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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「沖田総司」 カップルで泣きたい時に〔12〕 

沖田総司」 美青年沖田総司の登場
 

 
【原題】
【公開年】1974年  【制作国】日本国  【時間】92分  
【制作】
【監督】出目昌伸
【原作】
【音楽】真鍋理一郎
【脚本】大野晴子
【言語】日本語       
【出演】草刈正雄沖田総司)  真野響子(-)  池波志乃(-)  高橋幸治(土方歳三)  米倉斉加年(近藤勇)  神山繁(-)
      
【成分】泣ける 悲しい スペクタクル 勇敢 切ない かっこいい 1860年代 京都 江戸 新選組 
  
【特徴】当時、草刈正雄氏の沖田総司はハマリ役と言われ、TVドラマにもされた。陽気な若者から死神剣士へ変わっていく様は痛々しい。
 沖田総司=薄幸美青年の構図を完全に定着させた作品でもある。

 真野響子が沖田総司を慕う京娘に扮している。
      
【効能】新選組歴女になる。
 
【副作用】史実にうるさい人には不快感。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。  
しばらく草刈総司の時代が続いた。
 
 監督は、最近では「バルトの楽園」で有名な出目昌伸氏。主演は映画デビューしたての若き草刈正雄氏である。
 モデル出身の草刈正雄氏が名実ともにスター俳優になった出世作であり、沖田総司=美青年の図式が完全に定着したシンボル的映画でもある。さらにこの2年後に和田慎二氏が少女漫画誌に沖田総司を主人公にした「あさぎ色の伝説」を連載させたこともあってか、漫画少女の新選組ファン・沖田総司ファンが急増したように思う。
 
 新選組ファンなら御存知のように、実際の沖田総司は美青年ではない。色は黒く両目の感覚が開いたヒラメ顔だそうだ。(余談1)草刈正雄氏といえば彫りが深くて鼻筋が通った欧米人的二枚目なので全く雰囲気が違うのだが、若くして最強の剣豪なのに結核で短い人生を終える薄幸の青年というイメージが、草刈正雄氏にうまくマッチしたかもしれない。当時、ハマリ役と謳われた。
 以前から沖田総司役には若手の二枚目俳優が担当する傾向(余談2)はあったが、この映画以降は若手新人の二枚目アイドル俳優の指定席みたいな状態になる。
 
 さて、作品としては時代考証云々は目をつぶったほうが良いだろう。草刈正雄氏の沖田総司ぶりを鑑賞するための映画である。冒頭は快活に笑いながら剣道着姿で走ってくる場面から始まる。ファンなら御存知のように、沖田は陽気で朗らかで子供たちと遊ぶのが好きな優しいお兄さんのような人柄であり、そして沖田の末路を考えると切なくなる場面でもある。(余談3)
 やがて新選組時代に入り沖田は結核を患うが仲間に知られないよう誤魔化し続け、新選組の任務に没頭する。任務とは粛清・暗殺のために剣を振るう事である。冒頭の朗らかで元気な総司から一転して、背中に死神を背負ったような血染めの剣士に変わる。
 薩長軍との戦いでは、高橋幸治氏扮する土方歳三(余談4)は沖田の病を気付かず笑いながら、風邪にも効くんだと石田散薬を渡し、沖田は水無しで飲もうとして咳き込み黒い粉薬を吐き出し苦笑いで胸の苦しさを誤魔化す場面は痛々しい。
 
 最後は有名な猫のエピソードである。(余談5)近藤は斬首されて晒し首になり子供たちに悪戯されている。土方はフランス式軍服を着て馬上で幕府軍の行軍を指揮している。そしてあばら家で独り床に伏せる重篤の沖田、最後の力を振り絞って猫を斬ろうとして逃げられてしまい己の衰えを思い知る場面だが、青白く痩せた生気の無い草刈正雄氏の端正な横顔が、史実はヒラメ顔の沖田総司を薄幸の色白美少年に仕立て上げた。
 
(余談1)NHK大河ドラマ「新選組!」で藤原竜也氏が扮していたが、彼は見事にヒラメ顔だ。二枚目とヒラメ顔を兼ね備えた俳優を起用するとは素晴らしい。
 
(余談2)若山富三郎氏や河原崎長一郎氏など、それなりに「美青年」ではあるが、薄幸の美少年というイメージではない。
 
(余談3)記憶違いかもしれないが、映画では試衛館の門人全員が稽古着の背中に変な髑髏マークを刺繍していた。たしか史実では近藤勇の妻つねが勇の稽古着に髑髏を縫ったのであって、試衛館のメンバー全員が着てたわけでは無いと思うが。
 
(余談4)高橋幸治氏の土方は妥当だろう。米倉斉加年氏が近藤役だ。イメージが合わない。
 
(余談5)猫のエピソードは小説家の創作であって、史実ではないようだ。
 
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆ 良
 
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆☆ 名作


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