ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

百田尚樹氏の劣化も深刻だが、自民党の劣化も末期系、サヨクの悪口は言えんで。 近頃の現象[一一三五] 

<百田氏発言>
安倍首相「事実なら大変遺憾だ」


 自民党の25日の勉強会で、安全保障関連法案に関して作家の百田尚樹氏らから「沖縄2紙をつぶせ」など報道機関に圧力をかけるような発言が出た問題で、安倍晋三首相は26日午前の衆院平和安全法制特別委員会の集中審議で「報道が事実なら大変遺憾だ。(勉強会は)党の正式会合ではない。有志の会合だ。発言がどのように報道されたかは確認する必要がある」と述べた。(毎日新聞)

【雑感】まず論理矛盾と立場矛盾がある。

 私のような文筆とは無縁の工場労働者と違って、そもそも百田尚樹氏は放送作家として「言論と表現の自由」を目一杯の恩恵を受けて現在の地位を築き、「言論と表現の自由」を盾に対立者からの批難をかわしてきた御仁だ。
 自由民主党も言論の自由が無いと評価されている中国や北朝鮮や旧ソ連をしばしば批難している。産経新聞の記者を拘束状態にした韓国政府にも憤慨して自由と民主主義などの価値観を共有する国ではないと批判した。

 それを、たとえ不愉快な存在だからといって「冗談」であっても、一応れっきとした報道機関(余談1)を潰すと口にするのは自由主義陣営と民主主義陣営を万国に向けて標榜する日本国家に対し背信する発言だ。それを心得ていない。
 百田氏たちは、中国や北朝鮮を批難するよりも、中国共産党や朝鮮労働党の権力者たちに熱い友情を感じるのではないか。心情を理解できるはずだから。本音では「なんでまどろっこしくて鬱陶しい自由主義・民主主義社会に生まれたんや」と身勝手な事を思っているかもしれない。これまでそういう日本に恩恵を受けておきながら・・。
 早い話が、己の分をわきまえていないのだ。

 この現象は、別に百田氏や木原稔氏らに限った事ではない。私が知るある左派系の雑誌社なんかも応対を見ていたら、「こいつら日ごろ官僚主義を批難しちゅうけんど、ほんとは東京都の幹部と仲良しになったほうがええんちゃうけ」と思った事は一度や二度ではない。
 私はそういったシチュエーションに出くわすたびに幻滅を感じたものだが、今は「人間」というものはそういうもんだと割り切る様になってきた。割り切りとともに三権分立やジャーナリズムというものの必要性を改めて実感した。お互いに牽制し合わなければ社会のバランスが崩れる。
 食物連鎖と同じで、人間社会も利害連鎖で成り立っている。異物を排除しすぎると、社会の自浄能力が衰えてくる。

 日本の55年体制は今にしてみれば素晴らしいシステムだった。元ヤクザから元サヨク学生までを抱え込んだ人材のプールたる巨大な保守連合政党自由民主党がガッチリ安定政権を維持して事実上の一党独裁政体だが、日本社会党をはじめとする万年野党が議席の半分を占めて政権の詰問機関の役割を果たしてきた。だから旧ソ連や中国の一党独裁政権よりも遥かに風通しの良い社会をつくり高度経済成長を支えた。
 一見すると一党独裁状態だったが、自民党内部には派閥というミニ政党があり、社会党に近いハト派の派閥から改憲・再軍備をはかるタカ派の派閥もあった。これらが輪番のように疑似政権交代をやっていたから、当時の自民党も風通しが良かった。

 ところが今の自民党は澱んで腐敗しやすい全体主義に陥りつつある。同様の時期に宏池会の若手議員が小林よしのり氏を講師に招いて開催予定だった勉強会は中止に追い込まれている。
 小林氏は自衛隊を国軍と規定し改憲を主張する保守派で、解釈改憲を優先し日米安保に固執する保守を親米ポチと批難している。もちろん現政権の安倍晋三首相を批判している。自由主義・民主主義の根幹を揺るがす発言をする百田氏の勉強会は許して、改憲と自衛隊国軍化を主張する小林氏の勉強会は中止させるのは道理に合わない。どう考えても百田氏よりは小林氏の意見のほうが保守として正論だからだ。

 安倍氏の視点から「異論」に見えるものは同じ自民の身内でも封じるのは、党内が澱んでいる証拠だ。自民党の良さが無くなってきている。
 左派市民が「徴兵制が復活するぞ」という声に、右派市民は「そんな馬鹿な事するか。デマを流すな」というやり取りをTwitter上でよく見かけるが、稚拙な異論封じを見てると馬鹿な事をやりかねないな。

(余談1)Twitter上では安倍政権を支持する右派ユーザーが「新聞も免許制にするべき」との声があがっているが、それが罷り通ってしまうと政治団体も免許制にすべきとの声も上がる。政治結社を名乗る右翼暴力団を取り締まりたい人たちはその挙に出てくるだろう。
 一つを規制するとあれもこれも規制の輪が広がって、その結果、市民生活が雁字搦めになり、気が付けば日頃右派市民が目の敵にしている中国や北朝鮮のような言論の自由が無い国と評価される事になる。


 
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[ 2015/06/28 12:31 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(0)
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