「美味しんぼ」“風評”釈明で識者の見解集約
次号で特集記事掲載へ 小学館のビックコミックスピリッツ編集部は1日、公式ツイッターで、28日発売の『スピリッツ22・23号』に掲載された『美味しんぼ』(雁屋哲作・花咲アキラ画)で、風評被害を助長するような描写があったと指摘されたことを受け、同誌の次号誌面と公式HPに「識者の方々のご見解やご批判を含むご意見を集約した特集記事を掲載する予定」と発表した。(オリコン)【雑感】こないだ、当ブログで公開討論の場を設けるべきと主張したが、やはり編集部は賛同反対双方の意見を並べて特集記事とすることで一応の形を示すつもりか。
公開討論は体力と忍耐と采配能力がいるからな。
Twitter上で見られる反原発派の主張の中には
雁屋哲氏よりも踏み込んだ発言をする人が多い。鼻血や疲労感だけでなく近親者や友人知人に突然死が増えた事などをあげて政府が放射能汚染を隠蔽していると指摘し、これら発言に対して風評被害や地域差別をあげて反論する人々に対して政府の甘言に惑わされている被害者としながらも政府の隠蔽に加担して日本中に汚染を広げている加害者でもあると「断罪」する発言がチラホラある。
ただ、高濃度の放射線なら因果関係は明白になるが、ある程度の低線量になると放射能以外の要因も作用するので論証は難しい。
雁屋哲氏は福島第一原発の現場を訪問されているので、この時たまたま放射線の影響を受けやすい体調だったので鼻血が出た可能性も否定できず、作品で主張されているような影響であるかどうかは限らない。
反原発派の中の急進勢力は具体的なデータを提示し判りやすく危険度が増すごとに濃い赤へと着色した地図を紹介している。確かに福島県全域と東京都が真っ赤で、他の東日本地域はオレンジ、汚染を免れているのは北海道と西日本と沖縄だけになっている。これとて数値基準を何処にするかで状況は変わってくる。超厳格にすれば東日本全域は赤くなり、太平洋全域がオレンジになるし、超寛大にすれば福島第一原発周辺のみ赤くなるだけだろう。
どこを基準にするかは専門家の間で分かれているので、素人の我々としては間をとる以外に判断のしようがない。 また、チェルノブイリ事故直後で
雁屋哲氏は「
美味しんぼ」の山岡史郎の口を通じてヨーロッパの農産物は汚染されて危険だと警告し南半球のオーストラリアは安全と主張された経緯があるから、当然の事ながら今回の福一事故が起きれば「
美味しんぼ」は取り上げるだろうし、むしろチェルノブイリの頃の論調を考えれば今回はまだ緩い方だろう。本音では反原発の急進派が主張しているように国外脱出かもしれない。
因みに前にも言ったが、ビール党の私はドイツやチェコのビールを当時から好んで飲んできた。またイタリア産のパスタでパスタ料理をよく作ってきたし、オリーブオイルはイタリア産を常に使い続けた。チェルノブイリから20年以上が経過したが、今のところ特に被曝を疑うような症状は無い。
公開討論を行っても、両者が歩み寄る事はありえない。今のところ結論は出ない。
公開討論なんて意味が無いと思う人も大勢いるだろうが、両者の言い分を並列する意義はある。人間というのは本能的に不本意な情報や不都合な情報は視界に入れないからだ。対立する主張を並べない限りは反対意見を眺める事はしない。私は左派風の朝日と右派の産経双方の言い分や情報を眺めるよう努めているが、文筆とは無縁の一介の旋盤工には聊か気合がいる作業である。
だから「
美味しんぼ」は少なくとも字数や本数が公平になるよう両論を並べてほしいものだ。(字数などの分量を公平にしても、論述の完成度でやらせをする余地はある)
ところで、私の立場を一応言っておく。東日本の皆さんには申し訳ないが、事実として東日本産の食材は極力口にしないように努めている。チェルノブイリの時はドイツビールを飲んだのに何故?と思うだろうが、あの頃は独身だったからだ。
まだ2歳になったばかりの我が子を見ると、避けたい気持ちになってしまうのは親として自然な感情であり、批難されるべきものでは断じてない。子供が成人して何もかも解ったうえで食べるのであれば妨害はしない、それが誤った考え方だとはどうしても思えない。
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