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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「黄金バット」 ストレス解消活劇〔20〕 

黄金バット」 絶滅したアニメヒーロー?
以下のデータは実写版。
 

 
【原題】
【公開年】1966年  【制作国】日本国  【時間】73分  
【監督】佐藤肇
【原作】永松健夫
【音楽】菊池俊輔
【脚本】高久進
【出演】山川ワタル(風早アキラ)  千葉真一(ヤマトネ博士(パール研究所所員/国連秘密機関日本支部員))  エミリー・ベアード(エミリー(パール博士の孫))  筑波久子(秋山ナオミ)  アンドリュウ・ヒューズ(パール博士)  中田博久(清水隊員)  岡野耕作(中村隊員)  関山耕司(ナゾー)  沼田曜一(ケロイド(ナゾーの部下))  小林修(黄金バットの声)  青島幸男(警官)  北川恵一(ジャッカル(ナゾーの部下))  国景子(ピラニア(ナゾーの部下))
  
【成分】笑える ファンタジー 不思議 不気味 恐怖 勇敢 かっこいい コミカル 国際的 ヒーローアクション
                           
【特徴】戦前から人気紙芝居のヒーローとして根強い支持を得ていた「黄金バット」の実写映画化。まだ20代後半の千葉真一氏が、アクションヒーローではなくヤマトネ博士に扮している。黄金バットの声はアニメ版と同じ小林修氏。
 アニメ版とは多少設定の変更あり。
    
【効能】70年代以前に少年少女時代をおくった方々には懐かしさがこみ上げ癒される。
 
【副作用】主人公の黄金バットの髑髏顔と狂気の高笑いが気味悪い。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。   
美少女マリーの不気味な守護神

 保育園時代、紙芝居の時間で人気だったのがこの「黄金バット」だった。(余談1)
 
 「黄金バット」は戦前の紙芝居のヒーローだった。17世紀のダルタニアンのような衣装にマントを羽織り顔は黄金髑髏という今にしてみればゾンビのような不気味な風体なのだが、どういう訳か大人気だった。
 
 終戦直後、やはりGHQの職員は不気味と思ったのだろうか、一時ハンサムな白人ヒーローに描きかえられたそうだが、いつの間にか髑髏顔に戻っている。戦後、実写映画化(余談2)されたようだし、私が保育園に通う頃にはアニメ化されて、放映曜日は忘れたが毎週夕方に放送されていて、幼児の私にとっては「赤影」「のらくろ」「ウルトラセブン」と並んでヒーローだった。
 
 アニメスタッフは「妖怪人間ベム」と同じ顔ぶれなので、キャラや背景描写や物語展開もよく似て些かおどろおどろしい。それに反比例するかのように、黄金バットが表情の無い骸骨なのに明るい高笑いで登場し、幾ら絶体絶命のピンチになっても「黄金バットは不死身だ!」の叫び声?とともに復活して敵をやっつける。たぶん、黄金バットはわざとピンチを演出しているのであろう。それが幼児の私には丸見えだったので安心感を抱いた。
 
 それにしても、21世紀初頭の現在、様々なヒーローがリメイクされているのに何故か「黄金バット」は復活していない。1930年代に誕生し戦争を潜り抜け40年近く人気を誇ってきたキャラクターなのにだ。
 しばしば姉妹アニメといっても良い「妖怪人間ベム」などは再放送されたり特番でも取り上げられるのに、「黄金バット」が脚光を浴びるのは少ない感じがする。
 
 思うに、戦後の懐かしの漫画作品にも見られることだが、物語があまりにシンプルな勧善懲悪に徹しすぎて深みが無く強引な展開なので、今の子供から観たらギャグに見える事がいえるのではないか。
 例えば、どうみてもゾンビにしか見えない黄金バットがなぜ正義の味方なのか、その背景が判らない。しかも正確にはヒロインの美少女が支援要請したら助けに現れるのであって、不特定多数の善良な市民の味方というわけではない。つまり黄金バットが味方しているのは「正義」というよりは純真無垢な美少女マリーだけの可能性があり危うい。
 それに何か葛藤とか悲しみを抱えているとか、マリーの純粋さを崇拝しているとかプラトニックな愛情を持っているといったものは無い。ただマリーの「蝙蝠さん、助けて」の呼びかけには必ず応えて、喜々として悪と徹底的に闘う、これは一種のギャグであり不気味だ。

 敵方も不自然である。ナゾー率いる悪の秘密結社の鉄の掟では失敗は許されないのか、多くの部下たちがナゾーによって処刑されている。「あずみ」のレビューでも述べたことがあるが、味方を殺していっては戦力の浪費である。それにあまり失敗が多すぎたら、ナゾー自身の管理責任が問われると思う。「仮面ライター」のショッカーでも、失敗の多い大幹部は首領から責任を問われて捨て身の戦いを挑んでくる。「仮面ライダー・アマゾン」に至っては、悪の秘密結社ゲドンが新興勢力ガランダー帝国によって滅ぼされるのだ。
  
 それから、昔の漫画にはありがちだが、本来は小学校へ行っていなければならない主人公格の少年少女がなぜか博士とともに危険な場所へ赴く。しかも車の運転までやる。それを許容する大人たちも不可思議だ。車の運転だけでなく、博士は危険な作業を全てまだ幼い息子にやらせる。人権派が見たら明らかに幼児虐待だ。
  
 いずれにせよ、ゾンビ風貌に反比例して恐いくらい明るく敵を倒していき、本当は痛くも痒くもないのにわざとらしくピンチを招いてマリーちゃんたちをハラハラさせ、「黄金バットは不死身だ」で逆転勝利を演出する最強のヒーローはこのまま忘れ去られてほしくない。 
 対象年齢を高校生以上にしてホラーテイストのブラックユーモアたっぷりのヒーローに描きかえれば、大ブレイク間違い無しと思うのだが。(余談3)
 
 ロンブローゾ・・。
  
(余談1)私の郷里である高知県は幼稚園の数が以上に少なく、代わりに保育園が幼稚園の役割を果たしている。今の幼稚園で紙芝居をやっているところがあるのだろうか?
 「黄金バット」の名前の由来は、煙草の銘柄「ゴールデンバット」からきている。詳しくは知らないが初期の紙巻煙草だ。大和和紀氏の「はいからさんが通る」で、主人公の父親花村少佐が愛煙している煙草である。
 
(余談2)実写映画で博士役を千葉真一氏が扮したらしい。
 
(余談3)マリーが成人したら黄金バットの永遠の妻になる契約を交わしていた、という設定にしたらホラーでエロくて面白いかもしれない。だから黄金バットはマリーの要請に忠実に従って悪と闘う。 
 

 
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