ミカエル晴雨堂の晴耕雨読な映画処方箋

晴雨堂ミカエルの飄々とした晴耕雨読な映画処方箋。 体調に見合った薬膳料理があるように、 料理に合う葡萄酒があるように、日常の節目に合った映画があります。映画の話題をきっかけに多彩な生活になれば幸いです。詳しいレビューは「続きを読む」をクリックしてください。

武藤貴也氏は「永遠の0」で主人公をボコボコに殴る若い少佐とキャラがだぶる。 近頃の現象[一一五七] 

“学生批判”武藤氏「撤回するつもりない」

 自民党の武藤貴也衆議院議員は先月30日、ツイッターで、安全保障関連法案に反対している学生団体について「『だって戦争に行きたくないじゃん』という自分中心、極端な利己的考えに基づく」などと批判し、波紋が広がっている。(日本テレビ系(NNN))

【雑感】人間というものは本能的に目したの人間を割引で評価する。これはある種の自己保存の本能かもしれない。人間と同じく序列のある群れを構成する犬や猿は、ボスになかなかなれないと手っ取り早く自分より下の存在を作ろうとして自分の地位安定をはかる。
 つまりその本能が人間にも脈々と生きていて、歳下の人間を不用意に低く評価してしまう傾向がある。実力を過小評価するぐらいなら良いのだが、しばしば目したからのSOSを軽く見て黙殺したために、学校での「イジメ」という名の虐待や「指導」という名の傷害で死亡者(自殺者も含む)が発生してしまう。

 武藤貴也氏も反安保の運動をしている学生を軽く見くびっているのか、あるいは脅威に感じているのか、私は両方かなと思っている。
 武藤氏の顔を見たが童顔、歳も36歳、当選2回の議員なので年功序列の自民党ではまだまだ鼻垂れ小僧だ。今の自民党は気を付けているかもしれないが、昔なら完全に子供あつかいする。いや、都議会のセクハラ野次が示すように、まだまだチクチクと子供あつかいされているかもしれない。だから武藤氏のようなポジションの人から見れば、デモに参加する学生の行動は余計に青臭く見えてしまうはずだ。

 同時に、私の世代の時もそうだったが、わざわざ暑い炎天下でデモ行進する学友は皆無だった。武藤氏の場合は「イラク派兵」で騒いでいた時期に学生生活を送っていたはずだろうが、あの時でも今ほどの盛り上がりではなかった。いわゆる護憲派勢力は高齢化が進んでいて、デモに参加するのは私で最年少の部類だった。
 単に青臭く思う程度であれば、国会で安保を審議中の大事な時期に波紋を呼ぶ発言はすまい。今回の安保法制で徴兵制復活という「デマ」が広がっている事を自民党は火消しにかかっている時に、なんと武藤氏はそれを肯定しているととられても仕方が無い発言をしたのだ。
 武藤氏も東京外大と京大の院へ進んだほどの人だからそれが判らないほど馬鹿ではないはずだ。思うに学生たちの行動が癇に障ったのだろう。

 学生批判のついでに思い違いも露呈した。「基本的人権の尊重」を否定してはいかんだろう。私は保守だが、今の保守右翼の風潮には幻滅を感じる。
 幕末から明治にかけて日本は危機感をもって西洋の最新技術を導入した。鉄道や工場を造る技術だけでなく、議会政治や西洋式の法律、軍隊でも西洋式軍制を取り入れ合理化をはかった。新しい技術や文化に謙虚でいるときの日本は確かに強かった。
 ところが大和魂にこだわりはじめるところからおかしくなっていく。結果、民主主義国家にして人権意識が強いアメリカに負けてしまった。猛将パットンが神経を病んで入院している兵士の頭を手袋で叩いただけで戦時中にもかかわらず更迭するアメリカ軍に、鬼畜米英と滅私奉公を謳う日本軍は負けたのだ。

 いま保守右翼内で蔓延っているのは、戦訓の否定だ。負け戦から学ばなければならないのに、負け戦を忘れようとしている。

 阪神大震災や東日本大震災で多くの人々がボランティアで支援に駆け付けた。支援物資のカンパも莫大な量だ。私を滅ぼして公に奉るのではなく、自分の意志で公共に協力する。強制的にやらせるよりも良い事ではないか。
 若者が危機感を抱いてこの暑いさなかデモを行うなんて事は、全共闘などの運動が完全に鎮圧されて以降は無かった。私が学生だった頃は完全に化石と化していた。それがいま盛り上がりを見せている。左の煽動で簡単に動く身勝手な若者なら、クソ暑い炎天下で国会前に繰り出すとは思えない。それよりも現政権が信用されていない事を重く見なければならない。

 武藤氏は涼しそうな顔で学生の行動を否定するのではなく、暑苦しい背広を脱ぎ棄て汗だくになって自らの考えを学生たちの前に出て真摯に腰低くして訴えるべきだ。でないと、「永遠の0」で主人公宮部久蔵に罵声を浴びせポコポコに殴りまくる若造少佐と同じだ。醜くて見苦しい。


 
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[ 2015/08/04 23:29 ] 日誌・・近頃の現象 | TB(0) | CM(2)
「永遠の0」で宮部をボコボコにする若造少佐は”特務士官の分際で!”と喚きながらぶん殴りますね。

あのシーンは私も「永遠の0」で一番好きなところなんですよ。当時の海軍の海兵出身者の絶対的優越人事を非常に上手く表現していました。
[ 2015/08/04 23:36 ] [ 編集 ]
うろぱす氏へ

 海軍の悪いところがよく出ていましたね。陸軍と違って海軍は学歴社会、坂井三郎氏も生前はそんな海軍体質を批難されていました。

> 「永遠の0」で宮部をボコボコにする若造少佐は”特務士官の分際で!”と喚きながらぶん殴りますね。
>
> あのシーンは私も「永遠の0」で一番好きなところなんですよ。当時の海軍の海兵出身者の絶対的優越人事を非常に上手く表現していました。
[ 2015/08/04 23:48 ] [ 編集 ]
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