福島で暮らす子供たちが直面している現実
アメリカ人監督が捉えた
福島のドキュメンタリー映画公開 原発事故以後、福島で暮らす子供たちが直面している現実に迫ったドキュメンタリー映画『A2-B-C』が公開初日を迎え、上映館のポレポレ東中野で、本作を撮った日本在住のアメリカ人監督、イアン・トーマス・アッシュがトークイベントを行なった。社会学とメディア論が専門で、本作の上映にも尽力した毛利嘉孝、清水知子両氏も交え“ほかのメディアでなく、この映画だから描けたこと”について、観客も参加しての白熱のトークが展開された。(シネマトゥデイ)【雑感】生々しい表現を避けたのか、タイトルは「
A2-B-C」と数式か呪文みたい。医療関係者および反原発派ならピンとくる表示だろう。甲状腺嚢胞や結節(しこり)の大きさを表す判定レベルである。近年、福島県下の児童でこの最もレベルの低いA2が増えているそうである。
やはり日本では映画よりも漫画の方が影響力がある。「美味しんぼ」に対し福島県側は抗議文を県のホームページに掲載したが、本作についてはまだ強烈な拒絶反応は無い。
上映する映画館
ポレポレ東中野といえば、どちらかと言えば新人若手監督による意欲的な藝術作品や社会派ドキュメントを優先して上映している。大阪での第七藝術劇場やシアターセブンに近いスタンスのミニシアターだ。観に来る客層も、ハッキリ言ってマニアックな映画ファンや市民運動系の人が圧倒的である。
駅売店やコンビニで簡単に目にできる「美味しんぼ」と違って、この手の映画は大都会のマニアックな映画館でしか上映されないと言い切っても良い。影響力の点においては、大相撲の横綱大関とワンパク相撲の華奢な細マッチ子供力士の差くらいある。
そういう意味では、反原発派からすれば雁屋哲氏の英断と勇気を讃えたいだろう。映画を不特定多数の人間に公開するとなれば基本映画館が必要だ。映画館以外であれば公民館や学校の講堂などの施設が必要だ。漫画も出版社が必要だが、雁屋哲氏ほどの人間であれば出版社の売り上げ等に貢献した大物であるゆえ上司のような立場で編集人や出版人を説得できる。説得して印刷ラインに乗せられたら後は広く拡散できる。
反響が大きいメディアだけに、逆に最初のハードルが高い。編集人たちは社運がかかるし雁屋氏本人も物書きとしての人生が変わるかもしれない。なにしろ世間を敵に回すかもしれないのだから。
あくまで表現者の側の立場で言えば、
反論や抗議する人たちは是非とも作品で勝負してもらいたい。国や県が味方についているではないか。手弁当レベルで制作した「A2-B-C」に比べれば、潤沢に人や金を集められる。どんなに控えめに見ても、アッシュ監督は大相撲の幕下付足レベル、風評被害助長だと批難する側は大相撲の三役レベルは有る。反論作品を作らんかい!
ブログランキングに参加しています。
- 関連記事
-
スポンサーサイト