ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

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「ベッドウェイズ」 カップルで考えよう〔13〕 

ベッドウェイズ」 
セックスをテーマに制作された実験映画。




【原題】BEDWAYS  
【公開年】2010年  【制作国】独逸  【時間】78分  
【監督】ロルフ・ピーター・カール
【制作】
【原作】
【音楽】
【脚本】ロルフ・ピーター・カール
【言語】ドイツ語
【出演】ミリアム・マイエ(ニナ)  マティアス・ファウスト(ハンス)  ラナ・クーパー(マリー)  アルノ・フリッシュ(マックス)  ローラ・トンケ( )     

【成分】セクシー 切ない エロ

【特徴】セックスと愛をテーマに、ある種の実験を試みようとする若手の女性監督の野心を描いている。
 本番に挑むAV女優と男優に監督がインタビューしているかのようなテンポで物語が進んでいく。

 ラスト、監督に扮している主演女優の自慰が長回しの定点撮影で描写される。

【効能】恋人と一緒に鑑賞するとセックス観を振り返る事ができる。

【副作用】場末のポルノ映画もどきに見えて時間の浪費感を抱く。
 
下の【続きを読む】をクリックするとネタバレありの詳しいレビューが現れます。記事に直接アクセスした場合は、この行より下がネタばれになりますので注意してください。
意欲作だが名作佳作の類ではない。

 登場人物は30歳前後の若い男女が3人、1人は本作の主人公で女性監督ニナ、あとの2人は女優のマリーと男優のハンス。この3人が古いビルの一室に閉じこもって一週間ほど映画撮影を行う。
 3人以外の登場人物は、3人よりやや歳上のようなプロデューサーらしき男性が作中で監督を2回呼び出して「ヌードやセックスを撮ったら銭ださへんぞ」と釘を刺しに行くぐらい。他は強いてあげればいかがわしそうな施設の強面管理人が1人台詞なしで現れるぐらい。

 たぶん、制作予算は最低水準規模のBC級映画だ。人件費はあまりかかっていなさそうだし、撮影場所も殆ど銭はかかっていない。大手のアダルトビデオメーカーが制作する作品のほうがまだ銭をかけているかもしれない。(余談1)
 これで話の内容が充実していれば、宝くじ300万円くらいを当てたような喜びを感じるのだが、本作はせいぜい3千円だ。

 さて、物語は1人の監督の藝術的野心から始まる。同世代の恋人未満の友人男優をまず仲間にする。会話から男優とは長い付き合いのようだ。次に同じ歳頃の知人女優を男優の相手に選ぶ。女優とは仕事で会った事がある程度の浅い関係のようだ。男優とは初対面かそれに近い。
 この相関関係はあくまで台詞から感じた私個人の印象だ。作中では淡々と男優と女優が個別にニナ監督から古ビルに呼び出されて制作の概略を説明する様を描くだけ。

 3人の共同生活が始まる。撮影はベッドがあるだけの殺風景な部屋に必要最低限の機材しか持ち込んでいない。まるでアダルトビデオの撮影のように見える。
 女優は「ポルノを撮るのか?」と質問するが、監督はそうではないという。テーマは「セックスは愛と言う感情を介在させなくても可能」らしいが、いい歳をした大人が何とも今さらのようなカマトトぶった思春期青少年が思い描くような発想。大義名分なんか棄てて、ハッキリ人間の交尾を撮りたいと素直に言えばいいのに。

 観る前は、閉鎖された空間で3人の人間関係がどのように変化するかを楽しむ映画なのかな、と思っていた。ところが3人は撮影場所に缶詰状態で制作に臨んでいるわけではなく、毎日現場に出勤して撮影が終わると帰宅しているようだ。
 1日目、2日目、3日目と区切ってドキュメンタリー風に物語が進んでいく。不自然に劇的な展開にはならない点は好意的に観れる。

 初日は顔合わせ、自己紹介。初日はキスや抱擁、2日目はカメラテストなのか?監督自ら上半身裸になってベッドに横になり、パンツ一丁の半裸の女優に支持を飛ばすといった具合で徐々に性的モードを高め、ついに本番。
 本番に挑むときの女優マリーの顔が妙に色っぽかった。わざとらしいセクシーさは無い。さあ、覚悟きめてやるわよ、と自らアドレナリンを出して緊張と興奮を高めている表情が良かった。スタイルもナイスボディーでないのがなお良かった。スレンダーで若々しい綺麗な身体だがBカップ以下の貧乳なので親近感とリアリティを感じる。これがハリウッドだとペントハウスモデルのようなDカップ以上の美乳女優を使ってしまうだろう。(余談2)

 当初、男優のハンスは気が進まないような態度を滲ませていた。どうも監督のニナに昔から恋慕の情を抱いているのか、どちらかといえばニナに協力するため出演したような雰囲気だった。
 セックス場面が進展するにつれ、ハンスとマリー2人の俳優は演技抜きの本気モードになる。それを示すためなのかモザイクは最小限、結合部分が生々しい。2人の俳優が性的興奮を高めて快楽を貪り合う様が伝わってくる。
 映画監督役のニナを介して、本作の監督ロルフ・ピーター・カール氏の撮りたかった部分なのか。カメラアングルも演出臭を抑えるためか定点撮影の長回しが多かった。

 この場面以降、ハンスは相手役のマリーに対し親近感を抱くようになり、仕事上の事務的な付き合いから馴れ馴れしい態度へと急激に変化する。
 その変化をニナはクールさを装いながら微かに不快に思う。あるいはマリーへの嫉妬心が芽生えてしまったのか? それとも性的な関心を抱いてしまったのか?
 風呂に割れたグラスを放り込んで放置、その後からマリーが入って「風呂使っても良いか」と許可を求め、ニナは床にゴロゴロ寝転びながら気怠そうに「好きに使っていいよ」と返答する。案の定マリーはグラスを踏みつけ爪先の指を切ってしまう。マリーが痛がっていると、ニナは手当を装って血を吸い取る様に傷口を一心不乱に舐めまくり、マリーは驚きと興奮のまなざしで監督を見つめる。(余談3)

 ラスト、ニナとハンスは自分たちの関係について話し合う。まだ2人は男女の関係を結んでいない事に気づく。そこで日本の試写室に似た施設に入る。お互いに別々の部屋に入ると、6畳程度の部屋に椅子が1つと大きなスクリーンが1つ。ハンスの部屋のスクリーンには椅子に座るニナが、おそらくニナの部屋にはハンスが映っているのだろう。
 ニナは携帯電話でハンスと話をしながら自慰を始め服を少しずつ脱いでいく。このオナニーシーンは定点撮影の長回し。セーターを脱ぎ黒いブラをずらしてBカップ級の左乳を出し、ジーンズをずり下して股間を攻める一部始終を定点撮影で表現している。まるで盗撮オナニー物のアダルトビデオみたいだった。

 盛り上がってきたところで、ニナがハンスを呼ぶ。本作では無人となったハンスの部屋の隣から男女の営みの声や音が聞こえるのみ。

 結局オチは、恋人未満のまま一線を越えられない監督がハンスと関係を結ぶために仕掛けた遠回し過ぎる求愛行動だったとしか思えなかった。

 ところで、前述に宝くじ3千円当たったような儲け感があると言った。この当選額3千円というのは微妙な数字で、ジャンボ宝くじの場合は連番10枚なら3百円は必ず当たるが、3千円はたまにしか当たらないので得した気分に一瞬なるが、結局は10枚買うのに投下した銭が戻ってきただけだ。
 本作の場合、低予算で実験的な意欲作のように見えるが果たして内容なんてあるのかどうか疑問だ。しかし監督ニナに扮したミリアム・マイエ氏がどことなくロシア連邦クリミア共和国の華ナタリア・ポクロンスカヤ検事長に似ていたのが萌だった。その彼女がラストで気合を入れた自慰をたっぷり魅せてくれる、中年のスケベ親父である私にはそこしか価値を見出すことができなかった。 

(余談1)ポルノ映画というのは、スケベな映像を撮りたいという動機で始まったジャンルだと誤解されているが、どちらかといえば低予算で制作でき、撮影費用の回収と利益が見込まれたのが大きい。

(余談2)なぜかモザイクはかかってなかった。一般作扱いでセックス場面ではないことからモザイクは免除されたのか?

(余談3)中年のスケベ親父はここから同性愛の場面に突き進むと思ったのだが、そうはならなかった。



晴雨堂スタンダード評価
☆☆ 可

晴雨堂マニアック評価
☆☆☆ 佳作



 
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