焼く腰低い年長の助監督を演じている。
 
 作品内容は異なる世代とのギャップと対話をメインに、ギスギスした雰囲気から次第に明るく活気ある大団円へと流れていくので家族での鑑賞に向いている。 
    
【効能】次第に未来が明るく見えていく。村興し町興しのヒントになる。低予算ゾンビ映画を制作したくなる。
 
【副作用】予定調和的でつまらない。主人公の監督にムカつく。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。
B級映画だったら大傑作!

 最初に結論を言ってしまうと面白かった。主役級の有名俳優をゴロゴロ出演させず、新人や無名だけで勝負したB級映画なら大絶賛した傑作だ。とにかくこの作品、役所広司(敬称略)と小栗旬だけでなく、高良健吾臼田あさ美・嶋田久作・平田満・伊武雅刀・山崎努と主役級の俳優が贅沢に出演。これだけの人件費を使って面白くなかったら、監督はアホだ。(余談1)

 この作品、随所に気合を入れているのが伝わる。その1つは役所広司の木こりぶり。たぶん、エンドクレジットに掲載されている協力の林業業者から教育と訓練を受けたと思うが、なかなかの玄人ぶりだ。チェーンソーで幹に歯を入れる場面、縄と両脚で木に登る場面、ユンボやクレーン車の扱い。何気ない場面で徹底した役作り。山本五十六役よりもこの木こりの役が好きだ。
 
 「南極料理人」でも思ったが、本作でも食事の場面には随分とエネルギーを割いている。朝起きて朝食の玉子焼きをつくる場面、テレビを見ながらご飯と味噌汁を掻き込む場面。
 林業事務所や現場で同僚たちと弁当を広げて談笑する場面、新米監督小栗旬と1つの鉢のミツマメ?を食べる場面。
 私は常々思っているのだが、食事の場面を大切にする監督は良い監督だ。ジブリの宮崎駿監督しかりチャールズ・チャップリン監督しかり。
 
 物語は自信喪失の新米監督ひきいるゾンビ映画の制作クルーが撮影のために岐阜?の山村にやってきて、林業に従事している役所広司が巻き込まれる事から物語が動き出す。(余談2)
 オロオロしているだけの監督、その監督の下で歳上のスタッフたちが取り敢えず仕事を回している状態。(余談3)
 トップが頼りないのでチームはギクシャク、助監督は新米ADに八つ当たり、おまけに善意の第三者である役所広司までゾンビ・エキストラにされたあげくに怒鳴られる。
 
 しかし、ラッシュを見てから役所は映画の面白さを感じ、自分が音頭をとって同僚や村民も巻き込み映画制作に協力する。その過程で、役所の息子や息子と同世代の新米監督も自信が芽生え成長、村人の協力でギスギスしていたスタッフや俳優の顔にも笑顔が満ちる。
 一種の予定調和的ラストではあるが、気持ちの良い内容だ。今の時代はこんな作品が必要なのだ。

 最後に、作中で撮影したゾンビ映画、是非DVD化のおりには特典映像として「完成作」を付けてほしい。これは多くの鑑賞者が思っているはずだ。

(余談1)「これで勝てなければ貴様は無能だ」 シャア少佐の名台詞を思い出す。

(余談2)欧米では、新人監督が低予算映画に挑戦する題材としてゾンビをよく使う。衣装はボロで良いし、青塗りメイクでもそれなりに見えるし、凝った演技力も必要としないところからエキストラも集めやすい、そんな事情からなのだろうか? 
 マーク・プライス監督「コリン」などはネットでエキストラを呼びかけている。衣装やメイクはエキストラ個人の自前。制作・監督・脚本などは全て1人、俳優たちはボランティア、これで僅か数千円の制作費に圧縮。

(余談3)私も小栗監督のような経験がある。私の場合は、立派なスピーチをしなければいかんところはキチンとやってたから、あそこまでヒドイ状態ではないと思うが・・。連れ合いが見たら「あんたそっくり」と言われてしまうかもしれん。

晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆ 良
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆ 名作

 

 
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こんにちは。
ちょっと気になってたので見てみます^^
[ 2012/11/11 23:17 ] [ 編集 ]
お久しぶりです!!私も忙しくて、映画はあんまり見れてません(>_<)
ミカエルさんもそういう時期なんですね(^_^;)
映画って、環境によって、めちゃめちゃ観れる時と、全然観れない時がどうしてもありますが、いまは映画以上に大事な子育てを優先してくださいね(*´ω`*)
そのうち一緒に観れるようになって楽しいですよ♪♪

この映画、子供とみてみます~~(*゚▽゚*)
[ 2012/11/16 08:56 ] [ 編集 ]
ひろみ氏へ

 ぜひご覧になってください。未来が明るくなるかもしれません。この監督は食事の場面にこだわる人です。そんな人は名作を生みますよ。
 
 作中のゾンビ映画の完成品を観てみたいですね。DVD化の特典になれば良いのですが。

> こんにちは。
> ちょっと気になってたので見てみます^^
[ 2012/11/16 23:22 ] [ 編集 ]
アンスリール氏へ

> そのうち一緒に観れるようになって楽しいですよ♪♪

 そのうち息子を口実に美少女アニメを堂々と観てやります。


> この映画、子供とみてみます~~(*゚▽゚*)
 
 ご家族で観るのに適していますよ。そろそろ1人立ちする歳頃の子供をもっている世代がちょうど良いと思いますね。
[ 2012/11/16 23:28 ] [ 編集 ]
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