ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「おっぱいゾンビ」 おバカになって愉快になろう〔33〕 

おっぱいゾンビ」 
低予算Z級の醍醐味。




【原題】ZOMBIE WOMEN OF SATAN  
【公開年】2009年  【制作国】英吉利  【時間】84分  
【監督】スティーヴ・オブライエン ウォーレン・スピード
【制作】
【原作】
【音楽】ダン・ビウィック
【脚本】ウォーレン・スピード
【言語】イングランド語
【出演】ビクトリア・ホプキンス(スカイ)  ウォーレン・スピード(ピエロのパーヴォ)  クリスティン・スティール(タイコ・ザンダー)  シーモア・マース(ジョニー)  ピート・ボナー(ゼウス)  ケイト・ソルビー(ハーモニー・ステラ)  ジョー・ニコルソン(ダメージ)  ビル・フェローズ(ヘンリー・ザンダー博士)  ケエイシー・ポール(ザンダーの妻)  マルシア・ケイ(レッド・ザンダー)  ジリアン・セトラ(ブルー・ザンダー)  ビクトリア・ブーム(レイチェル スカイの妹)  ドナ・モレー・フォスター(実験台のゾンビ)  ミッシェル・ベイリー(ゾンビ1)      

【成分】コミカル パニック 不気味 笑える ゾンビ ホラー
     
【特徴】典型的な低予算Z級ゾンビ映画。
 人里離れた山奥に農夫スタイルのマッドサイエンティストが作り出すゾンビ集団とたまたま通りかかった?パンク風味の旅芸人集団との死闘を描く。

 素人の自主制作のノリで話が展開する。登場人物や物語世界に感情移入するより、制作風景や楽屋裏などに思いを馳せながら映画制作の楽しさを体感しよう。
 スティーヴ・オブライエン氏とともに共同監督として名を連ね脚本も兼任しているウォーレン・スピード氏が主役級のポジションとして旅芸人一座の変なピエロに扮している。もしかして本作の雰囲気は彼の趣味か?

 DVDパッケージの写真はなかなか格調高く?よくできている。

【効能】映画制作の楽しさを体感。
 
【副作用】山菜取りが怖くなる。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。 おっぱい、ていうけど・・。

 BC級というより典型的なZ級の低予算手抜き映画。

 映画の価値は予算規模ではない。潤沢な予算があれば優秀な人材と機材を集められるので面白くなって当然、しかしそれでも駄作はある。
 低予算でも才能ある監督・脚本と同志的出演の俳優たちによって「コリン」のように緊張感ある映像と完成度の高い文学的ストーリーが展開できる。「死霊のはらわた」のような新機軸のスプラッタ描写を切り開き、未来の巨匠や名優を輩出する作品もある。
 しかしながら、低予算ゆえに人材不足で稚拙な映像と展開の作品のほうが圧倒的という事は前提として覚悟しなければならない。エド・ウッド作品のように素人が手抜きで撮ったようなモノも多々あり、そういう作品に出会った場合は作中に感情移入できず、監督をはじめ制作スタッフたちや動員されたエキストラたちの心情に思いを馳せながら観る事になる。

 前置きが長くなってしまった。本作をどう評価していいのか困惑したのだ。
 
 内容を簡単に言えば、町と隔絶した山奥でゾンビ(余談1)を作り続けるマッドサイエンティストと旅芸人一座の戦いを描いた下ネタだらけのドタバタ劇だ。
 「おっぱいゾンビ」という邦題が付いているだけあって、半裸女性が大勢登場するが、失礼ながら身体の線が崩れ始めた淑女たちばかりが延々ゾンビ徘徊するだけの画像で、多少中年のスケベ心で借りたものの、観賞中は萌え心は消滅、テイクは1回で済まなかったらこのオバサンたち寒いだろうな、藪蚊とか大変だろうな、と些か気の毒に思った。

 たぶん、大多数の映画ファンにとっては否定的に「なんじゃこりゃ?」作品なのだろうが、けっこう良いところもある。
 まず設定。若い女性を下着姿にて拘束し如何わしい薬品を投与するマッドサイエンティストが科学者らしくなく農夫風のスタイル、単に人格障害を起こした妄想癖のオッサンというのが説得力ある。
 彼には息子と娘がいる。息子は真っ当な感覚が残っているがあくまで父親との比較の問題、父親の生き方に反発しているのだが怪しげなカルト教団みたいなグループをつくって父親の実験小屋に隣接している普通の家で女性たちを侍らせている。その中には主人公の妹が拉致されていた。
 娘は容姿端麗の美女だが、人格は父親並みの障害を起こしていて、父親の「研究」のために息子の女信者を拝借して献体している。
 息子と娘がいるから母親も存在するはず、と思ったら父親の山小屋の一室に拘禁されていた。何故だか理由は明らかでない。人格は完全に崩壊しているようだ。

 そこへパンクロックでもやってそうな主人公の女性率いる旅芸人一座がやってきて、彼ら彼女たちとの闘いが繰り広げる。
 この一座も個性的な面々、いかつい大男は見掛け倒しであっという間にゾンビにやられるところが面白い。ピエロ風の男はなんとなく上手く立ち回る。主人公は無事に妹を助けて脱出。

 マッドサイエンティスト一家は内紛を起こして半ば自滅。おっぱいゾンビになってほしかった容姿端麗の娘は露出度の少ない黒レザーのスーツ姿、けっきょくゾンビにならないまま銃で撃たれて退場、この観客のスケベ心を焦らせてガッカリさせる演出グッドだ。生き残ったのは人格崩壊を起こした母親だけで、森の中で咆哮する。
 ブラとショーツだけの半裸ゾンビたちは血塗れで林道を徘徊。この絵は稚拙ながら迫力があった。もし金剛山や生駒山をハイキングしているときに、こんな一団と実際に出くわしたら小便垂らして一目散に逃げ惑うだろう。

 ああ、観るのしんどかった。

(余談1)ゾンビ劇はいまや銭の無い映画人にとって救いのジャンルである。エキストラに細かい演技指導をする必要は無い。メイクも青塗りと血糊で済ませられる。衣装も出演者の自前でいい。いくらでも経費削減が可能で、それでもっていくらでも表現方法に工夫を凝らせられる。

晴雨堂スタンダード評価
☆ 不可

晴雨堂マニアック評価
☆☆ 凡作



 
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