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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「県庁おもてなし課」 家族と一緒に愉快になろう〔11〕  

県庁おもてなし課」 
錦戸・堀北の故郷興しラブコメ。

 


【原題】
【公開年】2013年  【制作国】日本国  【時間】123分  
【監督】三宅喜重
【原作】有川浩
【音楽】吉俣良
【脚本】岡田惠和
【言語】日本語(土佐言葉)       
【出演】錦戸亮(掛水史貴)  堀北真希(明神多紀)  関めぐみ(清遠佐和)  甲本雅裕(下元邦宏)  松尾諭(近森圭介)  高良健吾(吉門喬介)  船越英一郎(清遠和政)  生田智子(-)  田辺愛美(-)  松山メアリ(-)  鈴木アキノフ(-)  志賀廣太郎(-)  大島蓉子(-)  石井正則(-)  相島一之(-)  小日向文世(-)

【成分】笑える 楽しい 切ない かわいい コミカル ラブコメ 町興し村興し映画 高知県

【特徴】高知県庁に実在する「おもてなし課」を舞台に手探りで観光振興に奔走する若い職員たちのラブコメディ。
 錦戸亮氏が県庁の主査掛水史貴を、堀北真希氏が臨時職員明神多紀を好演。船越英一郎氏が伝説の元県庁職員清遠和政を怪演。出演者たちが話す高知弁は、地元の人間にも概ね違和感なく受け入れられた模様。
 高知県のバックアップの下、県庁をはじめ高知県各地でロケーションが行われた。典型的な町興し村興し故郷興し映画であり、興行的に成功といえる。

【効能】高知県に行きたくなる。高知に住みたくなる。

【副作用】平板なストーリーで拍子抜けする。

下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。  
典型的な故郷興し映画。

 他作品のレビューで何度か触れた事があるが、いまや映画が町興し村興しの重要な手段になってきている。というのも、新たな産業を興すことを思えば、いまある資産を制作クルーに貸し出して撮影の便宜を図るだけで良いので安上がりだ。宣伝工作の費用としては割高になる場合もあるだろうが、巧くいけば小豆島観光を半世紀以上にわたって支えている不朽の名作「二十四の瞳」のようになる可能性もある。

 本作の場合は、典型的かつ露骨なお国興し故郷興し映画だ。何しろ舞台が観光による高知の活性化を主任務とする県庁の一部署だから、テーマはシンプルに故郷興しそのものだ。公開時期からみてゴールデンウィークから8月の盆休み頃まで話題性が保てば成功だろう。
 他レビューを拝見する限りでは、「高知へ行きたい」という声がけっこう多い。土佐系二世の大阪人として、この声は嬉しく、まずまずの成果だと思っている。県庁には撮影で使用された「おもてなし課」事務所セットが9月ごろまで保存されるそうなので、今年の盆休み帰省で県庁に立ち寄って見学するつもりだ。錦戸ファンの連れ合いは最初からその気である。(余談1)

 さて、私と連れ合いは本作について以前から注目していた。平素は映画の好みは全く異なり二人同じ作品を観る事は滅多に無いのだが、私は高知ゆかりの人間であり連れ合いは錦戸ファンなので、1歳の息子の面倒を交替しながら映画館へ行った。
 鑑賞後の感想なのだが、意外にも観る前は乗り気だった連れ合いが冷めた評価をして、観る前は冷めた姿勢の私が好意的に評価をしている。
 
 連れ合いは物語として平板で映画にするには地味すぎ、錦戸ファンや堀北ファンなら観に行く価値はあるけど、そうでない人にはパッとしないのではないか、と。実際、他レビューを拝見すると同様の印象を持った人は少なくない。
 そんな連れ合いに私は本レビュー冒頭でも説明した映画の村興し効用を説いた。過去にも同じような解説を何度も私はしたようなので、連れ合いはすかさず「もういい。もういい」と忙しく台所に立つ。
 
 たしかに連れ合いの指摘は間違ってはいない。ただ、迂闊に映画的波乱エピソードを盛り込んでも不自然に浮いた話になるだけで、平板な話だからこそ日常良くある光景として感情移入できるものだ。(余談2)
 またTVドラマで十分との見方、同じ観立てのレビュアー諸氏も少なくないが、作中で清遠和政が熱弁しているように、高知は手付かずの自然がいっぱいだが、同時にそれしかない。その山や川や太平洋の魅力をテレビの画面より映画館の巨大スクリーンで魅せた方が良いに決まっている。錦戸氏がパラグライダーで飛んで高知の山河を眺めながら「高知最高!」と叫ぶ場面をTVで観てもピンとこない、映画館だから疑似体験できる。

 私は映画化して成功と思っている。現に興行成績は地味な映画のわりにトップ5に入り続けているではないか。こればぁ実績残せば、映画化の戦術目標は達成じゃ。予算規模に見合った以上の目的が達成されゆうから文句は無い。原作も映画も郷土興しや郷土愛が中身のテーマ、男女の色恋がメインやないし官僚批判がメインやないし。物語の完成度も、取って付けた不自然さは無かった。
 それでええんや、これは。
 
 強いて言えば、高知出身の俳優をもっと起用して欲しかった。

(余談1)気になっていたのは俳優たちの土佐言葉だ。主役の堀北・錦戸両氏はどうやら関西弁と同じ発音に聞こえたようだ。高知は古代より京と人的交流があったためか土佐言葉には古文に出てくるような京言葉が残っており基本的なイントネーションは関西弁に近い。しかし大阪の言葉とは微妙に違う。
 私は生まれも育ちも大阪で、高知に住んだのは3歳から6歳までの3年間だけ。帰省したとき、伯父の家で酒を飲むのだが時々伯父が話す言葉が聞き取れない時がある。関西弁と似ているようで違う言語だ。
 だが、龍馬が出てくる幕末モノでやたら「ぜよ」が台詞に出てくるが、本作ではそれをしなかったのは評価できる。高知の人間は幕末モノのように「ぜよ」を大袈裟に言わん。

 今年の帰省で叔父夫婦の家に立ち寄り茶菓をいただいた時に「県庁おもてなし課」の話題になったのだ。さすが地元とあって映画館は満席の状態だったらしい。大阪のシネコンのナイトショーでは私の貸し切り状態だったのとはえらい違いだ。
 叔父も叔母も映画に出てくる土佐言葉に違和感は無かったという。ただ、錦戸氏や堀北氏のような若い世代ではあまり出てこない高知弁台詞だったらしい。大阪の若者が標準語化しているのと同じように、高知の若者は関西弁化しているのか?

 高知県庁は高知城の南隣にある。東京を始め日本の主要都市は城下町から発展したので、県庁・市役所・名門高校の多くも城近くに立てられている事が多い。高知市もその一つだ。たしか城の東隣にある土佐女子高は漫画家西原理恵子氏の出身校だったと思う。
 帰省した時に県庁のロケセットを見学、実際に出演者たちが使用した清遠和政の「高知県 レジャーランド化構想」の企画書を拝読した。表紙だけで中は白紙と思いきや、精細なデータを添付しながら簡潔にまとめられた立派な企画書だった。一部ほしいと思った。

(余談2)堀北と錦戸の噛み合わない口喧嘩の場面はなかなかリアル、ワシらもよくああなるなと連れ合いに話したら、「私らはもっと険悪じゃ」と眉間に皺寄せる。
 因みに作中の錦戸君と同じく私もマウンテンバイクで出勤し、ママチャリの女子高生に追い抜かされる。

 キッチン戦隊クックルンの田口乙葉ちゃんが清遠佐和の少女時代役で出ていた。そんな事を呟いたら連れ合いから「ロリコン親父!」と後頭部を叩かれた。乙葉ちゃんには熱い運命を感じる、応援してやらねば。
 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆ 可
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆ 名作



 
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