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ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

米国とキューバが国交回復か・・。全共闘の諸兄たちはガッカリやろうな。 近頃の現象[一一四七]

アメリカとキューバ、54年ぶりに国交回復 
市民は「歓迎一色」


 アメリカとキューバが20日、54年ぶりに国交を回復した。キューバは、東西冷戦を背景にした対立からの歴史的な雪解けに沸いている。
 ハバナで聞かれた市民の声は、まさに「歓迎一色」。
 反米国家の市民は、関係改善を心待ちにしていた。
 キューバでは、政府が半世紀以上にわたって「反米」を掲げてきた手前、「お祝いイベント」こそなかったが、市民は、星条旗の服を着て喜びを表した。
 また家庭では、国営放送の特別番組を見て、祝う人もいた。
 ハバナ市民は「ものすごく大きな前進でうれしい。キューバ人はみんな、この日を待っていた」と語った。
 また、キューバとアメリカ双方で大使館が再開し、ワシントンの大使館では記念式典も開かれた。
 今、キューバ市民が最も期待しているのは、これまで生活や経済に大きな打撃を与えてきたアメリカによる経済制裁の解除。
しかし、アメリカで経済制裁を解除する決定権は、国交再開を進めたオバマ大統領ではなく、議会にある。
 多数派の野党・共和党には否定的な議員も多いことから、解除には困難も予想され、キューバ市民の20日の喜びが、「ぬか喜び」になる可能性もある。(フジテレビ系)


【雑感】むかし、「AERA」だったか、掲載雑誌は記憶違いかもしれないが、中南米に誕生した社会主義政権が次々とアメリカに潰されていく様を童話「三匹の子豚」に例えた漫画に描かれていた。もちろん、狼はアメリカである。次々と政権が吹き飛ばされるが、キューバだけはレンガ造りなので持ちこたえ、まだ髭が黒いフィデル・カストロが戦闘服姿で窓から外を窺っている、そんな漫画だった。
 さて、今回の国交正常化は歓迎すべき平和的共存なのか、それとも狼の策略か?

ラウルとバラク
握手を交わすラウル・カストロバラク・オバマ。小太り爺とスマートな青年米大統領のような構図だが、 
ラウル・カストロ氏も若い頃は精悍で兄フィデルとともにジャングルを転戦した革命戦士だった。

 チェ・ゲバラのキューバ革命に惚れ込んだ全共闘世代の知人がいる。彼の家に行くとキューバ革命やゲバラに関する書籍がたくさんあり、彼自身もゲバラを意識して髭を蓄え髪を伸ばしていた。
 彼にとってはラウル体制は好ましくない方向である。あくまで数多くある説の一つでしかないが、チェとラウルは政策をめぐって対立していたとの噂があり、ゲバラがキューバを離れた理由にはラウルとの権力闘争に負けたとの見かたがある。なので彼はもともとラウルに良いイメージはもっていなかった。

 キューバ革命軍の現役最上級は少佐(Comandante)でカストロやゲバラの代名詞にもなっているが、革命軍が国軍化されて少佐以上の現役将校も復活し、ラウルも立派な星が付いた肩章と左胸にカラフルな略称を付けるようになった。ゲバラやカストロのような単なる作業服姿を懐かしむ彼は中佐以上の階級が復活した事に幻滅しゴテゴテ階級章を付けたラウルの姿を苦々しく見ていた。
 キューバは他の社会主義国と違って、指導者のあからさまな偶像化を避けてきた。旧ソ連や中国や北朝鮮のように現役の政治家の銅像や特大写真を掲げることをフィデル・カストロ自身が法律で禁止した。あくまで「現役」なので、若くして斃れたゲバラの銅像はあるが、カストロの銅像は無い。しかし、社会主義国であってはならない指導者の世襲をキューバもやってしまった事に彼は失望したようだ。
 もっともラウルは実弟とはいっても、兄フィデルや同志ゲバラとともにグランマ号でメキシコからキューバに上陸して激戦を生き延びた生え抜きの革命戦士だから、金正日や金正恩のような世襲とは全く違う。

 アメリカの経済封鎖によって国内経済が停滞しているが、北朝鮮のようにゴテゴテと変なモニュメントを造らず、経済の停滞を逆手にとってエコロジーで勝負するセンスなどを彼は高く評価していた。要するに社会主義国の中では最も生真面目に推進してきた国である事は間違いなさそうだ。
 しかし国交を回復したとなると、中国の前例があるように共産党一党支配の体制はそのままに資本主義社会になっていくのは避けようが無いと思う。それによって社会主義の良い面が潰されていくのではないかと危惧する人は少なくないだろう。知人に至っては穏やかな敗北と扱き下ろす。

 考えてみれば、アメリカのオバマ大統領も革命とまではいかなくても大変革をやろうとしてコケてしまった。あの時の熱狂は何だったんだろう? 何のために闘ったんやろう? と空しくなる。
 その空しさを突いて右翼革新派が台頭しているのが世界的潮流だ。右翼であって保守ではない。 


 
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