ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

糞雑音に晒される御嶽山生還者。 近頃の現象[一〇六〇] 

命拾いも二重の苦しみ 
よみがえる記憶、周囲の目 
生還の女性・御嶽山噴火


 目の前で見た噴煙と、火山灰に覆われ真っ暗になった山小屋。御嶽山の頂上付近で噴火に遭遇した三重県四日市市の女性看護師(46)は、1カ月がたっても噴火の瞬間を毎日のように思い出す。幸い命拾いしたが、下山後に待っていたのは「そんな所に行くからだ」という予期せぬ言葉だった。(時事通信)

【雑感】「そんな所に行くからだ」などとよく言えたものだ。必ず誰かが悪意を善意と勘違いして糞雑音を浴びせてくる。残念ながら、無視するしか対処法はない。

 辛坊治郎氏も海難事故で同様の無知蒙昧糞雑音にさらされた。視覚障害のあるヨットマンの補助者として小型ヨットに乗り込み太平洋横断に挑戦、鯨との衝突で浸水したため救命ボートに避難し太平洋横断を断念した。
 堀江謙一氏らベテランの海洋冒険家たちは辛坊氏らの迅速な判断を高く評価した。自慢と読者から誤解されそうだが、私も同様の見解を事故直後に当ブロクで表明した。
 糞雑音には「救助費を負担せよ」などと、国際法のなんたるかも知らぬ無知蒙昧な暴言を恥ずかしげもなく撒き散らす輩もいる。

 これら批判者の批判を眺めていると、多くは経験の無い人や経験者への嫉妬心を抱いている人である。誰の言葉か忘れたが、「何か新しい事をやろうとする時、必ず何もしない人が邪魔をする。蹴散らして前を進め」がある。その通りだ。


 御嶽山の問題に話を戻すと、あの山は富士山と同様に私のような素人でも登れる山として有名である。しかも3000メートル級だ。素人でも3000メートル以上の高山を体験できるのが魅力で、私も富士山に登った時は平地の猛暑から解放され、頭に若干感じる不快感を深呼吸で乗り越えた後に拝める雲海と清涼な空気に達成感と神々しさを身体全体で体感する。
 御岳山はその富士山の次いで標高の高い火山である。だからこそ日本百名山に讃えられ、古くから山岳信仰の対象にされ、観光客が大勢訪れた。

 私が小学生だった頃、火山には三つの分類があった。完全に火山活動を止めて風雨の浸食が始まっている「死火山」、かつては火山活動があったが今は停止している「休火山」、鹿児島の桜島のように今でも噴煙を上げている「活火山」なのだが、現在はこの分類法はやっていない。
 この分類法は妥当ではないと学会が判断するきっかけをつくったのが1979年の御嶽山噴火である。それ以前は火山活動を完全に止めてしまった死火山と認識されていたので、江戸時代に噴火の記録がある休火山の富士山よりも安全な山と思われていた。

 79年の噴火以降、三つの分類法は適切ではないとの声があがった。特に死火山と休火山の違いは単に古文書に噴火の記録が有るか無いかの差だけで、人類が文字で記録するようになった期間は地質学上では極最近の話、もはや意味の無い分類法となった。
 さらに調査技術の発達で、2万年前に活動をほぼ停止していたと思われていた御嶽山は意外にも2万年前以降数回はマグマ噴火をしている事が判明した。

 だが、地質学的には頻繁な回数であっても、我々人間の一生にとってはたぶん遭遇する事は殆ど無い頻度である。「そんな所に行くからだ」と言う理屈がまかり通るのなら、北海道の昭和新山は平凡な麦畑が隆起してできた火山であるので、火山列島である日本の国土は全て危険ということになり、そんな糞雑音を撒き散らす輩は直ちに日本を離れ火山の無い国へ永住する責務が生じるのである。

 また、災害の確率でいえば、隕石の落下も天文学の感覚では決して低い確率ではなく、近年でもロシアで隕石落下が確認された。隕石の元は直径20メートル程度の小惑星である。これらが都市に落ちたら・・。
 NASAの発表では、地球に衝突する危険のある小惑星は4700あるそうで、現在の観測技術では衝突の危険のある小惑星は全体の15%程度の把握らしい。また小惑星や地球の周回軌道を回るゴミの観測を行う日本スペースガード協会では「地球の軌道をかすめる小惑星のうち、直径が1キロメートル以上あるものは9割以上が見つかっているが、一方で直径が150メートルを下回るものは9割以上見つかっていない」との見解だ。
 「そんな所に行くからだ」が如何に頓珍漢で無知蒙昧な悪意まるだしの言葉か理解できよう。

 御嶽山での災害は不可抗力だったのだ。

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私は辛坊治郎氏の冒険完遂を願う! 近頃の現象[九百二十六]


 
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[ 2014/10/27 08:37 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(2)
飛行機事故が起きると"飛行機なんかに乗るからだ"と言われ、海難事故に会えば"船なんかに乗るからだ"と言われます。
それでは家の外に一歩も出れなくなります。
生きていれば必ずリスクがあります。
[ 2014/10/27 13:03 ] [ 編集 ]
うろぱす氏へ

 岩谷テンホー氏の漫画「みこすり半劇場」に我が意を得たりと思う作品があります。臆病な金持ちがありとあらゆる危機管理対策をしますが不安が払拭できず、3コマ目で大平原に要塞のような一戸建てを建ててやっと安心しますが、最後のコマで巨大隕石が激突して一巻の終わりです。

 極端な話にするまでもなく、自動車事故では万単位の人間が毎年死亡しますし、安全と思われている電車でもしばしば死亡事故が発生します。

 私が怒りを覚えるのは、人の災難や失敗に便乗して善意の注意を装い暴言を浴びせる輩です。


> 飛行機事故が起きると"飛行機なんかに乗るからだ"と言われ、海難事故に会えば"船なんかに乗るからだ"と言われます。
> それでは家の外に一歩も出れなくなります。
> 生きていれば必ずリスクがあります。
[ 2014/10/27 15:35 ] [ 編集 ]
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