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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「タイムスクープハンター」(2) 「会津 女たちの決死行」 TVドラマ評[六十五]  

タイムスクープハンター」 
「会津 女たちの決死行」を観て気になった事

 
【雑感】大河ドラマ「八重の桜」とのコラボ、前々から観るのを楽しみにしていた。
 
 「タイムスクープハンター」とは要潤氏が扮するジャーナリスト沢嶋雄一が特殊な技術で時空を超えて様々な時代の普通の庶民に接触し「特殊な交渉術」で了解を得て取材する物語である。
 いわゆる時代劇ではなく本物の時代人をリアルに表現する事に重視しているので、たとえば丁髷はカツラを排して本当に月代を剃り、おそらく髪は編み込んで長くしているとは思うが基本は自毛で結っている。着衣は晴れ着臭くなく、生活臭漂うように薄汚れているし、正座が普及していない江戸時代前期以前の女性たちは史実どおり片膝立て座りか胡坐だ。台詞もその時代に話されていたと思われる日本語なので、なにやら方言のようで字幕付き、古代日本が舞台の時はまるで外国語のようだ。
 
 「会津 女たちの決死行」でも、長寿時代劇である「大河ドラマ」シリーズとの表現の違いがまざまざと判る。近年の大河ドラマはハイビジョン対策もあってかメイクはナチュラル指向にはなってきた。女優たちは90年代頃からできるだけ自毛の生え際を大事にするため半カツラを用いるようになった。「八重の桜」では剛力彩芽氏が八重の幼馴染ユキ役で出ているが、昔なら彼女のようなショートヘアーの女性は人工的な狭い富士額のカツラをかぶるところだが、地毛を活かしたメイクだ。
 男優は月代の関係から最近まで鋸型生え際のカツラをかぶっていたが、「龍馬伝」あたりから髪の長い俳優は自分の髪で結い、そうでない俳優は生え際が自然に見える半カツラをかぶる様になった。

 しかし、大河ドラマはやはり「時代劇」なのである。決定的に違うのは着物の着付けだ。時代劇では殆どの出演者は地味な着物でもまるで余所行きのように綺麗に着ているのである。ヤクザ者や遊女の役でもない限りは、前をはだけているものはいないし、しかも襦袢の襟が学生服や軍服のカラーのように綺麗に出ている。
 当時の絵画や幕末明治初期の写真を見れば判るように、きっちり初詣や女子大卒業式のように皆が綺麗に着ている訳はなく、特に会津戦争のただ中のような修羅場では衣服は乱れているはずだ。「タイムスクープハンター」ではそんな乱れを描写していた。なりふりかまわない状態なので、襷から袖がはみ出したり、帯が緩んで前が開き気味というところがその時代の体臭を感じる。
 
 当時の戦闘描写も時代劇臭くなくて良かった。そもそも鉄砲が無かった時代の合戦でも、戦死者の大半は矢や槍での傷がもとで倒れている。時代劇でよくやる太刀を振り回しての合戦風景はあまり無い。特に幕末になると現代と同じように銃撃戦が主になってくる。それでも時代劇ではチャンバラを主体にする。
 本作では長いゲベール銃を緩慢に1発撃っては物陰に隠れるを繰り返していた。ゲベール銃はパッと見は現代のライフルの銃身を長くしたような感じだが、基本的な扱いは火縄銃と差は無い。銃口から弾と火薬を入れて備え付けの棒で突き押し固めてから撃つ。
 史実も時代劇によくあるチャンバラ風景は殆ど無く、本作で描写されたような緩慢な銃撃戦が繰り広げられたことだろう。

 ただ、一つだけ、気になる事がある。それは、主人公たちを演じる女優が現代的美女ばかりだからだ。鼻筋が通っていて面長で顎が小さい女性ばかりだ。それから体格も良い。私は当時の集合写真などをよく見るが、失礼ながら片桐はいり氏やもたいまさこ氏的な美女ばかり、また肩幅が狭いのか顔が大きい印象も受けた。
 以前、「新選組!」で土方歳三を演じた山本耕史氏がトーク番組で語ったことがある。容姿や年齢が比較的実際の歳三に近いと評判だった山本耕史氏だったが、歳三の有名な洋装の肖像写真を再現しようと臨んだが、いくら角度やライティングなどを工夫しても違和感が残る、何度も試行錯誤するうちに実際の土方歳三は現代人に比べ頭が大きく肩幅が狭いことに気が付いたそうだ。
 実際、わずか半世紀ほど前の東京オリンピックの女子バレー「東洋の魔女」たちと現在の全日本女子バレー選手と比べても、明らかに今のほうが全体に細く腕や脚が長くなっているのが判る。顔つきもまったく違う。
 
 当時の風俗を再現する「タイムスクープハンター」だが、この昔の日本人の体型を再現するのはやはり難しいか?


 

 
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