ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

強姦罪に問われた青年が逆転無罪、近年では異例だ。この判決を巡って短兵急Tweetが多い。 近頃の現象[一〇五〇] 

強姦罪に問われた27歳男性に 
逆転無罪の判決


 千葉県内で女子中学生に乱暴したとして強姦(ごうかん)罪に問われた無職男性(27)の控訴審で、東京高裁(三好幹夫裁判長)は19日、懲役4年6月とした1審・千葉地裁判決を破棄し、「合意の上だった可能性が否定できない」として逆転無罪の判決を言い渡した。(読売新聞)

【雑感】近年には無い異例の判決だろう。

 痴漢冤罪問題を見るまでも無く、女性や子供側が被害を訴えると一方の当事者である大人や男性は弁解や釈明の機会すら与えられぬまま有罪へと流れる傾向がある。これはかつて社会的立場の弱い女性や子供側が一方的不利だった事への反省からなのだが、今はその反動で有無をいわさず「女は被害者・男は加害者」の固定観念が定着してしまっている。(余談1)
 今回の場合、「被害者」である女性は中学生、「加害者」は20代後半の無職男性、世間はか弱き女子中学生と腕力のある成人男性という図式で見るだろう。どう考えても男性側が圧倒的に不利であるし、だからこそ地裁では有罪だった。仮に控訴審で判決内容が変わるとしても、量刑が重くなるか軽くなるかはあっても無罪という極端な形にはなかなかならない。

 この場合、「加害男性側」の弁護士が「被害者女性側」の主張を完全に覆す材料を控訴審で提出したか、あるいは女性側の主張に何らかの致命的な綻びが生じたか、そうでなければ逆転無罪にはならない。そう見るのが妥当だ。


 問題はTwitter上で判決をめぐるTweetには短兵急なものが多いという事。代表的な内容を列挙してみよう。

「合意があったとしても、未成年とセックスしたら有罪じゃ」という趣旨のTweet。
 これは逆に未成年は性行為をしない、してはいけない、という意味にもとれ、未成年者を暗に人間扱いしていない状態だ。人間も生き物なので生殖年齢に達したら本来は性行為をする。社会的制約でやり難い状態に置かれているのが未成年である。
 極端な話、中学校を舞台にしたドラマ「金八先生」で杉田かおる氏扮する3年B組の生徒浅井雪乃は同級生宮沢保の子供を身ごもった訳だが、浅井は犯罪被害者になり宮沢は犯罪者になるのか? 未成年者は性行為をしないという固定観念も子供の人権を蔑ろにしてはいないか。

「日本は未成年を守らない」という趣旨のTweet。
 その一方で未成年が人を殺しても罪に問えないという少年法の弊害が社会問題化している。本来は未成年を守るための法律が犯罪被害者の人権を侵害してしまっている状況も考慮しなければいけない。未成年者を守るなと言うつもりは無い。要は守り方が歪なので見直すべきだ。

「裁判官は変態」という趣旨のTweet。
 これは13歳の女性と性行為をもった男性を変態と決めつけ、その男性に無罪判決を下した裁判官も変態と決めつけたTweetだが、報道をみる限りではまだ背景が判らない。(余談2)
 正味正確な状況を知るには、判決文・検察の主張・弁護士の主張などに目を通す必要があるが、プロのジャーナリストでもない限り一般人にこれをする時間と労力を割く暇(いとま)は無い。
 判決を支持するメディア(産経など)や否定的なメディア(朝日など)に目を通して概略を把握するぐらいなら一般人もできるので、最低限それをやってから論評するべきで、印象だけで批判をしては偏見を助長させ冤罪や差別の元となる。印象だけで人を批難するのは差別者の典型的な精神状態である。煎じ詰めれば、己の批難がブーメランとなって返って来るのだ。

 未成年の被害者の側に立って裁判官を批難しているつもりが、実は未成年者を人間扱いしておらず、根拠も薄弱なまま印象だけで他人様を変態扱いする名誉棄損を平気でネット上でやってしまう加害者に成り下がるのだ。
 不特定多数の人間の前で発言するという行為、これは断じて見くびってはならない! 

(余談1)女性側が一方的に不利だった時代を描写している映画に「ザ・レイプ [DVD] 東陽一監督」と、その反動現象を描写した映画には「それでもボクはやってない スタンダード・エディション [DVD] 周防正行監督」がある。両方観ることを勧める。

(余談2)因みに「変態」は迂闊に使うと言葉が独り歩きするので危険なのである。何故なら、個々の価値観や文化で「変態」の定義は違うからだ。イスラム圏の人に聞いたら大相撲のまわし姿も猥褻に見えると言った。

晴雨堂関連作品案内
ザ・レイプ [DVD] 東陽一監督
それでもボクはやってない スタンダード・エディション [DVD] 周防正行監督

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「ザ・レイプ」 社会問題を考えたい時に〔22〕


 
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[ 2014/09/21 12:02 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(0)
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