「斬られ役」極めた福本清三、
映画で初のスポットライト
福本清三(71)は日本刀で刺されたり、切られたりしてきた。50年以上もずっと――。彼は映画やテレビ番組で侍から斬られる最もよく知られた「斬られ役」の1人だ。(ウォール・ストリート・ジャーナル)【雑感】時代劇ファンにとっては馴染みの顔である。
悪代官が「出あえ!出あえ!斬り捨てぇい!」と怒鳴ると、不特定多数の侍が刀を抜いて主人公を取り囲む。不特定多数の「エキストラ」のはずなのに、あの独特の面長は良く目立つ。時代劇を観ると不特定多数の
斬られ役たちの中から
福本清三氏を見つける事が子供のころからの楽しみだった。
そんな不特定多数の
斬られ役の中の一人というポジション、ところがレギュラー出演に「昇格」した時があった。中学生時代のお気に入り時代劇TV版「柳生一族の陰謀」である。
主人公柳生十兵衛に千葉真一氏、義妹茜に志保美悦子氏、十兵衛が支配する忍者集団裏柳生衆の首領フチカリ役に千葉真一氏の実弟矢吹二朗氏、そのフチカリの部下に
福本清三氏が扮しているではないか。しかも台詞こそ殆ど無いが完全にレギュラーだった。
福本清三氏もいよいよ川谷拓三氏のように主役級俳優へと「出世」するのかなと思いきや、予想に反して相変わらず
斬られ役を続けていた。運が無いのか、それとも本人が
斬られ役にこだわり意地になって続けているのか?
相変わらずの斬られ役なのだが、やはり微妙に立ち位置が変化してきた。悪代官や悪若年寄が「出あえ!出あえ!曲者じゃ!」と叫ぶと控えていた家臣たち十数名から数十名が雪崩のように現れるのだが、彼がよく目立つ先頭に立つようになってきた。
台詞も一言程度は発するようになり、正義の剣士に飛びかかって一発で斬られていたのが、何度か鍔迫り合いをやって斬られるようになった。
トム・クルーズ氏の「ラストサムライ」でハリウッドデビューしてからは、もはや大ベテランの「斬られ役」にただ斬られる役というのは制作者たちも気が引けたのか? 斬られ役以外の脇役を用意するようになった。
NHK金曜時代劇「はんなり菊太郎」では、相変わらずの斬られ役浪人スタイルで登場するものの、主人公と尺を割いての鍔迫り合いの末、「お前ほどの腕を、殺すには惜しい、生きろ」と言われ助けられている。
ついに劇場映画の主役、本人にその気があったらとっくの昔に主役をやっていたはず。ついに断り切れなくなったのか?
大阪ではキタの梅田ブルグ7、ミナミのなんばパークスシネマで上映するらしい。
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