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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「オズの魔法使」 家族と一緒に癒されよう〔9〕 

オズの魔法使」 エメラルドシティ・ハリウッド。
 

 
【原題】THE WIZARD OF OZ
【公開年】1939年  【制作国】亜米利加  【時間】102分  
【監督】ヴィクター・フレミング
【原作】ライマン・フランク・ボーム
【音楽】ハーバート・ストサート
【脚本】ノエル・ラングレー フローレンス・ライアソン エドガー・アラン・ウールフ
【言語】イングランド語
【出演】ジュディ・ガーランド(ドロシー・ゲール)  バート・ラー(臆病なライオン)  ジャック・ヘイリー(ブリキ男)  レイ・ボルジャー(かかし)  ビリー・バーク[1885](北の良い魔女)  マーガレット・ハミルトン(西の悪い魔女)  
  
【成分】楽しい ファンタジー ロマンチック 切ない かわいい コミカル ミュージカル 20世紀初頭 一部モノクロ 
  
【特徴】現実世界を白黒、夢の世界をカラーで撮影している。監督はこれまたカラー作品の「風と共に去りぬ」でメガホンを取ったヴィクター・フレミング氏。
 この作品でヒロインの美少女を演じた当時16歳のジュディ・ガーランド氏は一躍子役スターとなり、作中で彼女が歌った主題歌「虹の彼方に(Over The Rainbow)」は現在も名曲として知られている。
 
【効能】子供は夢と現実、平日とお祭りのメリハリを学べる。アメリカの豊さを実感。
 
【副作用】ジュディが就労年齢になっているのに戦力外の幼児扱いになっているのが不自然。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。  
幼児の頃に観たかった。

 どういう訳か、子供の頃は観ていない。TVなどでも何度か放送されたはずなのに、初めて見たのは二十歳前の学生の頃だった。
 
 そのためなのか、映画の世界には素直に感情移入できなかった。どうしても物語構成や台詞回しやキャストやカメラワークなどを観察してしまう。そして、ヨーロッパではナチスドイツが大戦を起こし、日本では長引く日中戦争などで経済が疲弊していた昭和14年の時期に、アメリカでは巨大スタジオに森やお花畑やカラフルなエメラルドシティーを造り、シティーの女性たちは太腿が見えるミニスカートをはいていた。当時としては未来的であり、今見ても斬新で華やかだ。アメリカ映画界そのものがエメラルドシティーのようなものだと改めて思い知らされる。(余談1)
 家が竜巻で吹き飛ぶ良質の特撮のあとに、夢の世界に辿り着いた場面が白黒から一気に色鮮やかな天然色に変わる。同時代の邦画の暗い白黒画像と比べて、なんと明るいことか。しかも同時期の邦画は戦火のゴタゴタや様々な事情でフィルムが劣化しているのも少なくないが、「オズの魔法使」は未だに瑞々しいカラーである。
 
 もう一つ、感情移入できなかった理由がある。主役のジュディー・ガーランド氏だ。当時16か17くらいの歳だった。(余談1)私が初めてこの作品を観たのは18か19の頃だった。だからどう観ても「同世代」の女の子が作中で子供扱いされている光景に違和感を感じてしまう。もう立派な農作業の働き手なのに、まるで幼稚園児のような扱いであてにされていない。主題歌の歌声も、名曲で好きな曲の一つなのだが、声に貫禄がありすぎて幼児の声には聞こえない。
 
 私は小学校へ上がる前に観たかった。吹替え無しであっても、物語の構成や設定や演出はわかりやすく、「桃太郎」のように類似する昔話が日本にはあるので、特に問題はないと思う。ドロシーも歳上のお姉さんという感じで違和感を感じなかったかもしれない。パッケージ写真にある笑顔のドロシーは少年時代に何度か観る機会があったが、トウがたっている感じはしなかった。
 子供のうちに家族と一緒に観るべきだ。
 
(余談1)しかし、監督が変わったり、脚本が変更されたり、メイクに有害な化学物質をつかって俳優が健康を害したりなど、見えないところで大変だったようだ。
 カンザスの田舎シーンは白黒で夢の世界はカラーという有名な演出も、実は制作費を抑えるためにカラーシーンをケチったためらしい。
 
(余談2)女性なのに10歳の役をやらねばならなくなったため、胸に布を巻きつけて成熟していない少女の振りをするなど、無理をしていたようだ。
 ハリウッドの子役は悲惨な人生をおくるジンクスがある。成人してからもスターの地位を守った人でも、マイケル・J・フォックス氏のようにパーキンソン病に苦しめられたり、レオナルド・ディカプリオ氏のように低迷の日々を堪えなくてはならなかったりなど。
 ジュディー・ガーランド氏もアル中で寿命を縮めた。晩年を考えると、この「オズの魔法使」での子供のような所作や話し方やお花畑を元気に駆け下る様、そして物思いに耽りながら「虹の彼方に」を歌う彼女が初々しくて切ない。今はそういう意味で感動する。
 やはり、ジュディー・ガーランド氏が主演を務めて正解だったのか。


 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆ 良
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆ 名作

 
【受賞】アカデミー賞(作曲賞)(1939年)


 

 
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オズの魔法使いは、
アメリカ人にとっては心の物語(?)だそうですね。

私はオズのお話の過去を描いたというミュージカルのウィキッドが気になってます。

オズの魔法使いって、感動的なんですが、
最後に虹の向こうをもとめていたけど、
おうちが一番。って結論が心から同感できないんですよね…。
私がまだ何もわかってないってことなんでしょうね。。笑
[ 2009/08/31 22:10 ] [ 編集 ]
こんばんは、お鈴氏。

> オズの魔法使いって、感動的なんですが、
> 最後に虹の向こうをもとめていたけど、
> おうちが一番。って結論が心から同感できないんですよね…。
> 私がまだ何もわかってないってことなんでしょうね。。笑
 
 私もせっかくフルカラーのエメラルドシティーで住めるのに、なんで白黒の世界に戻らなければいかんのや、と納得できませんでした。
 
 しかしお鈴氏、広島へ帰りたくはありませんか? 
[ 2009/09/01 01:00 ] [ 編集 ]
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