ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

追い込み漁のイルカ調達禁止。反捕鯨派の諸君、七輪を囲んで鯨の焼肉でも食べながら動物保護について語り合おうではないか。近頃の現象[一一一〇] 

「どこが残酷」にじむ不満 
追い込み漁のイルカ調達禁止で協会会長


 「いったい、追い込み漁のどの部分が残酷なのか」。日本動物園水族館協会JAZA)の荒井一利会長は20日夕、追い込み漁によるイルカ調達禁止を発表する一方、国際社会からの批判に疑問を呈し、「協会が追い込み漁や捕鯨文化を批判しているわけでは決してない」と強調した。(時事通信)

【雑感】私が世界動物園水族館協会WAZA)の諸君に言いたいのはただ一つ、「七輪を囲んで鯨や海豚の焼肉でも食べながら環境問題や動物保護について話し合おうではないか」である。

 JAZAは加盟施設の賛否を問う手順を踏んだ上で団体としてイルカ調達禁止受け入れを決定をしたが、反捕鯨派によって王手を差されたも同然の状態、WAZAの条件を呑む以外に選択肢は無かった。
 WAZAが突きつけたのは最後通牒である。会員資格を停止させられ、期日までにイルカ漁からの調達を止めるか、それとも除籍処分かを選べというのだから。

 私が保育園や小学校に通っていた頃と違い動物園が展示する動物の希少価値は桁違いに高騰している。ワシントン条約で入手が限りなく不可能に近くなったものもあると聞く。その場合、WAZA加盟の世界各国の動物園から交配繁殖のためレンタルする道が残されているのだが、WAZAから脱退する事はその道が閉ざされる事になる。
 今すぐ動物園から展示動物が居なくなる訳ではないが、徐々に寿命が尽きたり近親交配で遺伝的に弱い個体ばかりになり、四半世紀・半世紀の単位で動物園は先細り、規模の小さい施設から廃園に追い込まれる。動物園にとっては存続の死活問題である。

 同じく、水族館にとってもイルカの供給が断たれるのは死活問題である。小中学校の遠足や修学旅行で水族館見学に行ったが、東京海洋大学名誉博士のさかなクンのような魚好きであれば飽きないかもしれないが、やはりイルカショーなどのアトラクションの方が良い。多くの子供たちも同様の感覚、ゆえにイルカを保有する多くの水族館にとってはイルカショーはドル箱である。
 欧米の水族館も以前は漁で得たイルカを飼育していたが、頑迷な環境保護運動家の錯誤によって捕鯨やイルカ漁が悪であるかのような迷信が定着したため、施設内繁殖が主流となっている。実はこれでもまだ序の口で、環境保護運動勢力の一部の過激で頑迷な運動家たちは動物園や水族館の存在そのものも「動物虐待だ」と否定している。(余談1)
 日本の場合は幸か不幸か環境保護運動の勢力が小さかったためにこれまでイルカ漁からの補充に頼れた。頼る事ができただけに繁殖のための施設や技術も経験も乏しい。今すぐ着手するにしても、経済的に単館では殆ど無理だ。

 前述のように環境保護運動家の中には動物園や水族館の存在自体も「動物虐待」と見なす者はけっこう多い。また現実問題として、多くの種が絶滅危惧種という深刻な状況であり、学者の中には過去の地球で何度か発生した大量絶滅に匹敵もしくはそれ以上の絶滅期に入ってしまっていると指摘する者も少なくない。
 WAZAとしても希少種を保護し繁殖によって後世に残すという存在意義を強調する必要に迫られている。

 Wikipediaによると、WAZAに加盟しているJAZAの加盟施設は154、そのうち動物園は89施設、水族館は64である。その中でイルカショーを行っている施設は30余りあるそうだ。
 動物園の方が過半数を超えている。WAZAのネットワークが利用できなくなると希少動物の補充の点で困ってくる動物園の票が多い。今回の一件はWAZAから会員資格停止を受けた段階で勝負がついてしまった。


 しかし、WAZAの立場というものを私はよく理解しているつもりなのだが、納得はできない。仮に極端な例を言えば、イルカの頭数が全世界で数百頭ていどに減少して絶滅寸前であれば理解できるが、そうではなく「残酷」いう甚だ主観的理由が過ぎるので根拠薄弱、というより無根拠の暴論なのだ。
 それを言うなら、欧米人が当たり前にやっている牛や豚や鶏の飼育や屠殺も残酷極まりない。牧場などで監禁の挙句に一定の時期が過ぎたら虐殺して遺体損壊をしているのだ。特にインドのヒンズー教徒は牛を聖なる動物と規定しているので、屠殺場面を目撃したら激怒である。
 イルカの追い込み漁が駄目なら、釣りや漁業によって得た魚介類もアウト、水族館はこの世に存在してはならぬということになる。
 もっとも、「命の展示をしてはいけない」などと動物にまで際限なく「人権」を主張する一部の環境保護活動家たちにとっては、水族館も動物園も無くなってしまったほうが良いのだろうが。

 さしあたって存続をはかるには、欧米の水族館のように繁殖で個体数を維持するか、あるいはJAZAを脱退して独自の団体を作って従来のやり方を続ける以外に無い。
 問題なのは、泉州の岬公園や紀州のアドベンチャーワールドは動物園でイルカショーをやっている、これは選択に困るだろう。イルカショーはドル箱だが動物園でもある。 

(余談1)多くの環境保護運動家は、「イルカの寿命は50年、しかしアトラクションに使われるイルカは4年」と主張している。
 しかし、この情報は鵜呑みにできない。当ブログの読者ならご理解いただけると思うが、人間というのは事実というものを編集するのである。時にはステレオタイプに歪曲する。こないだの都構想が良い例で、推進派・反対派双方が勝手な理屈や事実関係の露骨な隠蔽をしている。
 大阪では過去にさんざん二重行政の弊害が指摘されマスコミや識者は一斉に府と市を批判していたはずなのに、都構想の段ではコロリと「問題になってない」と言い出す。

 たとえば、イルカと同じ哺乳類で人間の生活に入り込んでいる身近な動物に猫がいる。猫の平均寿命は野良猫で5年から7年程度、ところが家猫だと15年、中には20年も生きる。野生の猫と文明の恩恵に保護された猫との差は大きい。人間でもかつては「50年」といわれた。石器時代では30年から40年といわれている。つまり、文明による保護を受けると野生より2・3倍から5倍くらいまで生存期間が長くなるのだ。
 ではイルカはどうなのか? 施設側では7年程度、最長は50年前後といわれている。

 双方の主張を鵜呑みにはできないが、ただイルカの寿命は50年と言い切るのは疑問に思う。人間でも百歳以上生きる者がいるからと言って人間の寿命は全員120歳なんて言い切る事は乱暴である。それと同じだ。
 本来の寿命50年、イルカショーのイルカは4年、という言い分は、たぶんに水族館でイルカを飼育する事、さらにアトラクションで芸をさせることは虐待である事を強調したいがために事実関係を編集していると見た方が良い。


 
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[ 2015/05/21 05:11 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(0)
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