松本人志「美味しんぼ」問題に持論
「作品はみんなで作るもんじゃない」 お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(50)が11日、フジテレビの報道番組「ワイドナショー」(日曜前10・00)に出演。漫画「美味しんぼ」に描かれた福島第1原発を訪れた主人公らが原因不明の鼻血を出す描写が物議を醸している件について持論を述べた。(スポニチアネックス)【雑感】松本人志らしい意見であり、私も大筋で同意見だ。
作品は作者が作り出すものである。「読者との共同作業」というものになってしまったら、作者の主体性は消滅する。「表現の自由」は堅持しなければならない。
ただ、
松本人志氏は抗議を「神への冒涜」と批難しているようだが、私は抗議活動までは否定しない。努力目標で作品に対しては作品で対抗と主張しているのだが、イルカを愛するあまりに嘘八百で和歌山太地町の名誉を著しく辱めた映画「ザ・入江」などは即対応するに作品を描いている暇は無く反論や抗議しかない。(余談1)
私がお顔色を変えてしまうのは、抗議だけでなく訴訟など法権力を利用して作品を殺しにかかった時だ。もはやこれは言論弾圧である。
例えば「明日、ママがいない」では、抗議している方々の論調を見ていると非常に危うさを感じてしまう。ただでさえ、介護老人ホームなどではしばしば介護士による老人の虐待がニュースにのぼる。通常、ニュースに上がるのが氷山の一角である事が多い、老人ホームで起こる事が児童福祉施設では皆無であるなど不自然極まりないし、実際に「明日、ママ」以上の虐待を受けたと主張する元施設利用者児童が発言していた。
抗議までは良い。次にやるのは法権力を利用しての作品弾圧ではなく、自分側の足元のチェックと改善だ。さらに最近の風潮は、己が虐待されたと感じたら虐待が成立してしまいかねないので、抗議する側が明日は我が身になってしまうこともあり得るのだ。
「美味しんぼ」を批難する勢力は是非とも福島県と協力して反論漫画を描いてほしい。いま一部の反原発派がTwitterなどで具体的データを掲示しながら「鼻血が止まらない」「まだ若い友人が突然死した」という発言を繰り返しているが、雁屋哲が唸ってしまうほどの名作でもってこれらを論破してもらいたい。行政と協力すれば作品を作るための銭と人は簡単に集まるはずだ。 それとついでに言わせてもらえば、一部の反原発派もそれを否定する派も、戦術的に非常に拙いことをやっている。
私の立ち位置からは、どちらに分があるかは判別できない。基本的に私は反原発なのだが、それでも反原発派が主張する論を全面的に信頼しているかと言えばそうではなく、経済というものをいい加減に見すぎている点を危うく感じている。一方の原発肯定派も今度は逆に放射能や原発コストというものを甘く見すぎている。
したがって私は「静観」の姿勢をとらざるを得ないのだが、その姿勢が気に入らん輩が双方にいる。気に入らんのではなく、己の論の説得力の無さを恥じて精進する意志を持つべきである。
中間派を丁寧に扱えない人間は、反原発派にすれば「政府の佞言に惑わされる人」を増やす事になるし、反原発に反対する派にすれば「デマに惑わされる人」を増やす事になる。即ち利敵行為である事を心得ろ!(余談1)残念なことに太地町がプロデュースして反論映画を作ったかどうかは判らない。評判にもなっていない。映画というのは個人規模で行うと資金や労力は大変なのだが、自治体が腰をあげれば存外簡単にできるものである。やる気があれば個人でもできる映画であれば、自治体が動けば簡単ではないか! そう思わねばならんのだ。太地町はまだ本気で怒っていない。
ブログランキングに参加しています。
- 関連記事
-
スポンサーサイト