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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「蝋人形の館」 不安と恐怖を楽しむ時に〔2〕 

蝋人形の館」 監督の「英断」なのか?
 

 
【原題】HOUSE OF WAX
【公開年】2005年  【制作国】亜米利加 濠太剌利  【時間】113分  
【監督】ジャウメ・コレット=セラ
【音楽】ジョン・オットマン
【脚本】チャド・ヘイズ ケイリー・W・ヘイズ
【言語】イングランド語
【出演】エリシャ・カスバート(カーリー・ジョーンズ)  チャド・マイケル・マーレイ(ニック・ジョーンズ)  ブライアン・ヴァン・ホルト(ボー/ヴィンセント)  パリス・ヒルトン(ペイジ・エドワーズ)  ジャレッド・パダレッキ(ウェイド)  ジョン・エイブラハムズ(ダルトン・チャップマン)  ロバート・リチャード(ブレイク)    
  
【成分】不思議 パニック 不気味 恐怖 セクシー
   
【特徴】ホラー映画の古典、1933年マイケル・カーティス版、1953年アンドレ・ド・トス版に続くリメイクだが、物語の内容は一新されている。人間を殺して蝋で固めて人形にしたり、あるいは生きたまま蝋人形にする伝統的ホラーネタ。
 お騒がせのセレブの令嬢にして女優のパリス・ヒルトン氏がお色気と殺され役を担当、赤いブラをつけて逃げ回る様はファン必見、殺され役を勤勉に演技している点は好感を持つ。
 
【効能】血飛沫や飛び散る臓腑などの派手なスプラッタは出てこないが、現実にあり得そうな虐待を生々しく描写するので、観ていると悪寒がはしり痛くなる。パリス・ヒルトン氏の赤い下着姿に萌え。
 
【副作用】生々しくさり気ないエログロに不快感倍増。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。  
パリス・ヒルトン
蝋人形にされる場面を期待した人はガッカリ

 
 主演俳優よりも脇役のパリス・ヒルトン氏が目立つ映画だ。プライベートでは何かとお騒がせな彼女だが、作中ではこの手の映画の脇役を生真面目に印象深く演じているのが微笑ましい。世間の評判では彼女は超ワガママらしいのだが、一方で自分のファンは非常に大切にする人柄らしく気さくにサインやツーショット写真にも応じるらしい。
 
 さてこの作品は、蝋人形モノの教科書ともいえる1950年代の「肉の蝋人形」のリメイクだが、もはやホラーというジャンルの中で蝋人形モノもカテゴリーとして成立し、ドラキュラ・ゾンビとならんで戦前から制作されるようになっている。(余談1)
 生きた人間を蝋人形へ加工処理する過程を描くことで恐怖とおぞましさを盛り上げるのがテーマなので、当然のことながら蝋人形師は倒錯した人物となり、被害者が女性となれば性倒錯となる。したがって恐怖よりもエログロ描写がメインになりやすい。この作品の前評判もエログロだったのだが、内容は派手な舞台装置の割りに意外とスタンダードなホラーだった。エロと呼べる場面はなく、せいぜいヒロインの友人役であるP・ヒルトン氏が恋人の前で爽やかに脱いだり、殺人鬼の蝋人形師に追いかけられ下着姿で逃げ惑うだけだ。
  
 描写のメインテーマである蝋人形加工風景は生々しくて具体的だった。ヒロインの彼氏がまず犠牲者になる。生きたまま作業台に寝かされ、服を切り裂かれて裸にされ、捕らえられた際の格闘で傷ついた裂傷・創傷を黒くて太目のテグスのような糸で雑に縫合する。防腐剤なのか痺れ薬か訳の判らない薬液を注射して、なにやら布に処理剤を塗ってライフマスクのかたどりをされる。最後は蝋細工をする装置に座らされ、熱い蝋のシャワーを浴びる。(余談2)俳優が良い演技をしていたので、観ている人間も痛くなるだろう。
 
 ここで制作者の身になって考えてしまう。生きたまま蝋人形される被害者役をP・ヒルトン氏が担当したら、間違いなく映画史に残る問題場面になるし、蝋人形モノに相応しい?派手なエログロホラーになるだろう。また彼女の日頃の言動から、ワガママでプライドが高い反面、ファンが喜びそうな話題や破廉恥なスキャンダルを好んで提供する節がある。だから単に悪い意味で自分に正直というだけでなく、ファンサービスの側面も感じるのだ。
 だから、P・ヒルトン氏は蝋人形に加工される被害者を担当したかったのではないかと思うし、監督も構想としてあったのではないかと思うのだが、結果は大人しい描写?になった。(余談3)
 ちょっと、裏事情を知りたい作品である。P・ヒルトン氏の親御さんや親戚衆が反対したのだろうか?
 
(余談1)私が初めて観た蝋人形モノは、アニメ「妖怪人間ベム」のエピソードで、生きた人間をブロンズ彫刻にする倒錯彫刻師を退治する場面である。今さらながら、あの時代にあの内容をゴールデンタイムで放送するなんて、日本は大らかだったんだなと改めて思う。
 
(余談2)蝋人形にされた被害者は、暫くは生きている描写があったので、ホラーが苦手な人はちょっとトラウマになるかもしれない。他にもヒロインの指の先端がペンチでつめられたりと、派手なスプラッタ場面や特撮は無いが、けっこう心理的にショックを受ける場面がさりげなく登場する。
 
(余談3)イタリアの「最低監督」ジョー・ダマトー氏ならやる。
 

 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆☆ 優
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆ 佳作

 
【受賞】ゴールデンラズベリー賞最低助演女優賞(パリス・ヒルトン) ティーン・チョイスアワード絶叫シーン賞(パリス・ヒルトン
 
晴雨堂関連作品案内
肉の蝋人形 コレクターズ・エディション [DVD] アンドレ・ド・トス 1953年公開
肉の蝋人形 [DVD] セルジオ・スティヴァレッティ 1997年公開、ダリオ・アルジェント氏原案の蝋人形モノ
 

 
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パリス・ヒルトンもやれば出来るじゃん・・・
くらいに、普通の演技でしたね。
[ 2009/09/19 02:18 ] [ 編集 ]
こんにちは。

この映画の監督さんは、つくりが正攻法で、
スリルとサスペンスという
懐かしい言葉を思い出せてくれます。
新作『エスター』もオススメです。
[ 2009/09/19 17:47 ] [ 編集 ]
えい氏へ
 
 おっしゃる通り正攻法ですね。派手なスプラッタが無いのが逆にリアルで恐怖を呼び起こします。
 
 もし、パリス・ヒルトン氏が生きたまま蝋人形にされる場面を演じていたら、完璧にR指定ですな。

> こんにちは。
>
> この映画の監督さんは、つくりが正攻法で、
> スリルとサスペンスという
> 懐かしい言葉を思い出せてくれます。
> 新作『エスター』もオススメです。
[ 2009/09/20 00:02 ] [ 編集 ]
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