「タイタンの逆襲」
ブレイク前のジュリアーノ・ジェンマ。【原題】ARRIVANO I TITANI
【英題】SONS OF THUNDER
【公開年】1962年
【制作国】伊太利 仏蘭西
【時間】104分
【監督】ドゥッチオ・テッサリ 【原作】 【音楽】カルロ・ルスティケリ
【脚本】エンニオ・デ・コンチーニ
ドゥッチオ・テッサリ 【言語】 【出演】ペドロ・アルメンダリス(暴君カドマス)
ジャクリーヌ・ササール(アンタイオーペ姫) アントネラ・ルアルディ(ハーマイオーニ妃)
ジュリアーノ・ジェンマ(クリオス) ジェラール・セティ(Hippolytos) Serge Nubret(ラトル) タニヤ・ロペール(Licina) イングリッド・シェラー(Emerate)
【成分】ファンタジー かっこいい かわいい コミカル 笑える ギリシア神話
【特徴】サム・ワーシントン主演のアメリカ映画と同じ邦題になってしまっているが、これはその約半世紀前にイタリアで制作された
ジュリアーノ・ジェンマ主演のコメディタッチ作品である。当然、物語の内容は全く異なる。
ジェンマがマカロニウエスタンでブレイクする直前の映画で、30年ほど前までは頻繁にTVの再放送枠や番組改編時の穴埋めに放送されていたが、現在は忘れさられたような感がある。
ブレイク前のジェンマなので非常に若くてツルツル顔だ。
全くシリアス度の無いお笑いドタバタファンタジーなので、幼児や小学校低学年の鑑賞にも耐えうる。
【効能】ストレス解消、鬱屈した気分を快活へ転換させるに適している。
【副作用】殆ど内容が無く時間の喪失感を抱く。暴力を肯定しているように見える。
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。
ギリシア神話をベースにしたドタバタ喜劇。 多くの映画ファンは、「夕陽の用心棒」「荒野の1ドル銀貨」などのマカロニウエスタンを連想するだろう。また、80年代に中高生だった人達は原付スクーター「ジェンマ」のCМに出ていたことを覚えているかもしれない。
しかし私はウエスタンのガンマン役に出る前の「
タイタンの逆襲」の印象が強い。何故ならジェンマ主演映画で最初に観たと記憶しているのが本作で、話の内容も当時保育園児だった私には拳銃で殺し合うウエスタンよりも本作のバカバカしさの方が受け入れやすかった。
明らかに子供向けの解りやすい作品だった。小学校に進む前に観たので記憶がかなり薄れているか変質していると思うが、舞台は古代ギリシアだ。
世俗の王が神を恐れぬ所業を繰り返し圧政を強いている時、これを憂う神(たぶんゼウス)が解決のために使者を人間界へおくる。その使者は何らかの事情で劣悪な環境の洞穴で鎖につながれているタイタン族の兄弟の末っ子が選ばれる。これが実に判りやすい。タイタン族は原始人のごとく半裸でボサボサに伸びた長い髪と髭面の風呂に何週間も入ってなさそうなむさ苦しい風体なのだが、末っ子だけ何故か金髪で髭も胸毛も無いツルツルの清潔感あふれる青年がいた。彼が足枷腕枷を外され人間界へ派遣される。幼児でも判りやすい展開。(余談1)
この後の展開はどうも記憶がハッキリしない。ガキ大将みたいな粗暴で大柄な黒人と知り合い、最初は対立する。どういう経緯なのかは忘れたが敵役の王に取り入って逃げる黒人を追いかける側にまわったり。王の娘と恋仲になったり。透明人間になる兜を使って暗躍したり。(余談2)
あとは記憶がとんでラストの場面。何らかの経緯で主人公は胸に深手を負い、王の軍隊に血祭りにあげられそうになった時、軽快なクラッシック音楽(よく聞く曲なのだが題名忘れた)に合わせて、主人公の兄弟たちがテレポテーションで出現、この場面がとてもユーモラス、決めポーズで出現する者や後ろ向きで出現して慌てる者など。
久しぶりに再会する主人公と兄弟たち、胸の傷は兄たちが持ってきた「命の水」をかけると綺麗サッパリ治る。王の軍隊は簡単にやっつけられる。(殺してなかったと思う)
街に繰り出すと、囚われの黒人が処刑されようとしていた。主人公たちが助けると、黒人も一緒になって王の軍隊を千切っては投げ、街の女の子をナンパしながらぶん殴り、飯食いながら酒飲みながら打ち倒す余裕の戦い方が幼児だった私には痛快。
全体に明るいムードで大団円になったと思う。たぶん、小学生や中学生の頃に観てたら、あまり印象に残らなかったか、あるいは顔をしかめる駄作に見えただろう。
今となっては、まだ二十歳代前半の、渋さの無い少年のようなジェンマの貴重映像である。
(余談1)後に「夕陽の用心棒」なども観る事になるのだが、「タイタン・・」の主人公とガンマンのジェンマが同一人物だと認識するのは高校生の頃に芳賀書店が出していたシネアルバム「
ジュリアーノ・ジェンマ」を古本屋で立ち読みした時だった。
ジェンマは黒髪で面長の優男、ウエスタンだからくだけた背広姿。ところが「タイタン・・」では金髪で筋肉隆々。面長の優男からあの体型は想像できなかった。
ジェンマは少年時代から器械体操やボクシングをやっていてヘラクレスみたいな体格になっていたのをシネアルバムを読んで知った。
(余談2)黒人が王の追手をまくために足跡が残らない岩場を逃げていたら、主人公もそれを予想して王に進言するなど、主人公は知能犯のイメージを抱いた。
晴雨堂スタンダード評価
☆☆ 可
晴雨堂マニアック評価
☆☆ 凡作
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ギリシア神話をベースにしたドタバタ喜劇。 多くの映画ファンは、「夕陽の用心棒」「荒野の1ドル銀貨」などのマカロニウエスタンを連想するだろう。また、80年代に中高生だった人達は原付スクーター「ジェンマ」のCМに出ていたことを覚えているかもしれない。
しかし私はウエスタンのガンマン役に出る前の「
タイタンの逆襲」の印象が強い。何故ならジェンマ主演映画で最初に観たと記憶しているのが本作で、話の内容も当時保育園児だった私には拳銃で殺し合うウエスタンよりも本作のバカバカしさの方が受け入れやすかった。
明らかに子供向けの解りやすい作品だった。小学校に進む前に観たので記憶がかなり薄れているか変質していると思うが、舞台は古代ギリシアだ。
世俗の王が神を恐れぬ所業を繰り返し圧政を強いている時、これを憂う神(たぶんゼウス)が解決のために使者を人間界へおくる。その使者は何らかの事情で劣悪な環境の洞穴で鎖につながれているタイタン族の兄弟の末っ子が選ばれる。これが実に判りやすい。タイタン族は原始人のごとく半裸でボサボサに伸びた長い髪と髭面の風呂に何週間も入ってなさそうなむさ苦しい風体なのだが、末っ子だけ何故か金髪で髭も胸毛も無いツルツルの清潔感あふれる青年がいた。彼が足枷腕枷を外され人間界へ派遣される。幼児でも判りやすい展開。(余談1)
この後の展開はどうも記憶がハッキリしない。ガキ大将みたいな粗暴で大柄な黒人と知り合い、最初は対立する。どういう経緯なのかは忘れたが敵役の王に取り入って逃げる黒人を追いかける側にまわったり。王の娘と恋仲になったり。透明人間になる兜を使って暗躍したり。(余談2)
あとは記憶がとんでラストの場面。何らかの経緯で主人公は胸に深手を負い、王の軍隊に血祭りにあげられそうになった時、軽快なクラッシック音楽(よく聞く曲なのだが題名忘れた)に合わせて、主人公の兄弟たちがテレポテーションで出現、この場面がとてもユーモラス、決めポーズで出現する者や後ろ向きで出現して慌てる者など。
久しぶりに再会する主人公と兄弟たち、胸の傷は兄たちが持ってきた「命の水」をかけると綺麗サッパリ治る。王の軍隊は簡単にやっつけられる。(殺してなかったと思う)
街に繰り出すと、囚われの黒人が処刑されようとしていた。主人公たちが助けると、黒人も一緒になって王の軍隊を千切っては投げ、街の女の子をナンパしながらぶん殴り、飯食いながら酒飲みながら打ち倒す余裕の戦い方が幼児だった私には痛快。
全体に明るいムードで大団円になったと思う。たぶん、小学生や中学生の頃に観てたら、あまり印象に残らなかったか、あるいは顔をしかめる駄作に見えただろう。
今となっては、まだ二十歳代前半の、渋さの無い少年のようなジェンマの貴重映像である。
(余談1)後に「夕陽の用心棒」なども観る事になるのだが、「タイタン・・」の主人公とガンマンのジェンマが同一人物だと認識するのは高校生の頃に芳賀書店が出していたシネアルバム「
ジュリアーノ・ジェンマ」を古本屋で立ち読みした時だった。
ジェンマは黒髪で面長の優男、ウエスタンだからくだけた背広姿。ところが「タイタン・・」では金髪で筋肉隆々。面長の優男からあの体型は想像できなかった。
ジェンマは少年時代から器械体操やボクシングをやっていてヘラクレスみたいな体格になっていたのをシネアルバムを読んで知った。
(余談2)黒人が王の追手をまくために足跡が残らない岩場を逃げていたら、主人公もそれを予想して王に進言するなど、主人公は知能犯のイメージを抱いた。
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