ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「ガッチャマン」 青春回帰〔49〕 

「ガッチャマン」 
今風でエエんとちゃう。



 
【英題】GATCHAMAN
【公開年】2013年  【制作国】日本国  【時間】113分  
【監督】佐藤東弥
【原作】タツノコプロ
【音楽】ニマ・ファクララ
【脚本】渡辺雄介
【言語】日本語
【出演】松坂桃李(健)  綾野剛(ジョー)  剛力彩芽(ジュン)  濱田龍臣(甚平)  鈴木亮平(竜)  初音映莉子(ナオミ/ベルクカッツェ)  光石研(カークランド博士)  中村獅童(イリヤ)  岸谷五朗(南部博士)  新上博巳(ギルマン)  グレゴリー・ペーカー(アンダーソン長官)  菜葉菜(ISO職員)  吉田翔(少年時代の竜)  馬場典子(女性アナウンサー)  滝口順平(ドクロベエ)
  
【成分】ファンタジー 不思議 パニック 不気味 勇敢 特撮 実写化リメイク
     
【特徴】不朽の名作アニメ「科学忍者隊ガッチャマン」の実写映画化。70年代初頭を象徴する原色華やかな世界から「今風」にしたのか全体に薄暗いイメージに変えている。
 また、アニメ版では若干の対立はあるものの大鷲の健の統率力でテキパキ任務をこなしていたが、本作ではかなりウジウジ悩む場面が多い。

 なお、ベルク・カッツェに命令する総裁Xは登場しない。
 
【効能】自分の存在や将来の展望に悩んでいた思春期を思い出す。
 
【副作用】原作アニメの良さがことごとく潰されて激怒。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。
どうせ大幅改編するなら、
オールキャスト女性にすれば良いのに。


 本作を観て、漫画やアニメからの実写化で成功した作品に何があるのだろう?と記憶を反芻してみた。
 
 おお、あるやないか、「仮面ライダー」なんか石ノ森章太郎氏の漫画より藤岡弘氏主演の特撮怪奇ドラマだし、「仮面の忍者赤影」も横山光輝氏の漫画というイメージはなく爽やかな若き坂口祐三郎氏主演の特撮時代劇だ。「赤影」はアニメ版も制作されたが殆ど印象に残っていない。(余談1)

 実写化が原作漫画やアニメを凌駕するほど輝く例は過去に結構あったのだ。だが近年の実写化作品は原作ファンからの酷評ばかり目立つ。私自身、原作を超えたとは感じられず、映像が変に派手にはなったが物語の矮小化が鼻につく。私一人の感想ならば、単に私個人の好みの問題と片付けても良いのだが、どうもそうではなさそうだ。何故だろう?
 
 他レピュアー諸氏の中には、切迫した闘いの中でウダウダ悩んでいる姿がイラっとこられた方も少なくない。
 もっともアニメの初回シーズンでも、リーダーの大鷲のケンもサブリーダーのコンドルのジョーも、家族や出自の事で悩んだり葛藤はあった。平素は明るい白鳥のジュンやつばくろの甚平は孤児院出身、ケンの実父レッドインパルス隊長を失い冷静さ欠いたケンがジョーに悪態をついたときジュンは気丈にもケンを叱咤するのだが、その姿に何か秘めた悲しみがあるように子供心に思った。両親が健在で最も平凡で飄々としたミミズクの竜でさえも任務で悩み職場放棄したことがあった。
 
 ケンのリーダーシップの下、テキパキとしたチームワークで任務を遂行するように見えるアニメ版科学忍者隊ではあったが、このようにけっこう悲しみと葛藤が多い。
 しかし、本作のように闘いの最中にウジウジと悩まれると、アニメのもつ爽快感は完全に殺される。アニメ版は60年代から70年代にかけて明るいサイケな原色イメージだったが、本作は全体に薄ら暗い。アニメ放映された当時と40年経過した現代とは時代が違うので、それもアリなのだろうが。
 
 原作から映画化するとき、興行の都合上どうしても90分から120分の尺の中にまとめなければならないので取捨選択がある。どんなに巧く作っても原作ファンからの酷評は避けられない。近年、稀にみる成功作である「三丁目の夕日」でさえも酷評はあった。(余談2)
 しかし、心に残らない印象の薄さは何なのか? 前述したように、悩みすぎる主人公たちのおかげで物語に歯切れが悪いためなのか? 似たような筋肉質痩身体型の若者を揃えたために個性やアクが無くなったのか? 
 
 理由はそれだけではない。たぶん、本作を観て感動した人が原版アニメを観たらどう思うか? たぶん稚拙な動きや奇妙なメカデザインを奇異に思うと同時に、これでもかと繰り出される敵の地球侵略のための意味不明メカ群に、豊かな想像力とバイタリティに時代の暑苦しさを感じるのではないか? 本作は悪い意味で冷めている。個人的にはいずれ忘れてしまう作品になるだろう。
 人によっては、制作陣の熱意の欠如や、量産消費されるリメイク映画の一つに過ぎないなどと理由づけされると思う。少なくとも「日本テレビ放送網開局60周年」「日活100周年」「タツノコプロ50周年」の記念作品として制作されたにしては、あまりにも感動できない人が圧倒的ではないか。
 
 最後に、私の趣味を申せば、登場人物を全員女性にし、大鷲は由美かおる氏に、コンドルは釈由美子氏、白鳥は仲間由紀恵氏、つばくろは人気子役の小林星蘭氏、ミミズクは森三中の大島美幸氏、南部博士は和央ようか氏、ベルクカッツェは高樹澪氏にやってもらう。作品全体を宝塚っぽく仕上げるのだ。どうせ酷評は避けられないのなら、思いっきり遊んだ方が潔い。  

(余談1)「仮面ライダー」の場合はTV放映よりも漫画発表が先で石ノ森章太郎氏の漫画が一応原作とされているが、厳密にいうと原作漫画が売れて実写化されたのではなく、TV特撮ドラマの企画として立ち上がり、キャラデザインや物語設定等で石ノ森氏も中心的に関わっていたため、彼の漫画版が原作扱いとなっている。「宇宙戦艦ヤマト」と似たような構図だ。
 石ノ森氏の漫画作品は数多く実写化されているが、特撮モノに関しては実写化はいずれも成功といえるのではないか。
 
(余談2)「三丁目の夕日」実写化の場合は、日本が戦後復興していく昭和30年代への強い憧憬が制作者側も鑑賞者側にもあった。

晴雨堂スタンダード評価
☆☆ 可

晴雨堂マニアック評価
☆ 駄作



 
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[ 2014/06/27 00:24 ] 映画・・青春回帰 | TB(0) | CM(0)
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