梅田ガーデンシネマ、
2014年2月28日で閉館! 【雑感】Twitterから閉館の話を知った。残念でもあり、とうとうその時が来たかという思いもある。
率直に言って立地条件は悪い。阪急梅田駅を降りて北側のヨドバシカメラ方面を見ると、一際そびえ立つ巨大なビルが見える。梅田スカイビルだ。ビルが巨大なので近そうに見えるが、歩くと8分から10分程度かかる。最寄の駅は阪急梅田駅なのでどうしてもこれだけ歩かなければならない。スカイビル方面には地下街は延びていないので、真夏に行くと汗だくになる。
このスカイビルは梅田界隈では最も高いビルであり大阪キタや淀川河川を一望できる。空中庭園や地下の昭和初期風飲食街が目玉なので、駅から離れている割には人が多くちょっとした観光地・デートスポットになっている。(余談1)
しかし映画館興行には立地は不利なので、必然的にメジャーな売れ筋映画は上映しない。大流行(おおはやり)の映画なんか上映しても駅前の便利で設備が充実したシネコンに客をとられるので意味が無いからだ。結果的にマイナー系の文学作品やハリウッド以外の作品を上映する。
90年代後半では、スカイビルの麓の広場で毎年10月上旬に「ビールサミット」と称する世界のビールのお祭りが催され、ドイツビールファンの私は当然のことながら嬉々として顔を出した。ビル内の便所で用を足すついでに酔い覚ましがてらにこの映画館に入ったものだ。あの頃のスカイビルは私にとっては愉快な楽園のような場所だった。
最近で観たのはアンジェイ・ワイダ監督の「カティンの森」やフィリップ・シュテルツェル監督の「アイガー北壁」で、その後は仕事や育児などで完全に足が遠のき、たぶんもう観に行くことは無いだろう。閉館までに一度くらいは観に行きたいが。
上映作品のセンスは私好みだ。これは経営者のセンスが私と似ている事も当然あるとは思うが、やはり立地の制約による理由が一番大きいだろう。この場所で単館ミニシアターではそんな作品しか上映せざるを得ないのだ。
既に複数のレビュアーが指摘しているが、この映画館には些か好ましくない問題がある。スクリーンが低い位置にあり、観客席の勾配が緩やか過ぎる。そのため前の席に少し座高の高い人・帽子を被った人・髪にボリュームをつけた人が座るとスクリーンの一部が隠れる恐れがある。まるで公民館の一室を映写室にしたような感じだ。まだ私の母校の視聴覚室のほうが映画館らしい。ミニシアターなので仕方が無いかもしれないのだが。
それでも郷里の高知の山里に比べれば便利はすこぶるいいかな。(余談2)
梅田ガーデンシネマ閉館後の跡地は、幸いにも階下の映画館
シネ・リーブル梅田の増床として活用される。ガーデンシネマ時代のような上映方針を続けるかどうかは未定だが、映画館だった痕跡を消されて全く異なるレストランやフィットネスや普通の事務所などになるよりは、シネ・リーブルの1スクリーンとして再出発のほうがマシだ。
(余談1)敷地内にある少し広い庭園はけっこうお気に入りだ。
(余談2)高知でも高知映画上映ネットワーク(えいね~)が頑張っている。有志による県内公民館上映だ。しかし、物理的には高知市内へ行かないと映画は観れない。私の郷里からはバスと電車を乗り継げば2時間から3時間、車で1時間以上はかかる。
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老舗には老舗に良さがあるのですが・・・・