「キング・ナレスワン
~アユタヤの勝利と栄光~」
大迫力のスペクタクル影像!【原題】ตำนานสมเด็จพระนเรศวรมหาราช
【英題】KING NARESUAN PART2
【公開年】2007年
【制作国】泰国
【時間】169分
【監督】チャートリーチャルーム・ユコン【制作】 【原作】 【音楽】リチャード・ハービー
【脚本】チャートリーチャルーム・ユコン 【言語】タイ語
【出演】ワンチャナ・サワッディー(ナレスワン王) ノパチャイ・チャイヤナーム(ブンティン) タックソーン・パックスックジャルーン(マネーチャン) ソーラポン・チャートリー(マハーテラー・カチョーン僧都) インティラー・ジャルンプラ(ラーキン王女) 矢野かずき(山田長政)
【成分】かっこいい スペクタクル セクシー ファンタジー ロマンチック 勇敢 時代劇 タイ 16世紀後半
【特徴】タイが制作した壮大な歴史巨編。主人公はムエタイの創設者として神格化されているナレスワン王。
5部作シリーズの内の2部目が本作で、ビルマの属国に甘んじている自分の国を分離独立を達成させるべく挙兵する。
ナスワレン王に侍る王女や王の乳兄弟と行動する姫がめっぽう強くて美しい。
【効能】銃撃戦やチャンバラを大スケールで描かれているのでストレス解消。ムエタイを学びたくなる。
【副作用】歴史に詳しい人は考証無視に不快感。観ていて暑苦しくなる。
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。
16世紀後半は
まだフリントロック銃は無いはずだが・・。 たぶん、多くの映画ファンは尺が長すぎる上に物語の展開が解り辛い印象を持つかもしれない。実際にネット上では「解り難い」を口にするレビュアーがいた。
しかしそれは映画の構成力が問題ではなく、観る側の姿勢に問題があるだろう。タイの歴史に疎い上に出演俳優に馴染みが無いため「似たような特徴の顔ばかり」と錯覚してしまうのが原因だ。
もし欧米人が日本の大河ドラマや時代劇を観れば同様のイメージを抱くのではと思えば興味深い。
一言でいうとタイ国の大河ドラマだ。東南アジアの歴史に疎い人は、日本の戦国時代を連想しながら鑑賞すると解りやすい。舞台となった時代も日本の戦国時代とほぼ同じだ。大河ドラマと思えば話の展開は予測がつく。
馴染みの無い出演者でも、髪型や衣服や鎧の形などに各々のキャラを表す特徴があるので、これらを識別記号代わりに見れば混乱することは無い。
本編は5部作ほど制作されている「大河ドラマ」の第二部目で、戦闘場面の描写に尺を割いたスペクタクルロマンとして知られている。
日本の戦国時代風に粗筋を言おう。主人公はアユタヤの若殿とその乳兄弟である若い重臣の2人だ。
東南アジアのビルマ王が崩御するとともに群雄割拠の時代に入った。各地で属国の反乱や分離独立を企てる諸侯が現れる。後を継いだ国王は聡明さに欠け、いたずらに武力で訴えるしか能が無い。その王太子に至っては小心で小狡く陰険な性格、とても王国を引っ張っていく器ではない。
主人公は古都アユタヤを本拠とする大名スコータイ家の若殿、以前は独立国だったが前ビルマとの戦に負けビルマ王に臣従する諸侯に成り下がり、幼少の王子時代にビルマ王国の下へ人質に差し出された体験を持つ。日本でいえば、徳川家康が少年時代に織田家や今川家へ人質に差し出されたのと同様だろう。
当初はビルマ王の命令に従って反乱の討伐を行っていたが、有能さがかえって器の小さい王太子たちに警戒心を抱かせ、暗殺等の陰謀を仕掛けてくる。
若殿の父君の後押しもあって悲願である分離独立の挙兵をする。挙兵にあたって、乳兄弟の重臣は若殿の許可を得、前にビルマに滅ぼされ地下牢に幽閉された諸侯を助けに一軍を率い、囚われの身の領主と恋人である姫君を助け出す。
アユタヤ軍の動きに、王国は大軍を差し向ける。軟弱で陰険な王太子は前線には出ず、大将は老獪な宰相。主人公は民百姓を安全な場所へ避難させるとともに、自ら前線に立って戦う。
若殿は砲弾が炸裂する中、スコータイ家の菩提寺に伝わる最終兵器の巨大なマスケット銃(余談1)を撃ち、兵たちが観ている前で敵将を見事に討ち取り、士気が萎えた敵は退却、若殿は兵たちの歓喜に包まれる。
レビュアーの中には、大将が銃で狙撃されたくらいで総退却なんてあっけなさすぎると思うだろうが、これは一応史実なので仕方が無い。
感動的な時代劇だった。戦闘場面も大迫力。邦画ではなかなかできないスケールの大きさだ。
また主人公たちに寄り添い戦う女性が美しい。重臣の恋人はももクロのしおりん系のスレンダー美女、弓の使い手で強い。若殿の恋人?はももクロのあーりん系の美女、槍の使い手で若殿を襲う刺客を長い黒髪振り乱し細腕を振り回して倒していく。美しい・・。(余談2)
観て損は無い。ボリュームたっぷりの時代劇である。
(余談1)時代は1570年代。織田信長が活躍していたころと同じで、まだ火縄銃の時代のはずなのにみんなフリントロックのマスケット銃を使っていた。マスケット銃が開発されるのは1620年代のはずだが。
またネイティブの日本語が唐突に流れたと思ったら、なんとアユタヤの日本人で有名な山田長政が日本の甲冑姿で登場する。しかし、マスケット銃と同じく、もっと後の人物のはずだが。
(余談2)昔のタイ美人はもっと骨太だったのに変わってきたのか? 美女の基準が日本化しているように思う。AKB系などのアイドル文化の影響か?
晴雨堂スタンダード評価
☆☆☆☆ 優
晴雨堂マニアック評価
☆☆☆ 佳作
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16世紀後半は
まだフリントロック銃は無いはずだが・・。 たぶん、多くの映画ファンは尺が長すぎる上に物語の展開が解り辛い印象を持つかもしれない。実際にネット上では「解り難い」を口にするレビュアーがいた。
しかしそれは映画の構成力が問題ではなく、観る側の姿勢に問題があるだろう。タイの歴史に疎い上に出演俳優に馴染みが無いため「似たような特徴の顔ばかり」と錯覚してしまうのが原因だ。
もし欧米人が日本の大河ドラマや時代劇を観れば同様のイメージを抱くのではと思えば興味深い。
一言でいうとタイ国の大河ドラマだ。東南アジアの歴史に疎い人は、日本の戦国時代を連想しながら鑑賞すると解りやすい。舞台となった時代も日本の戦国時代とほぼ同じだ。大河ドラマと思えば話の展開は予測がつく。
馴染みの無い出演者でも、髪型や衣服や鎧の形などに各々のキャラを表す特徴があるので、これらを識別記号代わりに見れば混乱することは無い。
本編は5部作ほど制作されている「大河ドラマ」の第二部目で、戦闘場面の描写に尺を割いたスペクタクルロマンとして知られている。
日本の戦国時代風に粗筋を言おう。主人公はアユタヤの若殿とその乳兄弟である若い重臣の2人だ。
東南アジアのビルマ王が崩御するとともに群雄割拠の時代に入った。各地で属国の反乱や分離独立を企てる諸侯が現れる。後を継いだ国王は聡明さに欠け、いたずらに武力で訴えるしか能が無い。その王太子に至っては小心で小狡く陰険な性格、とても王国を引っ張っていく器ではない。
主人公は古都アユタヤを本拠とする大名スコータイ家の若殿、以前は独立国だったが前ビルマとの戦に負けビルマ王に臣従する諸侯に成り下がり、幼少の王子時代にビルマ王国の下へ人質に差し出された体験を持つ。日本でいえば、徳川家康が少年時代に織田家や今川家へ人質に差し出されたのと同様だろう。
当初はビルマ王の命令に従って反乱の討伐を行っていたが、有能さがかえって器の小さい王太子たちに警戒心を抱かせ、暗殺等の陰謀を仕掛けてくる。
若殿の父君の後押しもあって悲願である分離独立の挙兵をする。挙兵にあたって、乳兄弟の重臣は若殿の許可を得、前にビルマに滅ぼされ地下牢に幽閉された諸侯を助けに一軍を率い、囚われの身の領主と恋人である姫君を助け出す。
アユタヤ軍の動きに、王国は大軍を差し向ける。軟弱で陰険な王太子は前線には出ず、大将は老獪な宰相。主人公は民百姓を安全な場所へ避難させるとともに、自ら前線に立って戦う。
若殿は砲弾が炸裂する中、スコータイ家の菩提寺に伝わる最終兵器の巨大なマスケット銃(余談1)を撃ち、兵たちが観ている前で敵将を見事に討ち取り、士気が萎えた敵は退却、若殿は兵たちの歓喜に包まれる。
レビュアーの中には、大将が銃で狙撃されたくらいで総退却なんてあっけなさすぎると思うだろうが、これは一応史実なので仕方が無い。
感動的な時代劇だった。戦闘場面も大迫力。邦画ではなかなかできないスケールの大きさだ。
また主人公たちに寄り添い戦う女性が美しい。重臣の恋人はももクロのしおりん系のスレンダー美女、弓の使い手で強い。若殿の恋人?はももクロのあーりん系の美女、槍の使い手で若殿を襲う刺客を長い黒髪振り乱し細腕を振り回して倒していく。美しい・・。(余談2)
観て損は無い。ボリュームたっぷりの時代劇である。
(余談1)時代は1570年代。織田信長が活躍していたころと同じで、まだ火縄銃の時代のはずなのにみんなフリントロックのマスケット銃を使っていた。マスケット銃が開発されるのは1620年代のはずだが。
またネイティブの日本語が唐突に流れたと思ったら、なんとアユタヤの日本人で有名な山田長政が日本の甲冑姿で登場する。しかし、マスケット銃と同じく、もっと後の人物のはずだが。
(余談2)昔のタイ美人はもっと骨太だったのに変わってきたのか? 美女の基準が日本化しているように思う。AKB系などのアイドル文化の影響か?
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