コラムニスト・勝谷誠彦氏が
鬱病を告白「同病の人たちに伝えたい」 歯に衣着せぬ物言いで雑誌、テレビ等で活躍するコラムニストの勝谷誠彦氏が、週刊SPA!6月2日号の自身の連載「ニュースバカ一代」にて鬱病であることを告白した。今回は特別にその回の全文を掲載する。今後、勝谷氏はこの病とどう向き合っていくのか? その動向に注目したい。(週刊SPA!)【雑感】攻撃的な言動が目立つ
勝谷誠彦氏が
鬱病とは意外な感じがするが、
鬱病とは誰もが罹患するものであって、特定の性格の人間のみに発症するものではない。生真面目な人や完璧主義の人などなりやすい性格はあるかもしれないが誤差の範囲だと思う。
未だにある誤解に「精神的に弱い」という偏見がある。そんなものは関係ない。そうやって
鬱罹患者を見下している輩が
鬱を発症したら、自殺寸前にまで虐待してやろうかと発作的に復讐心を燃やす事が今でもしばしばある。
勝谷氏は「
ごく普通の方々では『調子が悪いな』『気分が落ち込んでいるな』から始まるのではないか」「
突然、寝床から身体が起き上がらなくなった。じわっと立ち上がってなんとか飯を食おうとするがそれも出来ない」といった体験談を述べている。
もちろん、それも鬱の症例の一つだが、実は各々の性格や生活習慣などで症状の出方が微妙に違う。人によっては熟睡できず慢性的な疲労感と眠気に襲われる者もいれば、認知症の様に物忘れが酷くなったり猜疑心が強くなってしまう事もある。
私の場合は認知症のような症状に悩まされた。もともとテキパキと仕事をするようなタイプではないので、周囲も異変には気づきにくい。気づいてくれたのは、やや距離を置いた視点で客観視ができる友人や、たまにしか会わない友人であり、同じ部署の人間や毎日の様に会う運動の仲間は全く気づいてくれなかった。そのため、次第に職場や運動の現場でミスが酷くなっても、「こいつは昔からこんなんや」と錯覚してパワハラを強め症状が悪化してしまう悪循環だった。
自分なりに迷惑をかけてはいけないと状況をカミングアウトすれば、「嘘をつけ」とか「逃げるな」と前よりも一層の虐待を受けた。虐待を受けるとますます仕事ができない身体になっていく。
私自身の体験でいえば、鬱病本体よりも周囲の無理解が深刻である。本来は簡単に治る病かもしれないが、その無理解が重篤化を進め自殺へと追い込んだり社会復帰を阻んでいるのでは、と思ってしまう。 鬱というのは病気の出かたに個人差がある。自分が鬱になった事があるからといって理解している気になっていたら大きな間違いだと言っておく。それだけ多様性のある病気だ。
それから
巷では「心の風邪」と表現されることが多く世間に定着してしまったが、風邪で人は死なない。(余談1)しかし鬱病は自殺という形で死に至る。病気の様に見えないが、見くびっていると悪化させて命を縮める。また周囲も下手をすれば道義的に罹患者を殺してしまう殺人者になってしまう事もあり得る。自殺者の殆どが鬱に罹患していた説もあるほどだ。
共通して言えるのは、ストレスに対して極端に弱くなる点だ。通常の人間関係でも辛くなるので、ましてや職場の人間関係は地獄だ。 だから、無理をしないことが大事だ。私の場合は身体に負担がかかっていると思われる生活習慣をまず改めた。幸いにも連れ合いが身内に罹患者がいたおかげで扱い方を心得ていて、適切な助言をしてくれた。早寝早起きの実践、部屋の5S(整理・整頓・清潔・清掃・躾)、規則正しい食事、夜型から朝方生活への転換、これらに加えてストレスの元となっている要因を排除、職を変えて運動から足を洗い、そこで作った人脈を切り捨てる。リセットに近い手段だった。
これによって症状が出なくなって「快復」した訳だが、再発しやすい病なので一生の付き合いと思っている。今また部屋が汚くなっているので、5S3定活動を実施している。
(余談1)風邪も見くびると肺炎を併発して死に至る場合もあるから、広義では「心の風邪」が誤りという訳ではない。
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