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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「アメリカン・ソルジャーズ」 ストレス解消活劇〔86〕 

アメリカン・ソルジャーズ」 
けっこうお得感があるB級戦争映画。

 

  
【原題】 American Soldiers
【公開年】2005年  【制作国】亜米利加  【時間】104分  
【制作】
【監督】シドニー・J・フューリー
【原作】
【音楽】バロウジェ
【脚本】グレッグ・メロット
【言語】イングランド語 一部アラブ語       
【出演】カーティス・モーガン(-)  ザン・カラブレッタ(-)  ジョーダン・ブラウン(-)  エディ・デラ・シープ(-)  フィリップ・バックランド(-)  マイケル・ベリサロ(-)  ショーン・ギャレット(-)  ポール・スタニーノ(-)  ブレット・ライアン(-)
      
【成分】悲しい 勇敢 切ない かっこいい イラク イラク戦争後  
  
【特徴】イラクに駐留するアメリカ軍のパトロール隊が体験する悲劇の一日を描いた作品。「コンバット!」の21世紀版と思ったら良いだろう。
 とにかく銃撃戦の連続、敵の覆面ゲリラ部隊は執拗に何度も攻撃、いくら倒しても倒してもやってくる。そしてゲリラ部隊の攻撃は苛烈を極めるが主人公たちには当たらない。アメリカ映画の特徴で、れいによって敵は撃たれるためにわざわざ馬鹿みたいに身を晒す。
 オマケに偽善的場面が付いて型通りの捻りの無い素直な戦争ドラマだ。

 とにかく銃撃戦や肉弾戦を観てスカッとする人向き。
      
【効能】スカッと爽やか銃撃戦でストレス解消。アメリカ軍の最新歩兵装備で銃器マニアは萌え。
 
【副作用】露骨なアメリカ賛歌に苦笑い。こんなの観て感動するアメリカ人がいると思うと絶望的なおぞましさで暗くなる。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。   
「コンバット!」の現代イラク編。

 一言でいうと、「コンバット!」を現代版にした形だろう。敵地を進軍する2人の軍曹に率いられた一個分隊の物語だ。
 「コンバット!」の舞台は第二次大戦後半のフランスで敵はドイツ軍、本作の舞台はイラク戦争後のイラクで敵はアメリカや現政権に抵抗する武装勢力。この違いはあるが、最初から最後まで銃撃戦の連続を魅せながら、最前線の分隊の悲哀と戦争の意味や現地人との友情などを盛り込む、「コンバット!」の手法を踏襲した内容だった。(余談1)
 
 主人公はアフリカ系アメリカ人兵士で階級は特技兵、指揮を執るラテン系の軍曹の右腕的存在。冒頭のパトロールの場面で、主人公と軍曹はかなり仲が良くお互い仕事熱心で率先して危険任務に取り組む様子が描写される。(余談2)
 主人公と軍曹の2人はジープから降りて世間話をしながら偵察任務に就く。そこへいきなり迫撃砲が襲い、後方で待機するジープの付近に着弾、分隊はきびきびとした動きで散開し、2人の軍曹はお互いに携帯無線で連絡しながら反撃を開始する。
 なんとか最初の攻撃を撃退するが、主人公の友人でもある軍曹が腹に被弾して重傷、最寄の病院に駆け込むがそこも武装ゲリラのたまり場だった。パトロール分隊の悲劇の一日が始まる。

 とにかく行く先々で武装ゲリラが待ち伏せして執拗に攻撃する。ゲリラ側の指揮官は特徴のある黒い覆面を被っていて、最後にはお約束の主人公との格闘戦をやる。B級映画なので、おそらくゲリラを演じている俳優たちは覆面や衣装を変えて何度も出演しているだろう。
 最後は工事現場のような砂利山で主人公たちの方が待ち伏せして決戦、小銃弾が尽き拳銃を乱射、それも尽きるとコンバットナイフを抜いて肉弾戦。最新の歩兵装備をまとった主人公たちがナイフを振り回す様は面白い。(余談3)
 
 アンチアメリカの人にはアメリカ特有の戦争描写に顔をしかめるだろう。なにしろ武装ゲリラは執拗に何発もロケット弾を発射するが殆ど命中しない。直撃は一発だけだった。れいによってゲリラ側はわざわざ撃たれる為に身を晒して小銃を乱射。
 米軍側はとにかく撃ちまくる。弾が残り僅かになっても撃つ。小銃の弾がきれて拳銃を発射するときも連射。日本人から観たら弾の無駄遣い。
 ともかく、戦争映画やチャンバラ映画が好きのファンにはストレス解消の銃撃戦・肉弾戦の連続、俳優たちも良い演技をしている。低予算映画のわりには盛り沢山のお得感ある小品である。
 
(余談1)途中、イラク警察が主人公たちに加勢する。武装警察を指揮する警官は警部補。主人公たちとの友情が芽生える感動場面なのだが、主人公がタメ口なのが気になる。相手は外国の警察官でしかも警部補(Lieutenant)だ。軍隊なら少尉に相当するので、兵士たちは警部補に対しSirを付けるはずなだが・・。

(余談2)物語の主役となったパトロール部隊は軍曹2人と兵員10名の分隊規模だ。軍曹を補佐する伍長は不在で、伍長と待遇が同じで下士官の資格が無い特技兵の主人公が副長を務めていた。特技兵は旧日本軍では兵長、ドイツ国防軍では伍長勤務上等兵に相当するだろう。
 特技兵とは専門的な知識や技術を持った兵士の事をさす。が、主人公は何の技能を持っているかの描写は無かった。軍曹からは「チーフ・ソルジャー」と呼ばれている。
 解説では「小隊」となっているが、普通の小隊は30人程度の規模だ。途中、少尉率いるオハイオ州の州兵部隊と合流するが、これが小隊規模だろう。

(余談3)つくづく思うが、米軍歩兵の装備は世界一高価で充実している。最新の充実した歩兵装備を身につけたまま、着の身着のままの武装ゲリラとナイフで格闘戦をして全員やっつける。アメリカ人が見たら溜飲下がる場面かもしれない。丸腰でもアメリカ人は強いんだ!と。
 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆ 可
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆ 凡作



 
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