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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

「花燃ゆ」視聴率ワースト記録達成に思う。「大河」の「朝ドラ」化と「朝ドラ」の「大河」化。 近頃の現象[一〇八八]

花燃ゆ」第15話は9・8% 
ついに1桁台に…「平清盛」以来


 NHK大河ドラマ「花燃ゆ」(日曜後8・00)の第15話が12日に放送され、平均視聴率は9・8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが13日、分かった。第14話の11・2%を下回り、自己ワーストを更新。ついに初の1桁台に落ち込んだ。大河ドラマの視聴率1桁台は2012年「平清盛」以来。12日は「2015統一地方選開放速報」が午後8時から放送。「花燃ゆ」は午後7時15分スタートだった。(スポニチアネックス)

【雑感】NHKは電波法で収入源を守られている。民間ではスポンサーの顔色を窺い制約のある予算内で番組をつくるのに対し、NHKは景気不景気関係なしに電波法によって税金のように徴収される潤沢な受信料で採算を度外視した番組作りができるため、業界からは羨望と嫉妬の的だ。転ぶとここぞとばかりに叩いてくる。

 しかし、私はそんなNHKの存在は「あり」だと思っている。全国ネットの民間に全部任せてしまっては、ドラマの舞台は横並びで殆ど東京近辺になってしまう。それに対しNHKの看板ドラマである「朝の連続テレビ小説」では全国各地方を舞台にしてくれる。
 今年3月まで放送した「マッサン」ではモデルとなったニッカウヰスキー創業者竹鶴 政孝氏ゆかりの広島・大阪・小樽を舞台にした。今年4月から放送している「まれ」では能登地方が舞台で、出演者の中村敦夫氏は能登地方の人々も納得する能登言葉を発声している。果たして大手民間放送でこれほどマメに地方を舞台にした企画を立ててくれるだろうか?
 電波法自体は、ある種の押し売りを法権力が積極的に推し進める不公平な悪法と思ってはいるが、私のような地方出身者にとってNHKはありがたい存在なので許そう。

 さて、本年の大河ドラマ「花燃ゆ」、これは発表段階から視聴率低迷は予想されてきた。現状は多くの視聴者にとって、いや制作者にとっても「予定通り」ではあるまいか。
 幕末明治維新への関心が非常に強い私にとっては面白いのだが、多くの視聴者が望むのは戦国時代のヒーローのサクセスストーリーだ。これは今日に始まった事ではない。しかも今回の場合は主人公も完全に無名の人間である。「八重の桜」の主人公新島八重は現実に会津女性のカリスマで明治の教育界や医療界や宗教界に功績があったが、今回の主人公は完全に偉人の親族という以外に存在感が乏しい。
 革新系の知人などは「安倍晋三の故郷が長州だからゴリ押し企画やったんだろう」などと邪推している。

 私自身は「花燃ゆ」に不快感は無い。主役の井上真央氏も好きなタイプの女優だ。ただ、「八重の桜」でも思ったのだが、ドラマの雰囲気が「朝の連続テレビ小説(以下「朝ドラ」)」化している点だ。
 大河ドラマの「朝ドラ」化は以前にもあった。「春の波涛」や「いのち」があるが、視聴率低迷や著作権騒動などで翌年に元の戦国時代路線に戻している。(余談1)

 長らくNHKは絢爛豪華な時代絵巻は大河ドラマ、近現代から現代劇は朝ドラと棲み分けてきた。大河では主に武将のサクセスストーリー、朝ドラはヒロインを中心に描くホームドラマと内容も分けてきた。(余談2)
 これは大河は休日の家族団欒の夕食の後の一息ついた時間帯に観るドラマを想定していて主に親父層が対象だったから戦国武将が喜ばれた。一方の朝ドラは平日の朝、専業主婦が夫や子供を送り出した後の小休止に観ることを想定していて主婦層が対象ゆえ主人公も女性で内容はホームドラマだった。
 ところが今年9月から放送予定の朝ドラ「あさが来た」は女性企業家の先駆者広岡浅子をモデルにした物語で朝ドラ史上初の幕末から物語が始まる。もはや大河の「花燃ゆ」「八重の桜」「いのち」との区別が曖昧だ。
 視聴者の生活スタイルが多様化したための戦略であると理解しているが、この制作者の判断は果たして吉と出るだろうか?

(余談1)架空の女医を主人公にした「いのち」については好評だった。このドラマはキューバでも放送され視聴率80%と驚異的数字を叩きだしている。キューバはフィデル・カストロの肝入りで医療立国をめざしており、伝説の英雄チェ・ゲバラの本職が医者だったことが影響しているのか。

(余談2)大河では武将ばかりと思われがちだが、実は初期の頃から女性を主人公に据えたドラマも発表している。67年の「三姉妹」が最初で旗本の娘の視点で見た幕末明治維新がコンセプトになっていた。だから今年の「花燃ゆ」の趣向も決して初めてという訳ではない。
 79年「草燃える」で北条政子を主人公としてからは、1年おきまたは2年おきくらいの頻度で女性を主人公とするようになった。

 朝ドラも女性ばかりが主人公と思われがちだが、これも男性が主役の時期もあった。サイレント映画時代の監督を主人公にした「ロマンス」、東大出の漫才脚本家を主人公にした「心はいつもラムネ色」、福岡の男子高校生を主人公にした「走らんか!」などがある。


 
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コメント

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NHK大河はアイドル路線になってからほとんど見てません。
大河は比較的年配世代が見ると思いますがアイドルでは見る気が起きないでしょう。因みに私が一番好きな大河は【勝海舟】でした。

大河がアイドル路線をとっているのではありませんよ。

うろぱす氏へ

 大河ドラマは初期の頃から一貫して旬の若手俳優を起用、時代劇を扱うため歌舞伎などの伝統芸能の役者を重用、という二つの方針を続け現在もそれは変わっていません。「アイドル路線」というものに舵をきったわけではなく、うろぱす氏の主観からくる錯覚です。

 アイドル路線になったのは大河というよりもTVドラマ業界全体でしょう。「旬の若手俳優」に該当する者がアイドルあがりばかりになってしまう。
 初期の大河ドラマを支えた俳優たちは鬼籍に入られたり高齢化しているので、ますますアイドルあがりの若手俳優が目立つ事になります。
 しかしながら、主役を張った俳優の顔ぶれにアイドルあがりの俳優はごく僅かです。殆どの主演俳優は演技の訓練を専門に受けた者ばかりです。

 それから、時代劇が衰退して久しく、今の若手俳優は時代劇の殺陣に慣れていない人が多い。加えて体型の変化でいくら役作りをしても違和感が出ます。
 台詞まわしが現代語的という批判が巷でありますが、時代劇風の台詞とて実は江戸時代の言語という訳ではないので、歴史にこだわる私にとっては初期の大河とて笑い話です。

 いずれにせよ「アイドル路線」に見えてしまうのは大河の責任ではありません。私はまとまったクールで時代劇をやっているのは今や大河ドラマしかありませんので、時代劇ファンとして大河を見ます。

 私のお気に入り大河は、平将門を主人公とした「風と雲と虹と」と架空の會津藩士と薩摩藩士を主人公にした「獅子の時代」です。ふたつとも国家に反逆するストーリーですね。

 「勝海舟」も好きですよ。当時は「宇宙戦艦ヤマト」もありましたから、咸臨丸や戦艦大和の絵ばかり描いていました。うろぱす氏もそうでしょう。



> NHK大河はアイドル路線になってからほとんど見てません。
> 大河は比較的年配世代が見ると思いますがアイドルでは見る気が起きないでしょう。因みに私が一番好きな大河は【勝海舟】でした。

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