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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「ミッドウェイ」 ストレス解消活劇〔22〕

ミッドウェイ」 
ヘストン大佐、縦横無尽の大活躍。

 

 
【原題】MIDWAY
【公開年】1976年  【制作国】亜米利加  【時間】131分  
【監督】ジャック・スマイト
【音楽】ジョン・ウィリアムズ
【脚本】ドナルド・S・サンフォード
【言語】イングランド語 日本語(日本劇場公開時では日本人の台詞は日本語英語字幕だった)
【出演】チャールトン・ヘストン(マット・ガース大佐)  ヘンリー・フォンダ(チェスター・ニミッツ大将)  三船敏郎(山本五十六大将)  ジェームズ・コバーン(-)  クリフ・ロバートソン(-)  ハル・ホルブルック(-)  グレン・フォード(レイモンド・スプルアンス少将)  ロバート・ワグナー(-)  ロバート・ウェッバー(-)  クリストファー・ジョージ(-)  ケヴィン・ドブソン(-)  エドワード・アルバート(-)  ダブニー・コールマン(-)  エリック・エストラーダ(-)  ジェームズ繁田(南雲忠一中将)  トム・セレック(-)  ノリユキ・パット・モリタ(-)  モンテ・マーカム(-)  クライド草津(-)
   
【成分】スペクタクル 不思議 勇敢 かっこいい 戦争映画 艦隊決戦 航空母艦 航空戦 1942年 太平洋戦争 第二次大戦
     
【特徴】アメリカ建国200年を記念したスペシャル映画。一見すると日米合作の「トラ・トラ・トラ!」を彷彿させる大作だが、趣旨はまったく異なる。「トラ・トラ・トラ!」は日米を公平に描写した完成度の高い作品だが米国での興行は振るわず、本作ではアメリカ建国200年の節目もあって米国中心視点で製作された。
 チャールトン・ヘストン氏が扮するガース大佐が伝統的なアメリカンヒーローとして大活躍する。冒頭では司令部付高級将校かと思いきや前線を指揮し、さらに息子の敵討ちとばかり自ら戦闘機パイロットとして大活躍。

 山本五十六役の三船敏郎氏も含め全員英語台詞で制作されていたらしいが、日本公開時では日本軍は日本語台詞で英語字幕だった。日本用に吹替・字幕なのか?
 
【効能】史上初の空母艦隊同士の大海戦の実写再現に大興奮。センサラウンドの大音響で臨場感たっぷり。
 
【副作用】日本軍の描写が不自然で不快感。センサラウンドで動悸が激しくなる。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。  
音は良かった。

 子どもの頃、映画館で観た。飛行機の爆音・砲撃の音・爆弾が炸裂する音、耳をつんざくというより脳と心臓に負担がかかる臨場感だった。(余談1)空母が攻撃を受けて大破する場面など、どうやって撮ったのか不思議だった。当時は、その豪華な舞台と音響効果だけで堪能した映画だったが、それでもゼロ戦のプラモをよく作っていた子どもとしては、あれ?と思う場面はチラホラあった。

 大人になってからこの作品を観れば、様々なところでお粗末さが目に付く。登場する空母は旧式の予備役艦を使用し、日本海軍の空母は飛行甲板に日の丸を塗装して見立てていた。これは後の「パールハーバー」に比べたら良心的で真面目だろう。飛行機の塗装が異なっていたり、日本軍だからということでカミカゼを登場(余談2)させたり、山本五十六に似ていない三船敏郎氏が山本長官に扮していたり、なにより日本軍将兵の所作がイマイチ日本兵らしくない。

 アメリカ独立200周年を記念して企画された映画のようで、「トラ・トラ・トラ!」に続く超大作になるはずだった。ミッドウェイ海戦は、太平洋戦争でアメリカが初めて日本軍に大勝利した記念すべきエピソードであり、戦争映画史上でも空母艦隊同士の決戦を描いた作品はこれしか私は思い浮かばない。
 出演者も豪華で、太平洋艦隊司令長官役のニミッツ大将にヘンリー・フォンダ氏、ハルゼー中将にロバート・ミッチャム氏、航空参謀ガース大佐役にチャルトン・ヘストン氏、山本長官役には三船敏郎氏といった具合に、芸能界のボス俳優ばかりで人件費だけでも銭がかかる映画である。
 しかし、これだけの舞台装置と俳優を抱えながら、いまいちパッとしないのは何故か? 結局はアメリカ単独の戦争映画だからである。同種テーマの「トラ・トラ・トラ!」は日米の監督と脚本と俳優たちがほぼイーブンで描いたのだが、今回のは完全にアメリカ映画であり、三船敏郎はゲストスター扱いだ。日本軍将兵も日系アメリカ人俳優が起用されている。

 なにより、こういった戦争映画の大作は群集劇をしっかりやらなければならないのに、完全にC・ヘストン氏のガース大佐を主人公にした場違いなアメリカンヒーローアクション映画になってしまった。
 物語冒頭は航空畑の高級参謀としてガース大佐は登場した。ところが、後半は日本軍との戦いで負傷したパイロットの息子ガース少尉の仇を討つために自ら艦上爆撃機に出撃して難易度の高い急降下爆撃を行って日本空母に襲い掛かる。これは高校野球で老監督が甲子園のマウンドに立って剛速球を投げるくらい有り得ない話である。調べてみればガース大佐は架空の人物だそうだ。
 公開直前は超大作・名作と位置付けられながら、平凡な駄作として忘れ去られる典型的な作品である。C・ヘストン氏は歴史に残る名作に多数主演して良い演技をしているのだが、馬鹿馬鹿しい映画にも多数出演している。

(余談1)センサラウンドというのか?特殊な音響装置を用いていたようだ。低周波の重低音を発生する。

(余談2)カミカゼは昭和19年秋から始めている。ミッドウェイ海戦時の日本海軍はまだ強大で世界最強最大の空母艦隊を有していたし、パイロットの練度も世界トップクラスである。作中でも、C=ヘストン氏扮するガース大佐がパイロットをやっている息子に叱咤する場面で窺われる。
 戦力差はアメリカが1だとすれば日本は4である。だから、カミカゼをしなければならないほど、この頃の日本は追い詰められていない。友永大尉の自爆攻撃は有名だが、何故か片道燃料しか詰めない飛行機に搭乗、これは本人の意思であって、組織的なカミカゼとは異なる。



晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆ 良

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☆☆ 凡作


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