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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「猟奇変態地獄」 萌えたい時に〔10〕 

猟奇変態地獄」 
黒いエマニエル、アマゾンへ・・。

 

 
【原題】EMANUELLE E GLI ULTIMI CANNIBALI
【英題】EMANUELLE AND THE LAST CANNIBALS
【公開年】1977年  【制作国】伊太利  【時間】94分  【監督】ジョー・ダマト
【音楽】ニコ・フィデンコ G・デロルソ
【脚本】ロマノ・スカンダリアト アリステッド・マサセッシ
【出演】ラウラ・ジェムサー(エマニエル)  ガブリエル・ティンティ(-)  スーザン・スコット(-)  ドナルド・オブライエン(-)  パーシー・ホーガン(-)  モニカ・ザンチ(イサベル)  アンマリー・クレメンティ(-)    
  
【成分】笑える パニック 不気味 恐怖 セクシー コミカル ジャングル 食人族 ポルノ
   
【特徴】「エマニエル夫人」の便乗企画シリーズ。イタリアの悪趣味ポルノ映画で定評のあるジョー・ダマト監督作品、ヒロインは黒いエマニエルと讃えられているインドネシア出身のラウラ・ジェムサー氏。
 ポルノが撮りたい、刺激的な食人族モノを絡めてエログロにしたい、そんな動機で制作したような内容で、撮りたいエロ場面・残酷場面を強引なストーリーで結びつけている。
 残酷場面はあるが、稚拙な特撮や造形のおかげで逆に爆笑モノ。
 
【効能】ラウラの情熱ヌードで夏の夜に萌える。真冬でも温かくなる。
 
【副作用】悪趣味場面で気分が悪くなる。時間の浪費、喪失感を感じる。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。  
ポルノと食人族の融合

 あの「黒いエマニエル」シリーズの1つである。第1作は「愛のエマニエル」で、世界を股にかけて活躍する女流報道カメラマン・エマニエルのアフリカでの「活躍」を描き、それが興行的にあたったので続編が創られ、これは4作目か5作目である。(余談1)
 
 「黒いエマニエル」は、あの有名なフランス映画「エマニエル夫人」の便乗企画である。悪趣味パロディ制作に定評?のあるイタリアで制作され、主役には「続エマニエル夫人」でヘルス嬢に扮してチョイ出演した褐色の美女ラウラ・ジェムサー氏が起用される。褐色のL・ジェムサー氏がエマニエル役で出るので「黒いエマニエル」だ。(余談2)
 
 シルビア・クリステル氏が演じるエマニエルは高貴な令夫人であるのに対し、ラウラ・ジェムサー氏のエマニエルは褐色の美しい裸体を晒しながら体当たり取材を続ける野性的な報道カメラマン。(余談3)
 とはいえ、1作目はまだ本家の「エマニエル」を意識していたのか、野性的ながらもまだスタイリッシュでソフトポルノ路線だった。ところが制作者の意向で2作目から監督がクズ映画生産で悪名?高いジョー・ダマト氏に代わった。ラウラ・ジェムサー氏とダマト監督の伝説コンビが誕生した。
  
 アフリカ・中東・アメリカなどを突撃取材してきたエマニエルの今回の取材先が、アマゾンの食人族である。マニアックでスケベなファンのニーズに応えるために、ソフトポルノから野性味三流悪趣味ポルノ路線へと突き進んできたダマト監督たちが思いついたのが、食人族とポルノの融合である。もはやストーリーは関係ない。監督たちがファンサービスのために撮りたい場面を撮り、それらをつなぎあわせるために便宜上のストーリーを無理やり組み立てたに過ぎない。だから、設定や展開は無茶苦茶である。ここまできたらギャグの世界であり失笑を禁じえない。
 
 しかし、そんな映画でも良い場面がある。エマニエルの友人で歳若い金髪碧眼の白人女性イサベルが生贄にされそうになったとき、食人族部落に伝わる精霊信仰を利用してエマニエル自身が精霊に化けて友人を助けるラストシーンだ。
 大音響(余談4)とともに川の水面から静かに現われる全裸のジェムサー氏はまさにアマゾン川の精霊であり、生贄を受け取るフリをして全裸のイサベルと2人ならんで静かに川へ逃げていく場面が美しい。2人の引き締まったウエストラインと美脚が並ぶ、白いイサベルと黒いエマニエルのコントラストが見事だ。(余談5)
 誉め過ぎとの声があがりそうだが、この映画で誉められる所は私にはこの場面しかないのだから仕方が無い。
 
 最後に、ジョー・ダマト監督は最近亡くなられたらしい。彼は本格的なホラー映画を撮りたがっていたらしいが、生活のためポルノばかりになったそうだ。彼もまた、ある種のエド・ウッド的人物かもしれない。ラウラ・ジェムサー氏の話によると、監督はコメディアン的で撮影は笑いが絶えなかったらしい。
 世間からクズ映画ゴミ映画と呼ばれている作品は、駄作であるだけに制作者の悲哀が見える。
 
(余談1)シリーズがいくつ制作されたのかは知らない。少なくとも5作は制作され、日本では「愛のエマニエル」と「猟奇変態地獄」の2本がビデオ化されている。当然、この2作以外の作品はヤフー映画データに掲載されていない。
 原題を直訳すれば「エマニエルと最後の食人族」なのだが、「アマゾンの腹裂き族」といい「猟奇変態地獄」といい邦題のセンスに爆笑する。
 
(余談2)制作サイドは当初から「エマニエル夫人」のパロディー企画として「黒いエマニエル」を企画し、褐色の美女を探していたようだ。
 
(余談3)まさに「体当たり」である。節目節目に必ず褐色の裸体を晒す体「当たり」取材をする。裸になる意味あるのかなと思うくらい脈略が無い。
 シリーズでは毎回のお約束でエマニエルが隠しカメラで撮影する場面がある。それがネックレスであったり、ブレスレットであったり、今回は人形である。
 
(余談4)花火だったか、照明弾だったか忘れた。
 
(余談5)2人は同時期に別の映画にも出ている。ミッション系スクールが舞台で、ラウラ・ジェムサー氏は学園の教師で尼僧、モニカ・ザンチ氏は非行少女役。
 後にL・ジェムサー氏は世界の時代劇俳優三船敏郎氏・丹波哲郎氏・千葉真一氏の三巨頭と共演している。しかもヒロインで女侍役。
 
晴雨堂スタンダード評価
☆ 不可
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆☆ 金字塔

 
晴雨堂関連作品案内
続エマニエル夫人 【プレミアム・ベスト・コレクション\1800】 [DVD] フランシス・ジャコベッティ 20歳そこそこのラウラがソープ嬢としてチョイ役出演。
ラウラ出演の映画は日本でも多数ビデオ化されたが、大半はDVD化されていない。残念ながら殆ど絶版状態である。
 

 
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