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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「平清盛」(7) TVドラマ評[五十三] 

やっとエンジンがかかってきたか。
 
【雑感】物語も終盤に近づき、やっとエンジンがかかってきた感がする。
 
 さすが演技力に定評のある松ケン、晩年の清盛を憎々しく生臭く演じている。
 これまでの清盛はわざとらしいくらい善良で真人間すぎたので、脇役の方が印象に残っていた。異母弟頼盛や嫡男重盛、源義朝や頼朝など。これらのサイドストーリーのほうが劇的だった。そのため入道になってからも貫禄を感じることができずにいたのだ。
 
 ところが、鹿ケ谷の陰謀あたりから清盛らしくなってきた。西光の罵倒を最初は苦笑いしながら聞いていたが、やがて目をむいて突進しボコボコに殴る蹴る。以前のわざとらしいボンボン清盛や大人ぶった公卿時代では考えられない凶暴さ。清盛はこうでなくては落ち着かない。
 クーデターで後白河法皇を幽閉してからの清盛はやりたい放題、本作の設定では専制的な白河院が白拍子に生ませた子供というので、次第に白河院臭く、いや白河院より泥臭い権力者になっていくのは小気味よい。また衣装が赤の法衣から、かつて白河院が着ていた金の法衣に変わっていくところが、平家の堕落と変質と終わりの始まりを象徴して良き演出。

 そして今回、幽閉時代の蒼白貴公子から自信を取り戻した白面の若武者へ成長した勢いのある頼朝に対比して、年老いて反射神経や自制心が衰え、西光と同じように敗軍の将の惟盛をボコボコニし、譜代の家臣忠清を手討ちにしようと愛用の中国剣を抜いたらバランス崩して倒れこみ、剣をよく見たら錆びてボロボロになっていた。忠清の注進通りいつの間にか武士ではなく公卿に成り下がっていた、という演出は気に入っている。

 ついでに富士川の合戦で、軍の士気を立て直すために惟盛は忠清の反対を押し切って将兵らに現地の遊女を陣中に手配する苦肉の策をとる。この遊女たち、やせ細っていて全身にグレーがかった白粉をまだらに塗りお歯黒をつけている、これが退廃的で不潔的エロスを湛えているのがNHKらしくなく、また平安時代的でグッドだった。

 また、近頃は登場しないが、清盛の義弟時忠が支配する平家親衛隊の禿(かむろ)、赤い狩衣に赤い羽根の胴衣のおかっぱ頭。みな少年たちだが一瞬AKBに見えた。これは面白かった。
 
 惜しむらくは、兎丸のキャラが気に入っていたので、壇ノ浦まで生き残って、逃げ回る宗盛を叱り飛ばしてほしかったのだが、息子の小兎丸に期待する。
 

 
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