「猫の恩返し」 家族と一緒に愉快になろう〔4〕
猫アニメの小品。
【英題】THE CAT RETURNS
【公開年】2002年 【制作国】日本国 【時間】75分 【監督】森田宏幸
【原作】柊あおい
【音楽】野見祐二
【脚本】吉田玲子
【言語】日本語
【出演】池脇千鶴(ハル) 袴田吉彦(バロン) 前田亜季(ユキ) 山田孝之(ルーン) 佐藤仁美(ひろみ) 佐戸井けん太(ナトリ第一秘書) 濱田マリ(ナトル第ニ秘書) 渡辺哲(ムタ) 斎藤洋介(トト) 岡江久美子(ハルの母) 丹波哲郎(猫王(みょうおう))
【成分】笑える 楽しい ファンタジー ロマンチック 不思議 勇敢 知的 かわいい かっこいい コミカル 猫 ジブリ アニメ
【特徴】猫の国を舞台に繰り広げられる冒険ファンタジー。「耳をすませば」の主人公月島雫が猫男爵の置物から空想してつくった物語をアニメ化した設定のようだ。
猫男爵バロンは颯爽としていて、かつて犬を擬人化した「名探偵ホームズ」を彷彿させるカッコ良さ。わがままな猫王役の丹波哲郎氏の怪演も聞ける。
【効能】猫の描写が可愛らしくて癒される。展開と結末は愉快にさせてくれる。
【副作用】物語の内容が薄っぺらく感じる。猫の擬人化に違和感。
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猫が好きなので観た。
観るまでは「耳をすませば」の続編だと思っていた。高校生になった月島雫が学校の近くにできた異空間に迷い込み猫の国で冒険をする話だと勝手に思い込んでいたのだが、高校生になった雫が描いた物語をアニメ化した設定らしい。一応続編で猫のバロンも登場するが、主人公は雫が生み出したキャラ女子高生ハルということになる。
絵柄やストーリーは、ジブリが得意?とする重厚な長編大作アニメと違って、75分枠の小品に相応しい淡い画調に軽いテンポの物語になっている。とはいえ街並みや部屋の描き込みは相変わらず緻密で生活臭のあるものとなっていて好感が持てる。猫の動きは二足歩行状態でも猫らしく作画されていて可愛らしい。(余談1)
ただ、登場する猫たちの中で唯一バロンは前作「耳をすませば」の地球屋に飾られている擬人化した猫の置物がキャラになっているので、顔は猫だが体型と所作は完全に人間である。ちょうど、犬を擬人化した「名探偵ホームズ」のホームズのような颯爽とした怪傑男爵である。もちろん、バロンの存在も特に違和感はなく、むしろ「耳をすませば」のキャラが再登場なので嬉しい。(余談2)
それにしても、相変わらず有名俳優を声優に起用する。プロダクションと何らかの貸借関係でもあるのだろうか? ジブリ側に強力な人事権があるなら、やはり声優を育てる意味でも主役に新人声優を充てるべきではないだろうか。ただ、猫王の声を担当した丹波哲郎氏は既に健康状態は芳しくなかったと思うが、気分が乗っていたのか声が滑らかだった。
(余談1)特に太った猫のムタ、猫王の従者で能天気なナトル、猫王を守る黒のSP猫たちの表情と動きが猫らしい。
(余談2)私も引退して田舎に帰ったら、オタク博物館を設立し、事務室を「猫の事務所」と名づけようか。
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆☆ 優
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆ 名作
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耳をすませば [DVD] 近藤喜文
劇場版 名探偵ホームズ [DVD] 宮崎駿
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猫の恩返し (徳間アニメ絵本) 柊あおい
The art of the cat returns―猫の恩返し (Ghibli the art series) スタジオジブリ



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コメント
この空気感、好きです。
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こういう空気感、大好きです。