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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

2015年大河ドラマ「花燃(はなも)ゆ」 TVドラマ評[六十七] 

井上主演NHK大河、無名ヒロインの狙い 
視聴者の「共感」と「予測不能さ」

 
 2015年のNHK大河ドラマは、女優の井上真央主演の幕末もの『花燃(はなも)ゆ』に決まった。3日に同局で行われた会見で発表された。主人公は、幕末の思想家・吉田松陰の妹、文(ふみ)。激動の幕末で長州藩に生まれ、松下村塾の塾生たちに囲まれながら、幕末・明治維新を生き抜いたヒロインが「命を燃やし、情熱を燃やし、恋の炎を燃やした」生涯を描く。(オリコン)
 
【雑感】新島八重の生涯を描く「八重の桜」の視聴率はかんばしくないそうである。物語自体は気に入っているが、どうやら万人向きではないらしい。
 私はキリスト教は好きではない。あの物語に登場する嫌キリストの民衆たちとほぼ同じ感覚、いやむしろ「耶蘇」といって警戒心露わの人たちよりも遥かにキリスト教の歴史を知っている分、嫌悪感はむしろ強いかもしれないが、それでも新島襄たちのひた向きな生き方、生真面目な襄を演じるオダギリジョーの演技には涙が流れそうになる。
 また、會津戦争が終わってかつての故郷の人々が散りじりになるも、明治に入って教育関係や軍隊や警察などで再起をしていく様は観ていると感動である。八重たちがかつての會津の「同胞」たちと笑顔で再会する場面は何度でも観たい。薩長土肥ら「官軍」に蹂躙され叩きのめされても立ち上がっていく様は、東日本大震災の被災から復興に向けて前進する東北とダブってみえる。
 
 だが、大河ドラマとしては低視聴率である。それは何故か? やはり視聴者にとって大河ドラマは「チャンバラ時代劇」であり、なおかつ武将の立身出世物語なのである。たとえ女性が主役でも。「八重の桜」はどう見ても「大河ドラマ」ではなく「朝の連続テレビ小説」で取り上げるネタなのだ。
 その証拠に、大河ドラマが取り上げる時代は圧倒的に戦国時代が多い。でなければ幕末明治維新や源平合戦、あるいは忠臣蔵だ。大河ドラマはチャンバラのある「時代劇」でなければならないのだ。チャンバラの無い明治から現代を舞台にしたドラマは「朝の連続テレビ小説」という具合に棲み分けを長年やってきた。
 本来なら「八重の桜」は朝の「あまちゃん」とともにブレイクしても良いほどのタイムリーなテーマであり、ドラマの質も俳優たちの演技も「あまちゃん」より劣るとは思わない。だが大河ドラマの評判はイマイチだ。視聴者たちは大河ドラマに朝の連続テレビ小説のような内容を求めていないからだ。
 
 新島八重はまだ著名人だが、吉田松陰の妹となると完全に歴史の裏に埋没しているといってもいい。歴史好きの私でも、松下村塾関係の久坂玄随と楫取素彦の妻になった程度の事しか知らない。おそらく、「八重の桜」は八重を中心に会津の人々の復興を描写する意図があるのと同じく、文を中心に明治維新の原動力となった松下村塾の人々を描くのだろうが・・。
 良い方に考えれば、大河ドラマは民放の娯楽時代劇と違って史実尊重路線の縛りがあるため、無名に近い人物なら幾らでも脚色し放題できる利点があるが、よほど巧くドラマをつくらないと視聴者の共感や注目は得られないリスクがある。
 

 視聴率を無視してドラマを作るのなら、私は額田王や孝謙天皇を主人公に古代日本を取り扱ってほしい。額田王は天智天皇と天武天皇の世紀の三角関係、孝謙天皇は僧侶道鏡とともに藤原一門に抗う。(そのため孝謙帝と道鏡との間に君臣の関係を越えた愛があると囁かれた)
 戦国時代も幕末も飽きた。たまには飛鳥時代や白鳳時代や奈良時代を取り扱ってくれても良いと思うが。
   

 
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大河自体がネタ切れのような感じがします。

また、放映期間が約1年と現代人にとっては長すぎて途中で飽きてしまうのではないでしょうか。

大河ドラマは現代モノは受けない、と言われていますが私は20世紀モノを見たいですね。
[ 2013/12/04 21:39 ] [ 編集 ]
うろぱす氏へ

> 大河自体がネタ切れのような感じがします。
 
 いや、ネタはまだまだあります。正確には、大河ドラマの主流視聴者のニーズが源平合戦と戦国時代と忠臣蔵と幕末明治維新に偏り過ぎているので、その範囲内ではネタ切れという事でしょう。


> また、放映期間が約1年と現代人にとっては長すぎて途中で飽きてしまうのではないでしょうか。

 大河ドラマを観光誘致の呼び水にしている自治体にとっては、1年はやってほしいところでしょう。「龍馬伝」の我が郷里への経済効果は計り知れないものがありました。さらに翌年も余韻を利用したイベントがそこそこの成果でしたから。
 「県庁おもてなし課」ではせいぜいゴールデンウイークから盆休みが精一杯、大河では年中宣伝してくれるので翌年の余韻もあります。ですから、私のような郷土愛のある地方出身者にとって大河ドラマ1年放映は死守すべき条件であります。半年とか1クールなんてとんでもない!


> 大河ドラマは現代モノは受けない、と言われていますが私は20世紀モノを見たいですね。

 そこですよ、問題は。現代劇は既に「山河燃ゆ」「春の波濤」「いのち」と行いました。今回の「八重の桜」のように幕末から明治までは過去に「獅子の時代」があります。
 大河が舞台としていない時代は、平安時代初期より昔です。奈良や飛鳥時代はまだ一度もやっていません。私は古代日本を舞台にしてほしいと切望しますね。
[ 2013/12/05 19:15 ] [ 編集 ]
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