ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

ベビーシッター事件 宗男VS乙武ブログ激突 近頃の現象[九百九十九] 

鈴木宗男「乙武さんの人間性を疑います」 
ベビーシッター事件めぐりブログで激突


 埼玉県富士見市のマンション一室で男児の遺体が発見され、ベビーシッターの男が逮捕された問題をめぐり、元衆議院議員で新党大地代表の鈴木宗男氏と作家の乙武洋匡氏が、ブログで激突している。

 お互いベビーシッター制度は現代に必要不可欠であり、環境整備が必要ということで意見はあまり対立していないはずだが、「政治家による母親叩き」「無責任な評論家」などと罵り合い、議論がかみ合っていない。(J-CASTニュース)


【雑感】ネット上でよくある典型的な議論破綻だ。活字という表情の無い記号の羅列での議論なので、お互いに相手に対してマイナスイメージを抱けば、単語や行間の雰囲気を悪意で拡大解釈してしまう。もっとも、フェイス・トゥー・フェイスの議論であっても同様の噛み合わない議論は多々起こる。

 「泥棒にも三分の理」という言葉がある。私はこれを「泥棒でさえも三分の理がある」と解釈している。ならば、鈴木宗男氏も乙武洋匡氏も三分の理どころか各々の立場を反映した「正論」と捉えるべきで、いたずらに相手を否定する事は短兵急な暴論だ。

 記事にもあるように、双方ともベビーシッター問題をどうすべきかの方針に隔たりは無く、むしろ意見は一致していると見るべきだ。乙武氏自身、その事に気が付き、場所を変えての対談をしたいと希望を述べている。

 次に両者は生い立ちも社会的立場も異なる。乙武氏は社会的弱者や社会的少数者の立場を代弁するポジションなので、初対面のベビーシッターをネットで依頼して子供を託さざるを得ない最下流庶民を弁護する側に立たざるを得ない。
 宗男氏の場合は、日本の主流層である中流庶民の立場に立つ政治家なので、おそらく平均的であろう庶民が抱く疑問を投げかける。なぜどこの馬の骨ともわからん人物に大事な子供を託してしまうのか? 

 私は低所得労働者である。2歳児の息子を持つ父親である。だがベビーシッターの世話になった事は無い。息子にとって幸いなのは、父方母方の祖父母が健在で面倒をみてくれるからだ。
 私が息子くらいの歳の頃、長屋のような共同住宅で隣近所助け合いながら暮らしていた。風呂の無い我が家のために家風呂を貸してくれた近所の雑貨屋の御家族とは現在も親戚のような付き合いを続けている。たぶん宗男氏の世代であれば、そんな色合いがもっと濃厚だったはずだ。

 だから問題の母親の行動に疑問を呈してしまう。貧乏だからといってネットで料金の安い身元不確かなベビーシッターに大切な子供の命をあずける、という行動が信じられないのだ。実際、昔はもっと貧しかったけど子供を安易に見ず知らずの人に託すことはあり得なかった。
 宗男氏でなくても、母親個人に問題があるのではないかと疑う人は少なくない。まだ20歳そこそこならその親御さんが健在のはず、なぜ頼れないのか? 親類縁者や行政機関や福祉団体など当たるべきところ全て当たり万策尽きた上でのベビーシッターなのか? 思慮浅く稚拙で安易な結論の出し方でったのではないのか?

 そして乙武氏のような立場の人間は反射的に噛み付く。見ず知らずの人に安い料金でせ託さざるを得ない社会状況を考えろ、と。
 実際、昔と違って現代社会は孤立している。隣近所で助け合う光景は都市部を中心に見られなくなった。大家族制から核家族になり、さらにシングルで子供を育てるといった具合に「個人」が孤立していく。社会的行動力のある人は運動団体やネットワークなどを立ち上げて助け合い組織のようなものをつくるが、行動力が無い人や制約のある人は簡単なネットに頼るようになる。

 すれ違いの口喧嘩の原因は、双方の舌足らずと立場を逸脱した批判だ。宗男氏は疑問だけに留めて問題の母親への批判は我慢するべきだった。(母親への疑いを口にしただけでバッシングと早合点されるおそれはあるが)庶民の側に立つ事をアピールしてきた政治家が権力を持たない素人個人を批難しては弱い者苛めと誤解されるし、個人批判よりも建設的な政策提言をするべきだった。
 乙武氏は漠然と「母親がそうせざるを得ない社会状況を改善することでは」としかTwitterで述べていない。社会状況の詳細かつ具体的説明が無いので、宗男氏にしてみれば乙武氏の批判は「個人の至らなさを社会のせいにする無責任を擁護する無責任な評論家」に見えてしまう。自分の子供を面識の無い他人に預けるシチュエーションが想像できないし信じられないのだから。乙武氏は事情を知っているのなら丁寧に説明しなければならなかった。

 お互いがお互いの立場を把握する努力が足らないと、お互いの土俵から虚しい言葉の砲撃合戦になる。


 
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[ 2014/03/29 01:32 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(0)
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