ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

大阪都構想の是非を決する住民投票まであと十日。 近頃の現象[一〇九七] 

大阪都の財政効果は 
賛成派2700億円×反対派1億円


 大阪市をなくして五つの特別区を設けるいわゆる「大阪都構想」の財政効果は、どれくらいか――。賛成派は「2700億円」の財源が生まれるとアピールし、反対派は「1億円」にすぎないと反論。17日の住民投票に向け、まったく異なる数字が飛び交っている。(朝日新聞デジタル)

【雑感】ようやく反対派も具体的に問題点を指摘して攻勢をとるようになってきた。最近まで「わからない」「具体性に欠ける」「唐突で議論が十分でない」を乱発しすぎて、これが橋下徹氏らにとっては格好の再反論材料にされてきた。
 YouTube動画では橋下氏支持者と思われる人物が、橋下氏が言葉の腕力で反対者を捻じ伏せているかのような光景を多数アップしている。賛成派たちにとっては溜飲下がる場面だろう。

 事実として、橋下氏が大阪都構想をぶち上げたのはまだ知事時代で、もはや数年単位に渡っている。議論が十分でないのなら、それは橋下氏だけでなく反対派にも責任がある。また「わからない」とか「具体性に欠ける」というのはかなり主観的な表現で、逆に具体性に欠ける反論でもある。
 だから反橋下派は都構想のことを荒唐無稽と甘く見ていたら、あれよあれよという間に住民投票まで漕ぎ着けてしまったので慌てて反論しているかのように見えてしまう。


 政令市を抱える道府県は以前よりオンブス活動をしている市民から二重行政問題を指摘していた。私が初めて聞いたのはまだ学生のころだから既に30年が経過している。橋下氏が「今までさんざん二重行政の問題を話し合ってきたじゃないですか!しかし何も決まらなかったじゃないですか!だから僕は大阪都構想を提案したのです」という発言自体は誤魔化しも嘘もない。
 特に大阪市の場合は東京と並んで自治体面積が狭く(東京都の離島を除く)人口密集地域である。東京と並んで二重行政になりやすい自治体であるのは昔から言われてきた。

 またある地方自治行政の専門家の談によれば、行政側も市民側も財政状況を正確に把握できるのは30万人程度が限界でそれ以上だと困難になる。私の知人はそれを論拠に堺市の政令市昇格に反対していた。だから橋下氏の都構想という大阪市分割案は決して世迷言という訳ではない。
 単に分割というと大阪市という巨大都市が消滅するのでマイナスイメージが先行しやすく反対者が多い。それならば東京都と同じく府と合併して特別区に再編して日本で2番目の都になれば市民や財界の支持を得やすい。橋下氏らの構想は決して荒唐無稽な愚策ではない。それどころか、私自身も半ば冗談で堺市政令市昇格に反対する知人に向かって、「堺市が美原町と合併して全国14番目の政令市になるより、北隣の大阪市と一緒に大阪府と合併して全国2番目の都になったらええやないか。特別区に分割されるからおまんの目的は達成されるし、左翼だけでなく保守や右翼も集うぞ」と言ったが、「ふざけるな!」と一蹴されてしまった。
 だから、私が冗談半分で言ったことが半ば実現しようなどとは感慨深い。

 で、橋下氏を擁護する言葉を並べたが、懸念は大いにある。私が指摘する最たる問題は財政ではない。民主主義の危機である。
 分割するなら、人口30万人程度を目標に10個前後の特別区が望ましいと思っている。でないと市民に細やかな行政という分割の意義が薄まる。維新側はコスト面を考慮して5つとしたようだが。
 50万60万の人口を擁する特別区が誕生するわけだが、これは高槻市や東大阪市などの中核市に相当する。中には政令市堺に迫る特別区もある。これだけ巨大な規模の特別区でありながら、議会の定数は20人弱だ。通常、中核市の定数は40人から50人。

 当ブログでは何度も議員定数削減に反対してきた。国会で定数削減と一票の格差是正をすれば、地方から議員を出せなくなることは声高に言ってきた。必然的に地方が切り捨てられるのである。似たようなことは大阪でも起こる。削減すれば小数者や社会的弱者の声が議会に届かなくなり切り捨てられるのだ。
 そしてゴリ押しで見た目だけ運用できてしまうと、過疎地方の議会の存在意義が問われるようになる。単純に人口60万で20人足らずの議会でやっているから、5千人程度の自治体なら2・3人で十分てなことも現実味を帯びてくる。これでは江戸幕府の評定による合議制と同じではないか。

 もちろん、人口の少ない自治体はいっそのこと議会を廃止して直接民主制にして、市長と主権者集会の合議というスイスの自治体でやってたような事をする手もあるので、それはそれで面白いのだが、自治体面積が広すぎるところでは集まるだけでも市民一人一人に負担がかかるため、下手をすれば主権を行使しづらい市民たちをしり目に首長の独裁が横行する可能性もある。


 
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[ 2015/05/07 11:32 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(0)
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