ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

五輪の有り様をめぐって竹山と竹田が対立? 近頃の現象[九百八十五] 

カンニング竹山
生放送で竹田恒泰氏にブチ切れ 
五輪発言で“対立”

 
 明治天皇の玄孫で日本オリンピック委員会会長の長男でもある竹田恒泰氏が28日、フジテレビ系の『ノンストップ』に生出演。五輪選手に「負けたのにヘラヘラと楽しかったはあり得ない」などと発言したことの真意を説明したが、同席したカンニング竹山ら出演者から強い反論を受け、ほとんど理解を得られなかった。(オリコン)
 
【雑感】私は両方とも正論だと思っている。と言えば読者の諸君は卑怯な言い回しだと思うかもしれない。

 しかし現実問題として、物事は方程式のごとく矛盾なく綺麗に二元論で割り切れるほど単純ではないし、多くの方も双方の言い分に共感と反感を同時に抱いたのではないか。

 竹山氏は「アマチュアの祭典だし、(メダルは)結果論だから仕方がない。真剣勝負はあのレベルならみんなやってる。真央ちゃんは1回目失敗したけど、2回目あれだけやった。我々はそれを見ていろんなものを学び、よかったなと思う。メダル以上の何かを感じる。真剣にやる姿を見て、何かをもらえばいい」と主張。

 単に勝つか負けるかのみの価値観で割り切ってしまうと、あの真央ちゃんのフリー演技で世界中に巻き起こった感動は一体なんだったのか?という事になる。
 李連杰氏(ジェット・リー)主演「フィスト・オブ・レジェンド」で勝つ事にこだわる主人公に恋人の伯父で著名な拳法家に扮する倉田保昭氏が「勝つ事だけが目的なら、銃を使えば済む事だろう」と諭す場面があるが、極論するとそういう事になってしまうのである。「平和の祭典」なんて建前を捨てて戦争をやったら、オリンピック憲章の否定であり、そもそもオリンピックの最初の出発点から否定する事になる。

 では竹田氏が主張する「メディアの映し方は負けてもOKになってるものもある。オリンピックは全員が勝ちに行くもの」は否定すべきかといえば、そうではない。勝とうとする意志や勝負に挑む気持ちを否定するのであれば、わざわざオリンピックという大掛かりなイベントを催す意味が無いし、選手たちも満身創痍になりながら練習に明け暮れる必要も無い。そもそもオリンピックのスポーツはハッキリ言って健康に悪い。寿命を縮める。
 視聴者の立場から言っても、オリンピックを適当に集って交歓しながら健康増進のための気楽なスポーツに興じる国際交流の場にしてしまったら、そんな光景を延々中継されても参加者本人たちは楽しいかもしれんが観る者は退屈でつまらない。

 物事というのは、多面的であり一つの価値観で括れるほど単純なものではない事を共通認識として念頭に置かないと、滑稽な話になるのである。
 竹山氏の視点はオリンピックの理念や目的を指し、竹田氏は参加する理由付けや手段を指しているものと分けて考えるべきだろう。


 ついでに述べておく。私はオリンピックについて「国別対抗試合」とか「国の威信をかけて」といった具合に表現する。それについて批判や否定的意見をいただくのだが、理念に目が眩んで実情を無視する事も、実情に目が眩んで理念を無視する行為も愚かな事なのである。

 現実にオリンピックは国別対抗試合として機能している。もし現状を否定するのであれば、敢えて極論を述べると今後表彰台に選手が所属する国家の主権章(国旗)の掲揚も、優勝者を讃えて優勝者が所属する国家の歌を吹奏する事も廃止というより禁止しなければならない。また国旗等を掲げての応援も厳禁だ。
 敢えて暴論を言えば、ナショナリズムを想起するような応援の仕方をする者や国家から援助を受けた選手は市中引き回しのうえ打ち首獄門、徹底的にナショナリズムを弾圧粛清してこの世から消し去る必要がある。

 ではナショナリズムを撲滅して正味の個人参加の世界運動大会にしてしまったらどうなるのか? 参加者は激減するし成績もがた落ちするだろうし、それこそ経済的に豊かな地域で暮らす選手だけが参加する小さなイベントになるだろう。オリンピックが建前であれ開催の動機としていた根本原則が崩れる。
 特に以下の項目は地域の経済格差により、かえって実現不可になる。

 ・人種、宗教、政治、性別、その他の理由に基づく国や個人に対する差別はいかなる形であれオリンピック・ムーブメントに属する事とは相容れない。

 ・スポーツを行うことは人権の一つである。すべての個人はいかなる種類の差別もなく、オリンピック精神によりスポーツを行う機会を与えられなければならず、それには、友情、連帯そしてフェアプレーの精神に基づく相互理解が求められる。

 ・オリンピック・ムーブメントは、オリンピズムの諸価値に依って生きようとする全ての個人や団体による、IOCの最高権威のもとで行われる、計画され組織された普遍的かつ恒久的な活動である。それは五大陸にまたがるものである。またそれは世界中の競技者を一堂に集めて開催される偉大なスポーツの祭典、オリンピック競技大会で頂点に達する。そのシンボルは、互いに交わる五輪である。

 ・オリンピズムの目標は、スポーツを人類の調和のとれた発達に役立てることにあり、その目的は、人間の尊厳保持に重きを置く、平和な社会を推進することにある。

 物事は多面的である。一つの価値観で括って他の価値観を否定する行為は唾棄すべき行いである。したがって、竹山氏も竹田氏も、双方とも正しく双方とも間違っている。竹山氏の主張を認めようと努めた発言をした竹田氏が若干マシか。
 

 
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[ 2014/02/28 18:15 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(0)
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