ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

カルト化する護憲。しかし政権の「詰問機関」を果たせる程度には回復してほしい。 近頃の現象[一一〇四] 

たそがれる護憲 
社民弱体化で失速【戦後70年】


 国会で護憲勢力の衰退が著しい。かつて護憲派の代表格として一時代を築いた旧社会党が分裂、その中核を継承した社民党が弱体化し、じり貧傾向から抜け出せないことが大きな要因だ。戦争放棄をうたう憲法9条の改正を目指す自民党を筆頭に、改憲志向の政党が国会で勢力を増す一方で、護憲派の出番は見えてこない。(時事通信)

【雑感】護憲派の衰退に喜ぶ者も多いとは思うが、私は滅んでほしくはない。どんな事象にもバランスというものがある。
 一つの勢力が突出して世界を牛耳るようなことがあると、過去の歴史が物語るように必ず内部腐敗をきたして滅ぶ。批判勢力が無いと自浄能力が衰えるからだ。それは旧ソ連や中国や北朝鮮を見れば明々白々である。
 だから護憲勢力は時の政権に詰問できるくらいの勢力には回復してほしいと思っている。今の状態では、詰問しても自民にとっては小五月蠅い蚊の羽音ていどにしかならない。

 時事通信の記事は殆ど触れていないが、護憲派衰亡の原因は護憲派が持つ性格にある。これは自民党に無い性格の特徴だ。逆に自民がしぶとく勢力を維持して政権を牛耳り続ける特色は今の護憲勢力には無い。

 当ブログでしばしば言及してきたのだが、自民党というのはある種の多様性社会でもある。元ヤクザを公言する浜田幸一氏がいるかと思えば、加藤紘一氏のように社会党の主張に近い左向きの者もいる。自民党は良くも悪くも「社会主義」だとか「資本主義」といった形式のイデオロギーに縛られていない。
 ところが社民党や共産党という団体は良くも悪くも「社会主義」と「護憲」に縛られている。したがって、個人的にはおかしいと思っても、党や勢力が信仰する主義主張や歴史観から外れたことは口が裂けても言えないのである。
(余談1)

 左翼や護憲勢力内で言える言論と表現の自由は、体制批判と天皇制批判ぐらいで、それ以外には様々な「ハラスメント」のレッテルを貼られて言えない。
 社会的少数者を尊ぶあまり、マジョリティを否定する。一部フェミニストが専業主婦を批難したり出産しない権利を主張し、最初に言ってたはずの多様性社会という初期設定を忘れるのが典型例だ。
 かつて左翼系のジャーナリスト本多勝一氏がオリンピック利権を批判する記事を書いたときに「長野県はオリンピックで気が狂ったのか」と見出しを付けたために障害者解放勢力から批難の集中砲火を受けた。(余談2)

 そういった少数者勢力を抱え込む護憲派は権力と戦う前に自勢力の友軍から攻撃を受けて体力を消耗してしまうリスクがある。私は思った。自民党の方が多様性社会で自由なのではないか、と。護憲派のほうが制約が多過ぎて身動き取れなくなっているのではないか。

 過ぎたるは及ばざるがごとし、という言葉がある。人権意識の向上は良い事なのだが、エスカレートするとお互いを批難し合い動きを止めてしまう。
 元禄時代の生類憐みの令も当初は現代の社会福祉や動物愛護に近い先進的な政策だったのが、エスカレートして「人間よりも犬が偉い」「蚊を叩いただけで流罪」といった常軌を逸する形になってしまった。これは現代でも発生している。

 自民党をはじめとする体制権力は中国台頭・北朝鮮の核と拉致事件・韓国の躍進、それら国々の短兵急とも思える反日運動を利用して、日本の「再軍備」と改憲寸前へ大きく前進した。
 一方護憲派は福島原発のメルトダウン事件に派遣切りをはじめとする格差社会など、躍進に利用できる要素はあるのに活かせていない。

 大昔から護憲派は大同団結が下手糞だと言われている。今一度、目的と戦術和を確認するべきではないのか。そしてマイノリティ諸勢力も、目先の不愉快に食いつく前に三手四手先の戦術を考えるべきではないのか。「マイノリティと敵対する勢力」は差別用語を逆手にとって「はだしのゲン」を公共図書館から排除する行動を展開しているのだ。この事を重く見るべきである。
 目先の怒りを決死の忍耐で握り潰し、憲法を守る運動に力を集中する時が来たのではないか。といった話は私が20代の頃から聞いているので、もう手遅れかもしれないが。だが目先の怒りに力を注ぐ時間の余裕は無い事は自覚しなければならない。

(余談1)村山富市総理が自衛隊を合憲とした時、多くの護憲派市民が「世紀の裏切り」だと雪崩をうって支持を止めていった。
 ある社民党系の集会で自衛隊の件を突っ込んだら、古参の党員から真顔で怒鳴られた。「何を理想論いってるんや。現実的にいって自衛隊を無くすのは無理や。よう考えろ」
 私は大笑いするのを必死になって抑えた。当時の私はまだ30になったばかりの若造だったから、二回りほど歳上の古参はあんな言い方になったのだろう。もし当時の私が思春期の少年であれば「その理想論を今まで唱えていたのは貴様らやろ!」と怒鳴り返していたかもしれないが、この時は可笑しくて仕方がなかった。意外にも彼ら彼女らは自分たちが今まで世間に向かって唱えていた事は本音では非常識と自覚していたからである。

 他にも北朝鮮が極めて悲惨な状態になっているらしい事、社会主義とは名ばかりで実は男尊女卑の封建的社会であることなど、けっこう世間と同じ「認識」を持っている人間は少なくなかった。しかしそれを公言すると、北を支持する在日コリアン勢力を敵に回すことになり、さらに社会的少数者勢力やそれを支援する市民勢力から発言を誤認されて差別者のレッテルを貼られる恐れがある。だから背面に敵を作りたくないゆえに黙っているのだ。

(余談2)障害者勢力の目には「長野県はオリンピックで精神障害者になったのか」に見えてしまうらしい。
 他にも「こども」を「子供」と書いてはいけないとか。女性に「美人」といってはいけないとか。北朝鮮の政策に疑問を表明しただけで差別者のレッテルを貼ってきたりする。


 
 blogram投票ボタン にほんブログ村 映画ブログへ
ブログランキングに参加しています。
関連記事
スポンサーサイト
[ 2015/05/13 23:31 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(2)
日本共産党は将来に向けて天皇制の廃止を示唆しています。
また、日米安保を破棄した上で軍隊を保有することも否定していません。その意味では改憲派のような感じもします。

社民党が国民の広範な支持を失った理由は幾つかあります。
自民党と連立を組んだ事、かなりの議員が民主党に合流し事実上分裂した事。しかし、今日の社民党凋落の最大の理由は旧社会党時代から長年に渡り北朝鮮労働党と友党関係にあった事でしょう。

北が拉致を認め両党の関係が凍結され13年経過した今日でも国民は社民党への信頼を回復していません。
[ 2015/05/14 18:04 ] [ 編集 ]
うろぱす氏へ

 本来の左翼は共産党に限らず改憲派です。現憲法の第一条は左翼にとっては我慢ならん条文なんですよ。何故だか解りますか?
 一条で国民に主権がある事を規定はしていますが、まず天皇は日本国民統合の象徴であると規定して、そのついでに主権は国民にあると説明しているのです。
 しかも天皇を百条以降ではなく最初の第一条で規定している訳ですから、積極的に天皇という存在を認めている憲法という事になります。本格の左翼は一条から八条までは廃止したくて歯ぎしりしているんですよ。

 しかし現状で憲法改正を唱えたら、国民の多くは天皇制を支持または無理に廃止しなくてもいいと考えていますので、逆に右翼の思惑が入った憲法になってしまう。そこで日本人は変化を嫌い現状維持を好む保守的な民族性なので、左翼にとっての「事態」を悪化させないために「護憲」を主張する。

 長い年月で左翼と護憲派は同じ勢力とみられていますが、本来は全く違います。また年月が下るにつれて護憲は「護九条」と同義語になってしまってい、法理論的には今上陛下を象徴として敬意をはらわねばならないのに、その思想上の矛盾に気が付かない。

> また、日米安保を破棄した上で軍隊を保有することも否定していません。その意味では改憲派のような感じもします。

 うろぱす氏は良いところに気が付きましたね。社民党や新社会党をベースにした護憲勢力は共産党に比べると牧歌的です。前述の矛盾に違和感すら感じない。念仏のごとく九条を守れと唱え、共産党には敵意に似た警戒心を抱いています。それは、うろぱす氏がお気づきになった点が作用しています。
 私の革新系の知人などは共産党を「裏自民党」と蔑んでいます。ネトウヨから見れば社民も共産も同じに見えるでしょうが、さすがはうろぱす氏をよくお気づきになりました。

 前にもうろぱす氏に話した事がありますが、共産党は硬直した官僚組織のようでいてけっこう目端が利く団体です。護憲派が称揚した文化大革命の中国とは距離を置き、金日成政権とも縁を切りました。逆に誼を深めていったのが社会党です。

> 今日の社民党凋落の最大の理由は旧社会党時代から長年に渡り北朝鮮労働党と友党関係にあった事でしょう。

 同時に、朝鮮総聯とも友軍関係です。

> 北が拉致を認め両党の関係が凍結され13年経過した今日でも国民は社民党への信頼を回復していません。

 今でも党員レベルでは友好関係を維持しています。私は本気で信頼を回復する気は無いのではないかと思います。
 ある種のカルトに似た心理状態になっている可能性があります。我々国民より一段上のステージに居るとでも思っている節がある。でなければもっと人民大衆に奉仕する活動をとるはずなんですがね。
 そういう意味では共産党はがっちり低所得者層への法的支援を行っています。


> 日本共産党は将来に向けて天皇制の廃止を示唆しています。
> また、日米安保を破棄した上で軍隊を保有することも否定していません。その意味では改憲派のような感じもします。
>
> 社民党が国民の広範な支持を失った理由は幾つかあります。
> 自民党と連立を組んだ事、かなりの議員が民主党に合流し事実上分裂した事。しかし、今日の社民党凋落の最大の理由は旧社会党時代から長年に渡り北朝鮮労働党と友党関係にあった事でしょう。
>
> 北が拉致を認め両党の関係が凍結され13年経過した今日でも国民は社民党への信頼を回復していません。
[ 2015/05/14 18:38 ] [ 編集 ]
コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する
映画処方箋一覧
晴雨堂が独断と偏見で処方した映画作品。
下段「日誌」項目は晴雨堂の日常雑感です。
メールフォーム
晴雨堂ミカエルに直接ご意見を仰せになりたい方は、このメールフォームを利用してください。晴雨堂のメールアドレスに送信されます。

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール
↓私の愛車と野営道具を入れたリュックです。

晴雨堂ミカエル

Author:晴雨堂ミカエル
 執筆者兼管理人の詳しいプロフィールは下記の「晴雨堂ミカエルのプロフ」をクリックしてください。

晴雨堂ミカエルのプロフ

FC2カウンター
2007年10月29日設置
当ブログ注目記事ランキング
当ブログで閲覧数の多い順ランキングです。
設置2013年6月13日
ブログランキング
下記のランキングにも参加しております。ご声援ありがとうございます。
  にほんブログ村 映画ブログへblogram投票ボタン
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
映画
187位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
レビュー
85位
アクセスランキングを見る>>
タグランキング
晴雨堂の関心度が反映されています。当ブログ開設当初は「黒澤明」が一位だったのに、今は・・。
訪問者閲覧記事
最近のアクセス者が閲覧した記事を表示しています。
月別アーカイブ
ブロとも申請フォーム
リンク